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怖い魔女と結婚しちゃいました

奥さまのお母さま

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 ある朝、トーマスはタバサの悲鳴を聞いて飛び起きました。
 それはタバサのお化粧時間だったので、化粧の失敗だろうとトーマスは思いました。
「お母さま! 信じられない! なんでお母さまが家に来るのよ! 嫌よもう!」
 トーマスがタバサの部屋に駆けつけるとタバサは鏡の前で真っ青になっていました。
 すると、鏡の中から美しい脚が飛び出し、やがて全身が光り輝く美女が現れました。
「久しぶりだねタバサ。私が婿殿に会うのは初めてだね! ひっひっひ!」
 美女はトーマスを見ると目を細め、笑いだすと美しい口元がばっくりと裂けました。
「ちょっとお母さま! 私のダーリンに色目使わないで! 変身も解けてるわよ!」
 なんということでしょう! 美しかった美女はあっという間に恐ろしげな老婆になりました。
「へっへっへ! 私がタバサの母親さ婿殿。魔界の女王ドロシーとも呼ばれてるんだよ」
 挨拶したドロシーはトーマスに飛びつき、しわしわの唇でトーマスにキスしました。
「やめてお母さま! ダーリンの精気を吸わないで! 言うことなんでも聞くから!」
 タバサが叫んだとき、トーマスの体はすっかりしぼんでいました。
「これは何とも美味な精気じゃ! 婿殿は人間の割になかなかの男じゃのうひっひっひ!」
 ドロシーは現れたときの美女に戻り、もう一度トーマスにキスしようとしました。
「タバサや? 何でも言うことを聞くと言ったかのう? なら魔界に帰るんじゃ!」
「……お母さま! それだけは勘弁して! 魔界はもう嫌なのよ!」
 タバサはドロシーに抱き着きましたが、ドロシーは無視してトーマスにキスしました。
 すると、大変なことが起こりました。
 トーマスの体がみるみる縮み、トーマスは赤ん坊になりました。
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