魔法熟女三姉妹の物語

北条丈太郎

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魔王城の女神

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「魔王ちゃん! この城ヤバいよ! さっきからやられっぱなし。どうにかして!」
氷塊の直撃を受けて揺れ動く城に恐怖したミクは魔王ドロンに懇願した。
「オロロン! ワシの力ではどうにもならんでごじゃる。祈るのみですよ……」
魔王ドロンは情けない顔をして泣き、その顔をミクとメグは呆然と見つめた。
「……オロロン。お二人も城の女神ルーミに祈るですよ。神様ルーミしゃま!」
「はあ? ルーミって何? 女神? 祈れば助けてくれんの? ばかばかしい……」
そう言いつつもミクとメグは手を合わせて天に祈り、攻撃がやむのを待った。
「見つけたぞお前ら。全員火葬してやるから動くなよ! はああビッグバンフレイム!」
魔王城に急速接近したメリーは城の中を覗き込み、ミクたちを見つけると呪文を唱えた。
「オロロンロン! ルーミ! 一生のお願いでごじゃる! 空高く飛ぶでごじゃる!」
メリーの特大火炎が発射されようとしたとき、魔王城が上空へ急上昇した。
「キャアア! オロロン! ルーミしゃま! ありがとうごじゃるよ!」
メリーの火炎を避けた魔王城は竜巻のように回転し、メリーを吹き飛ばした。
「姉さん! すごい風! ミリー! 姉さんを助けなきゃ!」
マリーとミリーは飛ばされたメリーを追いかけたが、同じように旋風に巻き込まれた。
「姉さん! ミリー! この空域から離脱するわ! 私につかまって!」
マリーは強風を潜り抜けてメリーをとらえ、ミリーもとらえて旋風から抜けた。
「オラダ城へ撤退よ。あの魔王城にはすごい力があるわ。出直して作戦を……」
「何言ってんだいマリー。せっかく見つけた魔王城なんだから乗り込んで……」
メリーが言いかけたとき、メリーたちに向かって魔法少女の一団が飛んできた。
「よくもアタシをやってくれたね。仕返しはさせてもらうよ魔法熟女のクソども!」
先頭を飛ぶマキが機械の杖を構えると、続く魔法少女たちも杖を構えた。
「魔法核ミサイル全弾発射! 熟女の魔力を奪え! 爆発!」
メリーたちを襲ったミサイルが次々と爆発し、メリーたちは黒い光に包まれた。
「なんだいこれ? 力が抜けるよマリー! ミリーは大丈夫かい?」
「アハハ! とっておきの秘密兵器だよ。お前らはもう終わりだ熟女ども!」
マキの高笑いを聞きながらメリーたちは空から墜落していった。
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