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王子は魔法少女に狙われている
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「ジェットさん、あの鋼鉄の車の中に王子さまがいるんでしょう? あれだけ厳重に守っているということは王子さまがいるということだわ。違うの?」
マリーが顔を寄せてジェットに尋ねると、ジェットは顔をしかめつつ答えた。
「……マリーさんほどの魔女ならば、あの中にダイヤ王子がいるかどうかは魔力を探ればわかるでしょう。我々は隠密作戦を実行中なのです。私の答えは以上です」
ジェットの答えを聞いたマリーは魔力を集中させて車の中の気配を探ったが、思うような気配を感じられなかった。そこでマリーはもう一度ジェットに尋ねた。
「……王子さまの魔力は感じないけど、それならなぜジェットさんたちはあの車を守っているの? それでどこに向かっているの? 教えてジェットさん」
マリーの問いに答えようとしないジェットを見て、メリーが顔を真っ赤にした。
「ジェット! アタシたちに教えられないわけでもあるのかい? それで活動に協力しろだなんてよく言うねえ。どうにもお前ら三兄弟は信用できないねえ。ええ?」
メリーの言葉は怒気に満ちていて。言われたジェットは少しひるんだ。
「メリーさんの言うことはもっともです。ですが我々は魔法少女に狙われているのです」
「それは知ってるよ。お前らじゃなくて王子が狙われてるんだろ? そうだろ?」
「……その通りですメリーさん。だから王子の所在は秘密にしなければいけないのです」
ジェットが言うとメリーの赤い髪が逆立ち、その瞳が真っ赤に燃えた。
「アタシたちが秘密を漏らすってのかい? 冗談もほどほどにしないと燃やすぞ!」
メリーが杖を構えると、杖の先端が赤く光った。するとジェットは言った。
「メリーさん、この会話も魔法少女に聞かれているかもしれないのです。慎重に……」
「わかったよ。アタシたちはお前たちの後ろを勝手について行くよ。いいだろマリー?」
少し落ち着いたメリーはマリーに言った。
「それでいいわ姉さん。遅れてるミリーとシーナにもついてきてもらいましょう」
マリーの言葉を聞いたジェットが軍勢のもとに戻るとメリーとマリーもついて行った。
「……で? 結局あいつらについて行くのか? ミリーはなんか言ってるけどなあ」
メリーたちに追いついたシーナは事情を聞くと、納得いかないような表情で後ろについてくるミリーを見つめた。
マリーが顔を寄せてジェットに尋ねると、ジェットは顔をしかめつつ答えた。
「……マリーさんほどの魔女ならば、あの中にダイヤ王子がいるかどうかは魔力を探ればわかるでしょう。我々は隠密作戦を実行中なのです。私の答えは以上です」
ジェットの答えを聞いたマリーは魔力を集中させて車の中の気配を探ったが、思うような気配を感じられなかった。そこでマリーはもう一度ジェットに尋ねた。
「……王子さまの魔力は感じないけど、それならなぜジェットさんたちはあの車を守っているの? それでどこに向かっているの? 教えてジェットさん」
マリーの問いに答えようとしないジェットを見て、メリーが顔を真っ赤にした。
「ジェット! アタシたちに教えられないわけでもあるのかい? それで活動に協力しろだなんてよく言うねえ。どうにもお前ら三兄弟は信用できないねえ。ええ?」
メリーの言葉は怒気に満ちていて。言われたジェットは少しひるんだ。
「メリーさんの言うことはもっともです。ですが我々は魔法少女に狙われているのです」
「それは知ってるよ。お前らじゃなくて王子が狙われてるんだろ? そうだろ?」
「……その通りですメリーさん。だから王子の所在は秘密にしなければいけないのです」
ジェットが言うとメリーの赤い髪が逆立ち、その瞳が真っ赤に燃えた。
「アタシたちが秘密を漏らすってのかい? 冗談もほどほどにしないと燃やすぞ!」
メリーが杖を構えると、杖の先端が赤く光った。するとジェットは言った。
「メリーさん、この会話も魔法少女に聞かれているかもしれないのです。慎重に……」
「わかったよ。アタシたちはお前たちの後ろを勝手について行くよ。いいだろマリー?」
少し落ち着いたメリーはマリーに言った。
「それでいいわ姉さん。遅れてるミリーとシーナにもついてきてもらいましょう」
マリーの言葉を聞いたジェットが軍勢のもとに戻るとメリーとマリーもついて行った。
「……で? 結局あいつらについて行くのか? ミリーはなんか言ってるけどなあ」
メリーたちに追いついたシーナは事情を聞くと、納得いかないような表情で後ろについてくるミリーを見つめた。
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