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怖い魔女と結婚しちゃいました
東洋の女占い師とダーリン
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後日、トーマスはある都市の路地裏にある占い師の店を訪ねました。
そこは東洋出身の女占い師として有名なサララの店でした。
それはミステリー雑誌の要望を受けた取材で、トーマスにとっては小遣い稼ぎの仕事でした。
「……ほう、これは! お主の顔には女難の相が出ておるぞ! これは奇怪な!」
サララは黒い瞳をらんらんと輝かせ、トーマスの顔をじっと見つめました。
トーマスは、神秘的なまでに美しい黒髪のサララに思わず見とれました。
「お主は悪霊のような女に憑りつかれておるようじゃ。心当たりはあるかの?」
そこでサララは木の棒を取り出し、先端に取り付けた白い紙をはらはらと振りました。
「……えっと? なんですそれ? なんだか不気味だ」
「これは大幣じゃ。それよりも悪い女に心当たりはないのか?」
「ないよ。タバサはいい女だし、セシリーは美人だし、レベッカだって優しい女だ」
トーマスが女の名前を次々に挙げると、サララの大幣がざわざわと動きました。
「これはいかん! その女たちはまさに物の怪じゃ! お祓いしてやるからこっちへ来い!」
トーマスはサララに従い、路地裏の奥にあるサララの家へ行きました。
するとサララは白衣に着替え、トーマスをにらんで大幣を振り回しました。
「うう! やあ! たあ! 悪霊退散! ほんげげぐはぐは!」
そのとき、トーマスの体にびっしりと緑の鱗が生えました。
「なんと面妖な! これは強力な呪術じゃ! これ! 私に抱き着くな!」
なんということでしょう。
トカゲ男に変身したトーマスは泣きながらサララに助けを求めました。
そこは東洋出身の女占い師として有名なサララの店でした。
それはミステリー雑誌の要望を受けた取材で、トーマスにとっては小遣い稼ぎの仕事でした。
「……ほう、これは! お主の顔には女難の相が出ておるぞ! これは奇怪な!」
サララは黒い瞳をらんらんと輝かせ、トーマスの顔をじっと見つめました。
トーマスは、神秘的なまでに美しい黒髪のサララに思わず見とれました。
「お主は悪霊のような女に憑りつかれておるようじゃ。心当たりはあるかの?」
そこでサララは木の棒を取り出し、先端に取り付けた白い紙をはらはらと振りました。
「……えっと? なんですそれ? なんだか不気味だ」
「これは大幣じゃ。それよりも悪い女に心当たりはないのか?」
「ないよ。タバサはいい女だし、セシリーは美人だし、レベッカだって優しい女だ」
トーマスが女の名前を次々に挙げると、サララの大幣がざわざわと動きました。
「これはいかん! その女たちはまさに物の怪じゃ! お祓いしてやるからこっちへ来い!」
トーマスはサララに従い、路地裏の奥にあるサララの家へ行きました。
するとサララは白衣に着替え、トーマスをにらんで大幣を振り回しました。
「うう! やあ! たあ! 悪霊退散! ほんげげぐはぐは!」
そのとき、トーマスの体にびっしりと緑の鱗が生えました。
「なんと面妖な! これは強力な呪術じゃ! これ! 私に抱き着くな!」
なんということでしょう。
トカゲ男に変身したトーマスは泣きながらサララに助けを求めました。
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