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新たなる野球部
のびのび野球で勝て!
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秋季大会予選二回戦の前日、タンピンは練習を早めに切り上げて部員たちとミーティングを始めた。ミーティングに見知らぬ生徒が混じっていたので部員たちはじっとその生徒を見た。
「……ああ、彼はサッカー部にいた田宮君だ。秋季大会の間だけ野球部に入部してもらった。大会が終わったらサッカー部に戻るんだ。よろしくな」
タンピンは手短に紹介したが、部員たちはただぽかんとしていた。
「あのな、俺らは十人しかいねえだろ。怪我人が出たら試合どころじゃなくなっちまう。俺は監督だけどいざというときは試合に出る。もっとヤバいときは田宮君に出てもらうしかねえ。ただな、田宮君は野球経験があまりねえから出なくて済むように試合をするんだ」
部員たちはタンピンの説明を聞いてそれなりに納得した。
「よし、お前ら。次の試合はのびのびやるんだ。お前らの実力なら勝てる相手だ。のびのび楽しくな。実力通りやれば必ず勝てる。応援団も呼んだから楽しくやろうぜ!」
タンピンの明るい顔を見た部員たちは戸惑った。自分たちが知っているキャプテンとは違う顔だった。楽しくやろうなどと言う言葉も初めて聞いた気がした。
「……キャプテン。応援団なんて本当に来るんですか? 今まで来たことないですよ」
「ハハハ安心しろ。女子を二人も呼んだ。二人ともめちゃくちゃ可愛いぞ。楽しみだろ!」
……そして試合当日。試合前の守備練習を軽やかにこなしつつ、小船ナインはちらちらと応援席を見ていた。その動きにつられて夜空も応援席を見た。だが太陽は集中していた。
「夜空くん! 頑張って! お姉さんとアタシが来たからね!」
応援席にいたのは太陽の妹の美緒と夜空の姉の想子だった。
美緒は笑顔で飛び跳ねていたが、想子は美緒の後ろに隠れながら太陽を見ていた。
「……ああ、彼はサッカー部にいた田宮君だ。秋季大会の間だけ野球部に入部してもらった。大会が終わったらサッカー部に戻るんだ。よろしくな」
タンピンは手短に紹介したが、部員たちはただぽかんとしていた。
「あのな、俺らは十人しかいねえだろ。怪我人が出たら試合どころじゃなくなっちまう。俺は監督だけどいざというときは試合に出る。もっとヤバいときは田宮君に出てもらうしかねえ。ただな、田宮君は野球経験があまりねえから出なくて済むように試合をするんだ」
部員たちはタンピンの説明を聞いてそれなりに納得した。
「よし、お前ら。次の試合はのびのびやるんだ。お前らの実力なら勝てる相手だ。のびのび楽しくな。実力通りやれば必ず勝てる。応援団も呼んだから楽しくやろうぜ!」
タンピンの明るい顔を見た部員たちは戸惑った。自分たちが知っているキャプテンとは違う顔だった。楽しくやろうなどと言う言葉も初めて聞いた気がした。
「……キャプテン。応援団なんて本当に来るんですか? 今まで来たことないですよ」
「ハハハ安心しろ。女子を二人も呼んだ。二人ともめちゃくちゃ可愛いぞ。楽しみだろ!」
……そして試合当日。試合前の守備練習を軽やかにこなしつつ、小船ナインはちらちらと応援席を見ていた。その動きにつられて夜空も応援席を見た。だが太陽は集中していた。
「夜空くん! 頑張って! お姉さんとアタシが来たからね!」
応援席にいたのは太陽の妹の美緒と夜空の姉の想子だった。
美緒は笑顔で飛び跳ねていたが、想子は美緒の後ろに隠れながら太陽を見ていた。
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