魔法熟女三姉妹の物語

北条丈太郎

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魔法が通じない! 地竜を倒せ!

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「ミリー! そっちはもういいよ。困ったねえ。今度は地上の竜だよ。マリー?」
地上に舞い落ちた翼竜を踏み潰すように迫りくる竜の群れを見てメリーが言った。
「こいつらはたぶん地竜ラドンドよ姉さん。さっきの翼竜プテランとは違ってミリーの魔法は通用しないわ。私がやってみる。シーナはとどめをよろしく」
体全体を厚いうろこで覆った地竜たちは牙をむきながらメリーたちに近づいた。
「シャボンマシンガン! シュート!」
マリーが薙ぎ払うように杖を振ると、泡を含んだ強烈な水流が地竜たちの鱗をはがした。
「よし! とどめだな! 掌打! 掌打! 掌打あああ!」
シーナは突進して地竜たちに突き押しの連打を食らわせ、地竜のほとんどを打ち崩した。
「どんなもんでい! これがロック家武術よ。 あ? 川にもいるのか?」
勝ち誇っていたシーナが街道沿いの川を見ると川から続々と竜が飛び出してきた。
「姉さん! 水竜ウォタンよ! 姉さんの炎で全滅させて!」
マリーは川から跳ね上がって襲い来る水竜たちをにらみながらメリーに頼んだ。
「はいはい、面倒くさいから蒸し焼きだよ! レジンデチン!」
メリーは杖を使わずに指先で水竜たちの動きを止め、軽く息を吹きかけた。すると水竜たちはうめき声をあげ、次々と地面に落ちてもうもうとした煙を吹いた。
「ちょっと生焼けかねえ? シーナ、味見してごらんよ。アタシはやめとくけどねえ」
生き残ってていた竜たちは仲間の悲鳴を聞いて戦意を喪失し、散り散りに遁走した。
「姉さん! あの軍勢に急いで合流しましょう。まだ怪物と戦ってるみたいだわ。早く」
マリーは軍勢を指さすと走り出し、シーナもその後を追って走り出した。
「姉ちゃん、マリー姉ちゃんはちょっと慌ててるね。ミリーはあの中に王子さまはいないと思うよ。王子さまの魔力を感じないんだ。メリー姉ちゃんも行くの?」
ミリーの言葉を聞いたメリーは首をかしげたが、マリーの後を追って歩き出した。
「マリーをほっとけないだろミリー。アタシは様子を見ながら行くからついといで」
「わかったよ姉ちゃん。でも王子さまはあの基地にいるんじゃないかなあ?」
ミリーは基地から離れていく軍勢と基地を交互に見て歩き出し、基地の気配を感じながらメリーについて行った。
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