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木人

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上の階へ登ろうとするとものすごい地響きが上に響いています。
「この振動は! 奴です! 奴が降りてきたのです!」
嬉しそうに叫んだのは道真です。眼鏡がぴかぴかと光っています。
「前置きいらんわ! はよ説明せいガリベン! なんやっちゅうねん」
「その名も木人21号です! おおおこの目で見られるとは至福です」
「ガオー! ガオー! ガオー!」
気がつくと一行の前にとてつもなく大きい木製のつま先が見えました。
「寄らば切る! と言いたいところだが、とても無理だな」
綱吉は早速あきらめました。ミケはひっくり返って降参しています。
吉宗はとりあえず綱吉の後ろに隠れて事態の推移を注視しています。
「ええい! どいつもこいつもやる気ないんか根性なしのチビリが!」
そういうハムも絶望して道真の眼鏡にすがりつきました。
「整いました。とっておきの秘策を使いましょう! 皆さんお耳を」
道真の作戦を聞いて全員が頷きました。
なんということでしょう。全員がスタコラサッサと逃げ出しました。
「おっと! ゴンちゃんが遅れたぞ! まあいいか。逃げよう!」
綱吉以外の全員が逃亡に成功しました。
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