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第27話 宴
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下女や宦官がずらりと並ぶその姿は、まさに圧巻だった。
ここにさらに着飾った屈指の美貌をもつ妃達が次々と現れるのだから全員並ぶとかなり壮観だろう。
「李 琳明」
名を呼ばれて、琳明は席に案内する宦官の後ろをついて歩く。まっすぐ席に向かうかと思ったのに、宦官はまずは王のところへ琳明を案内した。それはそうだ、挨拶が一番か……
入内した日以来となる仮だとわかった王へ琳明は膝をつき頭を下げる。
王からの言葉は琳明にはなく、宦官に促され一番王から遠い席へ案内されそこに座る。琳明の後ろに控えていた女官二人は案内された席で食事の準備を始め出す。
どれだけの数になるの? 挨拶だけでお花見終わってしまうのでは……と思ったけれど。今日呼ばれたのは16歳以上、要は王とすぐにでも子をなせる年齢の妃だけで、杏のような13歳で召し上げられた年若い妃は今回は呼ばれないようだ。
そのため15人ほどと琳明が思ったよりもずっと少ない人数の妃がそろった。それでも、皆此処に呼ばれるだけあって美貌が目を引く者が下級妃賓の席には何人もいたし、上級妃賓の席は美貌とおそらく家柄も素晴らしい方が座っているようだ。
色とりどりの絹の美しい衣に、頭には競うように美しい玉の付いた簪や鼈甲の簪が美しい容姿の妃達をさらに際立たせていた。
王の近くは当然上級妃賓の席だった。そちらを見てると、琳明に気がついた麗華が軽く手を振った。麗華の頭にはまるで藤の花のように真珠が美しく垂れ下がるような簪があった。
玲真も当然この宴に参加していた。何度か目が合うので琳明に何かを言いたいようではあるが距離があるためそれは叶わない。
見事な細工の銀杯に酒が注がれる。そして銀が変色しないかをみるためだろうしばしの談笑時間が設けられていた。
これはあの時下女が磨いていた物の一つね。
あの時は高価な物で下女が絶対見せてくれそうにもなかったけどと、琳明は違和感があったことを思い出した、その原因は何なのか……。
それにしても見事な細工だわ。
私のは桜が彫られている。下女が磨いていたなかにはもっと細かいものが彫られてるのもあった。
私が祖父からもらったメッキの銀杯とは大違いね、ただ、なぜか心がいまいち踊らない。
そう思いながら酒が注がれた杯をみていると、その中に桜の花びらが一枚落ちた。
風流という人もいるだろうが、琳明にとっては桜は虫が多い木のため嫌ねと思ってしまう。
とりあえず花弁を取り出しましょう……でも濡れた花弁をその辺に捨てる動作は優雅じゃないし、かといってさらに避けておくわけにもいかない。
そういえば祖父の銀杯を持ってきているからそれにいれてたもとに入れておきましょう。
談笑が盛り上がるなか琳明は浮かぶ花弁を取り出すと、祖父からもらった銀杯の中にいれた。
さて、宴が終わればすぐにゆすいで銀を磨きあげましょう。そう思ったのだ。
琳明の目の前に置いてある銀杯は変化なく。御毒見役が食事を完了して遅行性の毒の可能性がないか時間をおいてから宴会の料理に妃達も箸をつけることとなる。
「御毒見役前へ」
御毒見役などという物騒な呼び出しに真っ青な顔をして現れたのは下女だった。
その女に琳明は見覚えがあったのだ。
忘れもしない、琳明の賜った上等な絹の衣に泥をかけたやつだ。最近後宮でスッカリ見なくなったと思っていたけれど、下女としてまだ後宮にいたのか。
そして、彼女は逃げれもしない公衆の面前で、衣を汚したにしては重すぎる罰を受けようとしていたのだった。
足取りが重いのがわかる。下女の両隣りには逃げれぬようにだろう宦官が二人ぴったりと張り付いている。
毒見役など誰がなりたいものか、ましてやこのような王も参加される大きな宴会ともなれば毒が盛られる可能性が高くなるし、毒を盛るにしても今回で確実に殺すための量を盛られてもおかしくはない。
琳明にしてみるとすでに後宮では毒が日常茶飯事で盛られていることを知っているからこそ、この食事に一番に手をつけるのがどれほど恐ろしいことなのかわかってしまう。
しかし下女は逃げることなどできない、御毒見役を今さらあの下女と変わるようなものはいない。あの下女はこの場で毒見をせざるを得ないのだ。
王や上級妃賓の実際におかれている食事が順番に彼女の下へと運ばれる。すべての皿を彼女が一口ずつ食べるのだ。
王の酒の注がれた銀杯を受け取り、震えた手で下女が口をつけ嚥下した。ほんの一口だけ。
下女の顔色が悪くなった気がした。毒見などという立場だ、気分が悪くなって当然だ。琳明とあの下女の間には確かに事件があり、恨んではいて仕返しをと思っていたが、命をかけるような罰を受けさせるつもりなど琳明にはなかったのだから。
「今日の宴のために用意した美酒はいかがか?」
王が毒見をした下女に声をかけた。
下女は無礼にあたると感じたようで口元を押さえていた手をどかし答える。
「普段このようないいものをたしなんだことがなく。緊張もあり味がよくわかりませんでした」と。
下手なことを言えば解ってもいないくせにとなりかねないので正直な感想だったのだろうけれど。『味がよくわからない』という言葉が引っかかった。
緊張しているとはいえかなり度数の高い酒のはず。もっとほかに言いようあったのではと思うけれど毒見という立場だとそんなものなのか、それでもやはり引っかかる。
下女は口元を押さえなんだか気分が悪そうに見える。
それでも、次の皿を食べろと目の前に置かれていた。
箸を手に持つ前に、下女の手が自身の腹部にのびた。
そのしぐさに、琳明はもしやと自分の薬師としての勘を確信へと変えようと、少し前のめりとなった琳明のたもとに入れていた桜の花びらを入れていた祖父からもらっていた銀杯がコロリと落ちたのだ。
(なんてときに落ちるのよ縁起でもない)
そう思って拾い上げて琳明の顔は青ざめた。銀杯の桜の花びらの周りが黒く変色していたのだ。
どうして……琳明の前になみなみと酒が注がれている銀杯は変色一つしてない。でも、祖父からくれた銀杯は酒に浸った桜の花びらをおいたところだけが変色していた。
毒だ、おそらく下女は毒を盛られている。口元に手をやったのは緊張からではない、吐き気を感じたのではないだろうか。
腹部に一瞬手をやったのは、腹部がいたんだからでは?
