魔法熟女三姉妹の物語

北条丈太郎

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魔王と魔王子の宿命

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虹色の光に包まれたマリーは引っ張られるように亜空間を飛んだ。マリーの近くにいた魔王ドロンはなにやらわめきながら飛び、顔をゆがめて泣いていた。
「ああ~ルーミに叱られるでおじゃるよ。でもワシはルーミに叱られるの好きで……」
やがて魔王ドロンの姿がぐねぐねとゆがみ、マリーも自分の姿がゆがむのを感じた。
「キャアア! ミクがブスになる~! こんなの嫌! 助けて魔王ちゃん! お願い!」
同じように近くを飛んでいたミクは自分の手足がゆがむのを見て泣き叫んだ。
「うるさいよクズども! 虫けら! あんた! 私の手を焼かすんじゃないよトンマ!」
虹色の空間が白くなり始めると女の大声が響き、マリーは自分が落下したのを感じた。
「……ここはどこ? どこに着いたの? 白い城? これは魔王城?」
空間から落下したマリーは自分が城の冷たく白い床に寝そべっていることに気付いた。
「おお~痛いでおじゃるよルーミしゃま。謝るからこれ以上痛くしないでお願い……」
マリーのすぐ横に魔王ドロンが音を立てて落下し、城の天井を見て涙を流した。
「ちょっと、どうなってんの? 学校にいたのにまた魔王城? お尻痛い! 痛いよ!」
魔王ドロンの横に尻から落下したミクは尻をさすり、魔王ドロンをにらみつけた。
「ワシじゃないでおじゃるよ。ワシらを呼んだのはルーミでおじゃるよオロロ~ン」
魔王ドロンは泣き続けていたが、ふと自分の目の前にいる人物を見て泣き止んだ。
「おお! 愛しのわが子ダイヤ! 魔王子ダイヤちゃんですか? 久しぶりじゃ~!」
魔王ドロンの目の前で微笑んでいたのは金髪の魔王子ダイヤだった。
「お、王子さま? それに姉さん! ミリー! マンデーも! みんな!」
驚いたマリーは叫び、立ち上がってメリーに駆け寄り、その大きな胸に飛び込んだ。
「おやマリー。無事だったのかい? 魔王や魔法少女と遊びに行ってたとはねえ」
メリーは笑いながらマリーを抱きしめた。するとミリーもマリーに抱き着いた。
「姉ちゃん! ミリー心配したんだよ。王子さまもモモちゃんもね!」
ミリーに抱き着かれたマリーは涙目になったが、ダイヤとモモの姿を見て首を傾げた。
「王子さま! 魔王城に戻られたということなんですか? 私にはなにがなんだか……」
「そうですよマリーさん。そろそろ決着をつける時なんですよ……」
ダイヤはマリーの問いには答えず、魔王ドロンとミクを見てにやりと笑った。
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