24 / 42
プレゼント
しおりを挟む
翌朝。拓郎は途方に暮れていた。
(ちくしょう、ここはどこなんだ? 適当に歩いたら迷っちまった)
(ホテルを出てこう歩いてこっちへ向かって。頭が痛え)
(吐き気までしやがる。昨日のことが思い出せねえ)
(ダメだ、目が回る。俺の家はどこなんだ? 情けねえ)
「拓郎! 探したよ! 家に帰ろう。大丈夫?」
拓郎が深い眠りから目覚めると、心配そうな真美が目をこすっていた。
「拓郎。私たち、携帯電話を買おうよ。絶対必要だよ」
「……携帯? そうだね。確かに必要かもしれない。でも金がない」
拓郎が登校すると、下駄箱に手紙が入っていた。
(生徒会室にて待つ。茂)
「……思い出したぞ、あの野郎!」
拓郎は思わず下駄箱を蹴りつけたが、手紙はポケットにしまった。
「拓郎君。会長が待ってるって。一緒に行こ?」
真帆に腕を引っ張られ、拓郎はのろのろと生徒会室へ向かった。
昼休みの生徒会室には茂だけが座っていた。
「昨晩は楽しかったね拓郎君。君にプレゼントがあるんだ」
「何? 拓郎君って会長と友達になったの? すごーい!」
真帆の甲高い声で拓郎の頭は痛んだが、無言を貫いた。
「はい、君とお姉さんの分だよ。自由に使ってくれ」
差し出されたのは2台の携帯電話だった。
(ちくしょう、ここはどこなんだ? 適当に歩いたら迷っちまった)
(ホテルを出てこう歩いてこっちへ向かって。頭が痛え)
(吐き気までしやがる。昨日のことが思い出せねえ)
(ダメだ、目が回る。俺の家はどこなんだ? 情けねえ)
「拓郎! 探したよ! 家に帰ろう。大丈夫?」
拓郎が深い眠りから目覚めると、心配そうな真美が目をこすっていた。
「拓郎。私たち、携帯電話を買おうよ。絶対必要だよ」
「……携帯? そうだね。確かに必要かもしれない。でも金がない」
拓郎が登校すると、下駄箱に手紙が入っていた。
(生徒会室にて待つ。茂)
「……思い出したぞ、あの野郎!」
拓郎は思わず下駄箱を蹴りつけたが、手紙はポケットにしまった。
「拓郎君。会長が待ってるって。一緒に行こ?」
真帆に腕を引っ張られ、拓郎はのろのろと生徒会室へ向かった。
昼休みの生徒会室には茂だけが座っていた。
「昨晩は楽しかったね拓郎君。君にプレゼントがあるんだ」
「何? 拓郎君って会長と友達になったの? すごーい!」
真帆の甲高い声で拓郎の頭は痛んだが、無言を貫いた。
「はい、君とお姉さんの分だよ。自由に使ってくれ」
差し出されたのは2台の携帯電話だった。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
懐妊を告げずに家を出ます。最愛のあなた、どうかお幸せに。
梅雨の人
恋愛
最愛の夫、ブラッド。
あなたと共に、人生が終わるその時まで互いに慈しみ、愛情に溢れる時を過ごしていけると信じていた。
その時までは。
どうか、幸せになってね。
愛しい人。
さようなら。
ハッチョーボリ・シュレディンガーズ
近畿ブロードウェイ
SF
なぜか就寝中、布団の中にさまざまな昆虫が潜り込んでくる友人の話を聞き、
悪ふざけ100%で、お酒を飲みながらふわふわと話を膨らませていった結果。
「布団の上のセミの死骸×シュレディンガー方程式×何か地獄みたいになってる国」
という作品が書きたくなったので、話が思いついたときに更新していきます。
小説家になろう で書いている話ですが、
せっかく アルファポリス のアカウントも作ったのでこっちでも更新します。
https://ncode.syosetu.com/n5143io/
・この物語はフィクションです。
作中の人物・団体などの名称は全て架空のものであり、
特定の事件・事象とも一切関係はありません
・特定の作品を馬鹿にするような意図もありません
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる