魔法熟女三姉妹の物語

北条丈太郎

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混乱する魔法少女マンデー

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気が付くとマンデーは星空家に戻っていた。
「……姉ちゃん? 起きろよ。また徹夜でゲームやってたんだろ? 病気だな」
マンデーの目の前にいたのは生意気そうな顔をした少年だった。
「あれ? 敦? 私は怪獣ラメゴと戦ってて? 確かやられて死んで……」
「はあ? 姉ちゃんは夢の中でもこのゲームやってんのかよ。今俺がやってるよ」
マンデーが見ると少年は『魔法帝国の野望』をプレイしている最中だった。
「姉ちゃん。そんな服着て寝るのやめろよ。ただでさえ姉ちゃんがオタクだってからかわれて俺は大変なんだよ。マジでオタク卒業しろって。姉ちゃんはブスじゃないんだし」
マンデーは少年にいわれると自分が星空月であったことを思い出し、目の前の少年が弟の敦であることも思い出した。そしてマンデーはゲーム画面を見た。
「さっきのはゲーム? いや違うわ。ゲームの世界と現実がリンクしてるんだわ」
「……わかったよ姉ちゃん。俺がラメゴをやっつけるとこまでやったから、続きは姉ちゃんがやりなよ。ちょうどトキオ編が終わったところだよ」
敦にコントローラーを渡されたマンデーはしばし考え込んだ。
「……私はマンデー? 星空月? 魔法少女になったの? わからない」
「姉ちゃん、どうしたんだよ? 俺は野球部の練習があるからもう行くよ」
「ちょっと待って敦。私が今から魔法を使うから見てて。動かないで」
「……姉ちゃん何言ってんの? まあいいや。やってみなよ、動かないから」
マンデーは敦に手のひらを向けて精神を集中し、呪いの言葉をいくつか口にした。
「姉ちゃん! ビンゴだよ! 姉ちゃんは魔法少女マンデーだ。僕はダイヤだよ」
マンデーの目の前にいた弟は金髪の魔王子ダイヤとなってマンデーに微笑みかけた。
「君は頭がいい。このゲームが人間界と魔法帝国をつなぐカギになってるんだよ」
ダイヤがゲーム機を指差すと、ゲーム機が淡い光を伴って輝き始めた。
「このゲームとホーマロードの魔法で人間界と魔法帝国はつながりすぎた」
ダイヤの話を聞いたマンデーは、ただ茫然とダイヤの目を見つめた。
「そろそろ決着をつけないとね。君も手伝ってね。ホーマロード!」
ダイヤが叫ぶとマンデーの意識はそこで途切れた。
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