魔法熟女三姉妹の物語

北条丈太郎

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長女メリーは睡眠中! 大型海底生物に銛で立ち向かう魔女たち!

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潜水艦ジェイが海底付近を進む間、ミリーとシーナは窓から見える珍しい景色や奇怪な姿の深海魚たちを見て喜んでいた。マリーは不測の事態に備えてノラに質問を続け、ジェイの構造や武装、搭載されている物資などを把握するので精いっぱいだった。
「全長50メートルの魔力潜水艦ジェイは本来であれば20名ほどの乗組員を必要としますが、みなさまの魔力エネルギーで補填すれば不足分の役割をすべてノラが補います」
質問を終えてノラの回答を聞いたマリーは満足し、床に横たわっているメリーを見た。
「姉さん、安心して。ノラに任せれば私たちは特に何もしなくてもワイハに行けそうよ」
酒酔いに加えて船酔いでぐったりしているメリーはマリーの言葉を聞くと眠った。
「姉ちゃん見て見て! 遠くのほうで山みたいなのが動いてるよ面白いよ!」
ミリーが窓から目を凝らして遠くを見つめ、何かを見つけて飛び跳ねながら笑っていた。
「何よ、気になるわね。ミリーは目がいいから何か見つけたのね?」
マリーは念のためノラが映し出すレーダー画面を見たが、何も映っていなかった。
「警告! 警告! 本艦の針路上に大型生物の存在を確認。データ照合始めます」
ノラの出した警告音でマリーは緊張し、ミリーとシーナを呼んで画面に集中させた。
「該当データあり。深海生物ラーケンと確認。質量は大。本艦は大変危険な状況です」
マリーたちは画面に映し出された生物の画像を見て息をのみ、顔を見合わせた。
「なんだいコイツ? イカか? タコか? 20メートルってマジか? こりゃピンチだ」
シーナは笑いながら言ったがミリーはぽかんとし、マリーは必死に考えていた。
「ノラ、ジェイの武装で攻撃して殲滅できないの? 魚雷とかあるでしょう?」
「本艦の武装は対艦武装のみ。大型生物に対しては乗組員の実力で対応してください」
突き放すように告げられたマリーはノラの画面を叩き、質問を続けた。
「実力で対応ってどうすればいいの? こんな海中で巨大怪物と戦えと言うの?」
「乗組員各員は魔力スーツを着用して出撃。目標を撃破してください、以上です」
ノラの返答にうなだれたマリーはミリーとシーナを連れて搭乗ハッチへ急いだ。
「……これが魔力スーツ? ぴちぴちで動きにくそうだな。武器は銛だけかよ?」
「……考えながら戦いましょう。このヘルメットに空気が流れてるわ」
スーツを着た3人は潜水用ヘルメットをかぶって海中に飛び出した。
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