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悪辣令嬢、媚薬を盛る 前編
しおりを挟むアシェラはにっこりと笑みを浮かべて、不機嫌そのもののドラクル王国王太子グラードを見やった。グラードはドラゴンの末裔の証である、金の瞳を眇めてアシェラを睥睨している。
「どういうつもりだ?」
優雅な微笑みを浮かべたまま、アシェラは小さく首を傾げた。見事なはちみつ色の金髪が、華奢な肩から滑り落ちさらりと揺れる。
「どういう?」
「とぼけるな。なぜ私室に通した? 俺はここに婚約を解消するために来ているんだが?」
「ええ、おっしゃる通りです」
「ではなぜ私室に通す!」
「……王太子からの寵愛を得られず捨てられるのです。せめて人目のつかぬように……その程度の配慮も不遜だと仰いますの?」
「……ハッ! もういい! さっさと署名しろ!!」
「確認いたしましたら、そのように」
舌打ちするグラードが、首元に指を差し入れる。息苦しそうに首元を緩める様を、チラリと盗み見た。我慢の限界を試され続けたグラードは、私室であることがたいそうお気に召さないらしい。アシェラはひっそりと、笑みを浮かべて書類をめくった。
「……まだか?」
「はい、もう少し……」
王家が提示した解消条件を、熱心に読み込んでいると、グラードがイライラと声を荒げた。
「言っておくがこれ以上は何も譲らない。そもそも瑕疵になるものもないはずだ。さっさと署名して、好きに過ごせばいい」
「公文書ですもの。慎重にいたしませんと」
アシェラはグラードに婚約解消を、決意させた輝く美貌を微笑ませた。グラードが舌打ちして、アシェラから顔を逸らした。
「おい! もういい加減……」
暑さと息苦しさに耐えかねて、声を上げたグラードの視界がぐらりと歪んだ。きつく眉間にシワを寄せ、ふわふわと定まらない視界に必死に耐える。アシェラが赤い唇を釣り上げた。
「な、んだ……?」
「……ようやく効いたわ」
力が抜けて傾いだグラードを見下ろし、アシェラが嫣然と微笑む。
「何を……」
「《龍の目覚め》は無香なのですね。私のためならなんでもすると言うので、試しに任せてみたのです。ご心配なく、対の《龍の慈悲》もございましてよ?」
アシェラは嘲笑うように《龍の目覚め》と対になる、《龍の慈悲》の小瓶を振ってみせた。グラードが部屋を見回し、香炉から僅かに立ち上る煙が、微かに紫がかっていることに歯噛みする。
謹厳実直を絵に描いたようなグラード。彼がこうしてだらしなくソファーに崩れ落ちているなら、王家だけの初夜の秘薬《龍の目覚め》の媚香は、ちゃんと本物だということ。アシェラはにんまりと目を細めた。
「……アシェラ!!」
ギリギリと奥歯を軋らせるグラードは、頬を上気させ呼吸まで浅くしている。その様にアシェラは、笑みを堪えきれなかった。
「そのようなお姿は、初めて拝見いたしますわね?」
目の前の男はいつも礼儀だ、作法だと小煩かった。アシェラに蔑むように見下されても、ただ力なくへたり込んでいる。微笑んで額にかかるグラードの、少し汗ばんだ前髪を払いそのまま護衛を引き入れた。忠実な騎士達はグラードを丁重に寝台に運ぶと、静かに退室していく。
二人だけの静かな室内で、アシェラはドレスに手をかけた。戸惑いなく脱ぐ衣擦れの音と、グラードの浅い呼吸が混じり合う。やがて下着姿になると、振り返って寝台に片膝を乗せた。ギシリと軋んだ寝台に、グラードが薄く目を開ける。
「……何のつもりだ!!」
「そんなの……決まっているでしょう? 私に最高の地位を与えられる男を、逃がすわけがないと思いません?」
