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魔王子の母
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「母さん! その声は母さんですね! どこからしゃべってるんですか?」
魔王城内部に轟いた大声に向かってダイヤが叫んだ。すると魔王城の動きが止まった。
「そうだよダイヤ。今頃になって私の声に気付くなんてできの悪い子供だねオホホ……」
「母さん! ボクはもう母さんの姿を覚えていません。でもその怖い声は覚えています」
ダイヤが城に響く声に答えると、魔王ドロンが泣くのをやめてダイヤに怒鳴った。
「こらダイヤ! ワシの愛しいルーミに向かってなんてことを! すぐに謝りなさい!」
「あら、あんた。珍しく嬉しいこと言うじゃないのさ。ほら謝りな坊やオホホ……」
そのとき城の内壁がひび割れ、割れて落ちた壁の一部がダイヤに向かって飛んだ。
「母さん! やめてください。ボクは最後の魔法少女ミクを倒したいだけなんです!」
「うるさいよダイヤ! その娘は魔王が召喚したんだ。勝手に倒すなんて許さないよ!」
城の内壁はバリバリと割れ続け、ナイフのようにとがった武器となってダイヤを襲った。
「ダイヤ! 母さんに謝らないと殺されてしまうぞ。父さんにはどうにもできんのじゃ」
魔王ドロンが言う間にも、ダイヤは襲い来る壁の破片を魔力防御で必死に防いだ。
「王子さま! 大丈夫ですか? 私の魔法で王子さまを守ります! 敵はどこですか?」
ダイヤを見ていたマリーは思わずダイヤの前に飛び出し、杖から防御魔法を出した。
「マリーさん! ボクなら大丈夫。今のうちに魔法少女ミクを倒してください!」
その言葉を聞いたミクは魔王ドロンの後ろに隠れた。それを見たメリーが立ち上がった。
「マリー! ミリー! もう面倒くさい! 役立たずの魔王ごと燃やすよ!」
メリーが杖を構えるとミリーも立ち上がって杖を構えた。そしてマリーも構えた。
「トライロッド! ファイナルバスター! ゴー! ファイア!」
赤青黄色の魔力光線が三本の杖から発射され、うねりを伴って魔王ドロンを襲った。
「勝手なことをするなと言っている! 魔女ごときが魔王を倒すなど一万年早い!」
三色の魔力光線は魔王ドロンの寸前でかき消された。そしてそこに人影が現れた。
「ダイヤ! 魔女ども! 私が直接相手をしてやる! 私が王女ダイヤだよオホホ!」
メリーたちの目の前に現れたのはダイヤにそっくりな金髪の少女だった。
「……はあ? 王女だって? これはどうなってるんだい王子。アタシはたまげたよ」
少女を見たメリーは大きなため息をついた。その様子を見た金髪の少女は微笑んだ。
魔王城内部に轟いた大声に向かってダイヤが叫んだ。すると魔王城の動きが止まった。
「そうだよダイヤ。今頃になって私の声に気付くなんてできの悪い子供だねオホホ……」
「母さん! ボクはもう母さんの姿を覚えていません。でもその怖い声は覚えています」
ダイヤが城に響く声に答えると、魔王ドロンが泣くのをやめてダイヤに怒鳴った。
「こらダイヤ! ワシの愛しいルーミに向かってなんてことを! すぐに謝りなさい!」
「あら、あんた。珍しく嬉しいこと言うじゃないのさ。ほら謝りな坊やオホホ……」
そのとき城の内壁がひび割れ、割れて落ちた壁の一部がダイヤに向かって飛んだ。
「母さん! やめてください。ボクは最後の魔法少女ミクを倒したいだけなんです!」
「うるさいよダイヤ! その娘は魔王が召喚したんだ。勝手に倒すなんて許さないよ!」
城の内壁はバリバリと割れ続け、ナイフのようにとがった武器となってダイヤを襲った。
「ダイヤ! 母さんに謝らないと殺されてしまうぞ。父さんにはどうにもできんのじゃ」
魔王ドロンが言う間にも、ダイヤは襲い来る壁の破片を魔力防御で必死に防いだ。
「王子さま! 大丈夫ですか? 私の魔法で王子さまを守ります! 敵はどこですか?」
ダイヤを見ていたマリーは思わずダイヤの前に飛び出し、杖から防御魔法を出した。
「マリーさん! ボクなら大丈夫。今のうちに魔法少女ミクを倒してください!」
その言葉を聞いたミクは魔王ドロンの後ろに隠れた。それを見たメリーが立ち上がった。
「マリー! ミリー! もう面倒くさい! 役立たずの魔王ごと燃やすよ!」
メリーが杖を構えるとミリーも立ち上がって杖を構えた。そしてマリーも構えた。
「トライロッド! ファイナルバスター! ゴー! ファイア!」
赤青黄色の魔力光線が三本の杖から発射され、うねりを伴って魔王ドロンを襲った。
「勝手なことをするなと言っている! 魔女ごときが魔王を倒すなど一万年早い!」
三色の魔力光線は魔王ドロンの寸前でかき消された。そしてそこに人影が現れた。
「ダイヤ! 魔女ども! 私が直接相手をしてやる! 私が王女ダイヤだよオホホ!」
メリーたちの目の前に現れたのはダイヤにそっくりな金髪の少女だった。
「……はあ? 王女だって? これはどうなってるんだい王子。アタシはたまげたよ」
少女を見たメリーは大きなため息をついた。その様子を見た金髪の少女は微笑んだ。
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