突騎兵ロスマンズ

北条丈太郎

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上官

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「ちょっと来な、話がある。上官命令だ」
隅っこの席でぼんやりと飲み物を飲んでいた拓は女性士官に襟をつかまれ、そのままずるずると食堂から引っ張り出された。
「私はお前の上官になるスワロ・メグ少佐だ。グラスウルフ隊の指揮官をやっている。お前たちをトレーラーに乗せたのは私だ。覚えてるかい?」
メグ少佐は短く整えた赤い髪と好対照をなす黒い瞳で拓を見つめた。
「すみません、覚えていません」
拓が否定するとメグ少佐は拓の胸倉をつかんで自分の豊かな胸元に引き寄せた。拓の顔はメグの胸にはさまれ、息をするのも苦しくなった。
「少尉、以後は私が鍛えてやる。グラスウルフ隊は厳しいぞ。覚悟しな」
メグの胸から開放された拓は大きく息をついた。
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