「こ、の……性悪が……!!」
腹に跨られたグラードが声を振り絞り、アシェラは笑みを溢しながら見下ろした。アシェラの波打つ黄金の髪が、さらりと流れ落ち、至近距離で見つめ合う二人に紗が降りる。明度の落ちた互いの美貌。その浮かべている表情は対照的だった。
「貞節を重んじる王家ですもの。肌を重ねたとあっては、婚約の白紙は無理でしょう?」
目元をほのかに上気させたグラードが、金の瞳を憎悪に燃え上がらせた。
「……ふざ、けるな……!」
「この状況で随分と威勢がよろしいこと。頑張って抵抗なさって? 《龍の目覚め》にどこまで対抗するのか楽しみですわ」
シャツをはだけ、顕になった肌を指でなぞる。それだけでびくりと反応するグラードに、アシェラはくすくすと嗤った。
「……お前のような女を妃になど……!!」
爛々と怒りに燃える瞳で睨むグラードに、アシェラは鼻白んだようにため息をつく。
「この美貌のどこが気に入りませんの……?」
心底不思議そうなアシェラに、グラードはグッと奥歯を噛み締めた。今この時さえも、息を呑むほど美しい。宝物を好むドラゴンを、惑わし続けるその美貌。それが余計に気に障りグラードの、唇から唸るような罵倒が溢れ出す。
「……確かにその美貌は感嘆に値する。だがそれだけだ! これまでの行いを忘れたか? 笑わせるな!」
「だって気に触ったのですもの」
咲き誇る百花よりもなお美しく、アシェラはにっこりと微笑んだ。反省の欠片も見せないアシェラに、グラードは唇を噛み締めた。
美しい薔薇には棘がある。
アシェラはひどく美しく、そして苛烈だった。派手なドレスと宝飾に身を好み、誰に対しても高飛車で傲慢。礼の角度が浅いとお茶をかけ、ドレスの色が同じだと噴水に突き落とす。水害による収穫減少に、王家発令の奢侈禁止令も無視して、華やかに着飾って遊び歩いていた。アシェラはグラードの苦言を、毎回キレイに聞き流していた。妃に足る資質をついに一つも見出せなかった五年間。とうとうグラードは婚約白紙を決意した。
「……どれほど言って聞かせても、お前は変わらない」
「変わる必要が?」
昂然と顎を逸らすアシェラには、グラードの言葉など少しも響かない。水害のよる収穫の減少も国民に広がる不安も、アシェラにはどうでもいい。グラードがグッと眉間を険しくさせた。
「……婚約は白紙だ。民が飢えようが富もうが、気にも止めぬ者が座っていい椅子ではない……!! お前を取り囲む取り巻きと、好きなだけ遊べばいい! ただし俺の目に入らぬところでだ!!」
軽蔑しきった声音に、アシェラは微笑を浮かべた。確かに民が飢えようが、それがなんだというのか。
アシェラの足元に跪き、熱に浮かされたように愛を囁く男達。その光景がいかに見苦しいかなど、鬱陶しい忠告も面倒なだけ。たとえ忠告するのが、グラードであっても。
「言われずとも当然、好きに致しますわ。ですが、次期国王の妃の座は私のもの。それは譲れませんの」
「夜会の度に違う男と消える、その穢れた身体を恥じる気もないとはな。呆れ果てる。お前の靴なら喜んで舐める取り巻き達と、戯れていればいいだろう……!? 耳の穢れる醜聞など俺に聞かせるな!!」
逸らしていた瞳をあげて、徐々に激昂するようにグラードが叫ぶ。煩わしそうに口元に手を当て、アシェラは苦々しく顔を顰めた。
「……またそのお話ですの? 私が美しいことが罪だとでも?」
とにかく小言の多いグラードだったが、とりわけ貞節には比にならないほど過敏だった。王家が貞淑を重んじようが、アシェラには関係ない。厳しく求められる貞節は、うんざりだった。
「お前は俺の婚約者なんだぞ!」
