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士官らしく
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共和国マーズ基地には士官専用の食堂があった。下士官や一般兵士の食堂とは分けられているため、人の姿はまばらであった。
「それで? アタシの配属については何も聞いてないっていうの?」
下士官であるユキ・ミント伍長は親睦を深めようとしているカズマら男三人のテーブルに割り込んで質問を続けていた。
「ユキ、君は下士官専用の食堂に行きなよ。僕らはこれから大事な打ち合わせをするんだ。軍人なんだからルールは守ろう」
カズマが諭すように話すと、かえってユキは怒りだした。
「さすがは無断出撃で異例の二階級特進を遂げたムサシ少尉どのですわね。女の下士官に救出されたことなんて都合よく忘れていらっしゃるのね!」
ハヤトとナオキは顔を真っ赤にしてまくしたてるユキを呆然と見ていた。
「も、もちろん覚えているよ。ミント伍長は僕の、小官の恩人だとも」
カズマは士官らしく話そうとしたが、舌がもつれてしまった。
「君らは仲がいいんだね。救出劇の話もよく知っているよ」
ハヤトが笑いながら茶化すと、カズマとユキは同時に赤面した。
「それで? アタシの配属については何も聞いてないっていうの?」
下士官であるユキ・ミント伍長は親睦を深めようとしているカズマら男三人のテーブルに割り込んで質問を続けていた。
「ユキ、君は下士官専用の食堂に行きなよ。僕らはこれから大事な打ち合わせをするんだ。軍人なんだからルールは守ろう」
カズマが諭すように話すと、かえってユキは怒りだした。
「さすがは無断出撃で異例の二階級特進を遂げたムサシ少尉どのですわね。女の下士官に救出されたことなんて都合よく忘れていらっしゃるのね!」
ハヤトとナオキは顔を真っ赤にしてまくしたてるユキを呆然と見ていた。
「も、もちろん覚えているよ。ミント伍長は僕の、小官の恩人だとも」
カズマは士官らしく話そうとしたが、舌がもつれてしまった。
「君らは仲がいいんだね。救出劇の話もよく知っているよ」
ハヤトが笑いながら茶化すと、カズマとユキは同時に赤面した。
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