魔法熟女三姉妹の物語

北条丈太郎

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魔法帝国の女王エメラルダ出現!

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「何よアレ! 王子さま、基地の中に戻ってください!」
マンデーが見上げたものは空中に浮かぶ島のような物体だった。その物体はふわふわと飛びながらカツト基地に迫り、徐々に下降を始めていた。
「アハハ! やっぱびびってる? この要塞マロクって怖い? 魔王ちゃんのおかげだ」
島のような物体の先端に立っている魔法少女がマンデーを見下ろして笑った。
「……要塞マロク? みなさん! 大砲を撃って! あの要塞を撃墜して! 早く!」
マンデーはダイヤをかばいつつ基地の兵士に頼み、自分も基地内に戻ろうとした。
カツト基地備え付けの対空砲がごうごうと火を噴いたが、要塞には無力だった。
「へへん! 無駄だよ! ミク笑っちゃう! マロクは無敵の要塞だよん! アハハ!」
ミクと名乗った魔法少女が杖を振るたびに要塞は基地に向かってゆっくりと降下した。
「ミクは魔法帝国の女王エメラルダだよ! みんな知ってるでしょ? 王子はどこ?」
「……女王エメラルダ? お願い! 早く王子さまを部屋へ! 私はここで戦う!」
マンデーはダイヤを兵士に預け、要塞マロクに向けて杖を振り上げた。マンデーは懸命に呪文を唱えたが、降下してくる要塞マロクの圧力で呪文はかき消された。
「アハハウフフ! マロクと戦うなんて笑える! マキちゃんをやっつけた黒い魔法少女ってあなた? なんか暗いね。王子さまって暗い女子が好きなんだ。キャッハハ!」
ミクがマンデーに向けて杖を振り下ろしたとき、ダイヤがマンデーの前に飛び出した。
「僕はここだ! 君の好きにしろ! マンデーさんはやらせない!」
飛び出したダイヤを見たミクは絶句し、しばしダイヤの姿に見とれた。
「確かに王子さまっぽい。でもかっこいいっていうか可愛いかもねメグちゃん……」
ミクは杖を降ろし、さらに要塞を降下させた。するとダイヤの全身が強く光った。
「マンデーさん! メリーさんたちが近くにいます! 強く念じて! 呼びます!」
言われたマンデーは光るダイヤに寄り添い、メリーたちの姿を想像して念じた。
「メリーさん! 王子さまが危ないの! 助けて! みんなここに来て! お願い!」
マンデーが心の中で強く叫ぶとダイヤの前に揺らめく影が現れ、人の姿になった。
「……呼んだかい? なんだい、でっかい島が飛んじゃってるよマリー」
現れたメリーたちは要塞マロクを見てとっさに杖を構えた。
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