「……はあ、もう貴方の小言は結構です」
虫を追うように手を振って、小言は無視して王家の指南書を引き寄せた。
「なぜそんなものを……」
面倒事は早めに済ませようと、確実な既成事実のために頁を捲り始める。戸惑いをあらわにして、グラードがアシェラを見上げた。
「アシェラ、なんの冗談だ……」
該当箇所を熱心に探していたアシェラは、うるさいグラードに苛立ち顔を上げた。訝しげに顔を顰める美貌をきつく睨みつける。
「もういい加減黙ってくださらない? 気が散りますわ!」
「…………」
黙り込んだグラードに満足して、アシェラは指南書に視線を戻した。求める情報を熱心に探したが、見つけた記載に何度も眉根を寄せる。
「……結合部……? ってどこ……?」
ぶつぶつと呟きをこぼしながら、探せど出てこない情報に、徐々に苛立ちが募り始める。
「一般的な手順って……だからそれを書きなさいよ……!!」
指南書と名乗るなら相応の記述をするべきだ。知っていて当然とばかり省略されている内容に、アシェラの声に怒りが滲む。
「アシェラ? ふざけているのか……?」
呆然としたグラードの声に、苛立ちを逆撫でされたアシェラが噛みついた。
「もう! お黙りになって!」
怒鳴りつけたアシェラの手首が、そのままグラードに掴まれた。不意打ちに指南書を取り落とし、イライラと振り返る。信じられないものを見るような、感情の読めない視線にぶつかって、アシェラは思わず舌打ちした。
「……なんですの? 《龍の目覚め》で逃げられもしないのです。いい加減観念なさったら?」
感情的に声を荒げたアシェラに構わず、グラードは探るような視線で真っ直ぐに見つめてくる。やけに真剣な眼差しに、アシェラは小さく首を傾げた。一体なんなのか。
「なぜ指南書を見る。お前に必要ないはずだ。毎夜遊び相手としていたことをすればいいだけだ」
「いちいち邪魔をなさらないで! 心配せずとも逃れられない、既成事実は私が作って差し上げますわ!!」
グラードを睨みつけ落ちた指南書に、手を伸ばそうとした視界がぐらりと回転した。寝台に縫い付けられ驚いて見上げると、ギラギラと底光りする金の瞳と視線が絡む。
「何も知らないかのようなふりをする意味はなんだ? 俺を襲おうとしているくせに、その振る舞いは意味をなさないだろう?」
「……ふりではございませんけど?」
「……ふりでは……ない……? なら……お前は……」
グラードが衝撃を受けたように目を見開き、動揺を隠すように手のひらで顔を覆った。アシェラは呆れ返った。
「知っていたら当然必要ありません」
知らないから調べている。わかりきった事実に、やけにしつこく無駄に食い下がってくるグラード。アシェラは冷たく目を眇めた。ドラゴンの末裔である王族は、言われるほど優秀な頭脳ではないのかもしれない。
「嘘だ……お前がまだ……なら、俺は……」
「……理解されたならどいていただけます? 私が……」
言い差してアシェラは言葉を止めた。組み敷いていたはずが、組み敷かれている。そのことに気付いて、慌ててグラードを振り返る。時間切れの可能性に青ざめた。黙ったまま手のひらに顔を埋めた、グラードの表情は見えない。肩が小さく震えているのに、アシェラが眉根を寄せた。
「グラード様?」
「……その身は清いまま……? 未だ男を知らずにいると……?」
「それが何か?」
まだそんな瑣末事にこだわっていたらしい。鬱陶しさをため息で吐き出し、とにかく急ごうとしたアシェラの耳に、くぐもった哄笑が聞こえた。そっと見やった先でグラードが、肩まで揺らして嗤っていた。
(気でも触れたのかしら……?)
