魔法熟女三姉妹の物語

北条丈太郎

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魔法少女たち驚く! 空を飛んだ潜水艦!

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「ねえねえ、こいつら弱いからそろそろ殺しちゃおう。みんなで囲むよ!」
魔法少女の一人がほかの二人に指示し、三人はロケットを囲んで笑みを浮かべた。
「アタイをなめんな! せめて一人は道連れにしてやるぜ! いくぞマッハパンチ!」
シーナがロケットの上に立ち上がり、拳を構えると、魔法少女の一人が笑うのをやめた。
「何アレ? どうなってんの? あんなの聞いてないよ! どうするどうする?」
魔法少女たちはメリーたちの後方を見て騒ぎ始めたのでメリーたちも後方を見た。
「……なんだ? 飛行機? いや、あれはジェイか? 見ろ! ジェイが飛んでるぜ!」
シーナが後方を見て叫んだときには全員が空を飛ぶ潜水艦ジェイの姿を確認していた。ジェイは胴体部から翼を生やし、艦後方から魔力を噴出して飛び、メリーたちに迫った。
「ミリー艦長の命令によって本艦はただいまから目標を撃滅します。どうか良い旅を」
ノラの機械音声が空に響き、ジェイは呆然と止まっている魔法少女たちに体当たりした。
「……! みんな! 急いで海に落ちるのよ! ノラは自爆する気だわ!」
マリーの叫びに応じてメリーが上空に爆炎を放ち、メリーたちは海へ急降下した。
「……ノラ! やめてノラ!」
ミリーが空に向かって叫んだのと同時にジェイの船体から赤い魔力の光が大きく膨れ上がり、魔法少女たちを包み込んで太陽のように輝いて消えた。
「……ノラが死んじゃった」
ロケットにつかまったまま海を漂っていたメリーたちはしばらく上空を見つめていたが、何かが落ちてくる気配もなく、ミリーのつぶやきも波の音にかき消された。
「……なかなか住み心地のいい船だったけどね。こうなったらこのロケットが流される方向に進むしかないね。マリー、なんか考えはあるかい?」
泣きじゃくっているミリーの頭をなでながらメリーがマリーに聞いた。
「……近くを船が通るまでは魔力を消耗しないようにしましょう姉さん。それだけです」
「あのよお、また飛行機が来たらどうすんだよ。アタイたち今度こそやられちまうぜ」
シーナが言うと、マリーは考えて言葉を返した。
「ただの漂流者だから飛行機には発見されないでしょ……ああっ!」
マリーが言いかけたときにロケットは大波に襲われた。
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