笑い出したグラードに戸惑いつつ、アシェラは《龍の慈悲》に手を伸ばした。小瓶を掴んだ手が、グラードに阻まれる。小瓶ごと手を握り込まれムッとしながら、振り返ったアシェラは思わず息を呑んだ。
「答えろ、アシェラ。その身は未だ純潔か? では毎夜俺以外の男の手を取って夜に消え、どこで何をしていた?」
(……なんでそんなことを知りたがるの……?)
尋常ではない瞳の輝きに、アシェラは喉を上下させた。堪えられないように笑みを刻むグラードは、食い入るようにアシェラを見下ろしている。
「答えろ、アシェラ」
「……じゅ、純潔ですが、それがどうだと言うのです? どちらにせよ指南書の手順を全うすれば、妃の座は私のものです」
得体の知れない恐怖を感じて、喉奥が震えた。それでも気強く言い返したアシェラに、グラードがニイッと口端を釣り上げる。
「そうか……お前がまだ清いままとは……そうか……そうだったか。ふふっ。では、あれらとはどう夜を過ごしていたんだ?」
ビロードのような耳触りの猫撫で声に、アシェラの鼓膜が揺らされる。ぞくりとするほど甘い声は、甘いほど不穏に感じて、アシェラは肌が粟立つのを感じた。
「靴を……」
「……ふっ! ははは! 嘘だろう? 靴でも舐め出しかねないとは思っていたが、本当に靴だけ舐めていたと? 傑作だな!!」
唸るようにグラードは喉奥で笑った。アシェラは今のうちに、自由を取り返そうと手首を捩る。嘲笑の気配を残したままの、グラードがアシェラに視線を落として瞳を細めた。
「ああ、美しい俺のアシェラ、なぜその身を明け渡さなかった? 俺のためにか?」
優しく見えるほど細まった瞳に、眉根が寄った。おかしなことを言い出したグラードに、アシェラはごく当然の事実を告げる。
「……私の身体ですのよ? 自由にできるのは、私だけですわ」
誰のためでもない。あえていうなら自分のため。誰と何をするかはアシェラだけの権利だ。躊躇なく高慢なアシェラに、グラードの脳がぐらりと揺れた。理性が溶ける感覚にグラードは笑みを刻んだ。
「そうだな、お前はそういう女だったな。いい子だ、アシェラ。だが妃教育もまともに受けなかったお前では、せっかくの《龍の慈悲》も無駄にしてしまう」
薄ら笑いを浮かべたグラードに、アシェラが息を詰めた。見つめあった美しい金色の瞳は、いつの間にか瞳孔が縦に切れ上がっていた。謹厳な王太子の空気は消え失せ、獰猛で凶暴な気配を纏うグラード。身震いして瞳を怯えさせたアシェラを、面白がるように、グラードが頬に手を伸ばした。
「ちゃんと妃教育は受けておくべきだったぞ? 《龍の目覚め》は火ではなく、水をかける。だから覚醒も中途半端なんだ。かわいいアシェラ、次からは間違えるな。俺に相応しい女にならねばな?」
「た、正しくないならどうして……?」
アシェラの掠れた問いに、グラードは眉を跳ね上げた。射すくめてくる視線を外したくても、目を逸らしたら終わる不吉な予感が拭えず、アシェラはグラードから視線を外せない。
一度もまともに妃教育を受けなかった。だからグラードの言う、覚醒がなんなのかも分からない。でも本能は理解していた。これが覚醒で、《龍の目覚め》はこのためのものだと。
グラードは覚醒している。正しく使えなかったはずの《龍の目覚め》で。目覚めている。
傍若無人で怖いもの知らずのアシェラでさえ、震えるような畏怖と鋭い威容を纏うグラード。まるでもう人ではなく、ドラゴンの眼前にいるかのよう。震えるアシェラから、グラードは《龍の慈悲》を抜き取った。完全に縦になった瞳孔が、危うさを孕んで細まった。
「覚醒は中途半端でも、お前その美しさが否が応にも覚醒を促す。ああ、美しい俺のアシェラ……全く五年もよくも振り回してくれたものだ」
あやすような響きの甘い囁きは、まるで取り巻き達のような賛美の言葉を紡いだ。グラードから一度も言われたことのない睦言は、脅迫じみてアシェラの鼓膜を震わせる。
「……何も知らぬ無垢なままなら、早くそう言えばいいものを。俺をどれほど嫉妬で狂わせるつもりだった? 目に入らぬよう遠ざける必要がないなら早く言え。だが許そう。無垢なままのその美しさに免じて。俺のアシェラ、望み通り妃の座はお前のものだ」
グラードが頬に手を伸ばす様子を、アシェラはただ怯えて見つめていた。それしかできなかった。頬に揺れた指先に、アシェラがぴくりと肩を揺らす。
「……結合部も一般的な手順も知らずとも、心配はいらない。俺がお前を龍の女にしてやろう」
「……っ!!」
「もう二度と俺に逆らわぬいい子になるぞ。そうだろう? 無知なアシェラ」
ゆらりと腰を揺らしたグラードの動きに、目を見開いたアシェラが恐る恐る視線を下げる。身体に押し付けられたモノを確かめる様子を、グラードは薄く笑って見守った。
「……ひぃっ!!」
目の当たりにしたものに、アシェラが悲鳴をあげた。押さえられた手を振り解こうと渾身の力で暴れ出し、グラードが喉奥を鳴らしながらアシェラを優しく宥め始める。
「……い、や……いや……!! 離して!! 離してぇ!!」
「アシェラ、妃の座が欲しいのだろう? それならば頑張らねば」
アシェラは拒絶に必死に首を振り、グラードから離れようと身をにじる。振り解けない手に焦れて、取り乱しながら涙声で叫んだ。
「む、無理!! こんなの絶対におかしい!! 離してぇ!! やだぁ!!」
いくらアシェラに知識がなくても、実物を見たことがなくても分かった。どう考えてもおかしい。あんなものはありえない。棍棒サイズの大きさに、ぼこぼこと浮き出る血管が隆起する禍々しい妖物。結合部がどこにしろ、一般的な手順がなんにせよ、絶対に受け入れてはいけないことだけは分かる。
涙でぼやける視界の先で、グラードの口角が釣り上がる。命の危機にも似た絶望に、アシェラが顔色を青ざめさせた。
「無理! 無理! 絶対に無理! 離して……離してぇ……!!」
アシェラの腕よりも太い。あんなものが入るわけがない。あれは魔物だ。あんな悍ましく禍々しものが、男なら誰でもぶら下げているもののはずはない。絶対に魔物。アルティメットすぎる下半身に、アシェラは完全に心を折られていた。
細められた縦に切れ上がった瞳孔。底光りする金色の瞳。ドラゴンの末裔の王家。アシェラは悟った。末裔達の龍の証は、優秀な頭脳でも頑強な身体なんかでもない。下半身についているその魔物こそ、脈々と引き継がれてきた龍の証だと。人にあんなものついてるわけない。
「無理……こんなの聞いてない! ありえないもん……絶対無理! 怖いよぉ……離してぇ……」
ボロボロと泣き出したアシェラに、グラードがひどく優しい声を響かせた。
「ああ、泣くな。かわいい、アシェラ……」
「……っ!!」
許されることを期待して顔を上げたアシェラは、ひくりと浮かべかけた笑みを凍らせた。薄く色づく小瓶を振りながら、グラードが堪えきれないようにニンマリと嗤った。
「そのための慈悲がある。目覚めさせた責任を取ろうな?」
輝く金色の瞳の輝きに、どうあっても逃げられないことを悟って、アシェラは初めて自らの行いを心の底から悔いた。
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