違えばいい、違えばいいと思う。下女は次の皿に震える箸で手をつけた。ほっておいても毒ならばあの下女が倒れればわかることだ。今ここで私が声を上げるのがどれくらい無礼にあたるのか……
ヒ素の毒はあまり即効性がない。
それに、ある程度摂取しても腹を下す程度……でも、毒がヒ素ではなかったら?
下女は目じりに涙をため、それでも口に料理を運ぶ。あぁ、もうそんな顔をしないで頂戴。
――――だって、私は薬師なんだもの!!
琳明は保身したい気持ちよりも薬師としての気持ちが勝った。
琳明は立ち上がった。
妃の一人である琳明がたちあがったことで、視線が毒見をしていた下女から立ち上がった琳明にむかった。
琳明は走った。礼儀作法に違反するのを解った上で、上等な絹の衣をたくしあげ震える下女の下へ。下女は走ってきた琳明を見上げると口を開き琳明に話しかけてきた。その顔は真っ青だった。
「近くに来てわざわざ私を嘲笑いにきたの」
「先ほど食べたり飲んだりしたものを吐き出しなさい」
琳明はそういって、下女の口に手をつっこんだ。
驚いた下女が琳明の白い指を軽く噛んだので手から血がにじむがそれどころではない。
「んんんっ」
琳明の突然の行動に、下女の傍に控えていた宦官が止めるべく動き出す。
「触らないで、今吐き出させないとこの子死ぬわよ」
商売をしていた琳明の声はよく通った。
「ほら、吐け! 死にたくなかったら全部吐くのよ!!」
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色とりどりの絹の美しい衣に、頭には競うように美しい玉の付いた簪や鼈甲の簪が美しい容姿の妃達をさらに際立たせていた。
王の近くは当然上級妃賓の席だった。そちらを見てると、琳明に気がついた麗華が軽く手を振った。麗華の頭にはまるで藤の花のように真珠が美しく垂れ下がるような簪があった。
玲真も当然この宴に参加していた。何度か目が合うので琳明に何かを言いたいようではあるが距離があるためそれは叶わない。
見事な細工の銀杯に酒が注がれる。そして銀が変色しないかをみるためだろうしばしの談笑時間が設けられていた。
これはあの時下女が磨いていた物の一つね。
あの時は高価な物で下女が絶対見せてくれそうにもなかったけどと、琳明は違和感があったことを思い出した、その原因は何なのか……。
それにしても見事な細工だわ。
私のは桜が彫られている。下女が磨いていたなかにはもっと細かいものが彫られてるのもあった。
私が祖父からもらったメッキの銀杯とは大違いね、ただ、なぜか心がいまいち踊らない。
そう思いながら酒が注がれた杯をみていると、その中に桜の花びらが一枚落ちた。
風流という人もいるだろうが、琳明にとっては桜は虫が多い木のため嫌ねと思ってしまう。
とりあえず花弁を取り出しましょう……でも濡れた花弁をその辺に捨てる動作は優雅じゃないし、かといってさらに避けておくわけにもいかない。
そういえば祖父の銀杯を持ってきているからそれにいれてたもとに入れておきましょう。
談笑が盛り上がるなか琳明は浮かぶ花弁を取り出すと、祖父からもらった銀杯の中にいれた。
さて、宴が終わればすぐにゆすいで銀を磨きあげましょう。そう思ったのだ。
琳明の目の前に置いてある銀杯は変化なく。御毒見役が食事を完了して遅行性の毒の可能性がないか時間をおいてから宴会の料理に妃達も箸をつけることとなる。
「御毒見役前へ」
御毒見役などという物騒な呼び出しに真っ青な顔をして現れたのは下女だった。
その女に琳明は見覚えがあったのだ。
忘れもしない、琳明の賜った上等な絹の衣に泥をかけたやつだ。最近後宮でスッカリ見なくなったと思っていたけれど、下女としてまだ後宮にいたのか。
そして、彼女は逃げれもしない公衆の面前で、衣を汚したにしては重すぎる罰を受けようとしていたのだった。
足取りが重いのがわかる。下女の両隣りには逃げれぬようにだろう宦官が二人ぴったりと張り付いている。
毒見役など誰がなりたいものか、ましてやこのような王も参加される大きな宴会ともなれば毒が盛られる可能性が高くなるし、毒を盛るにしても今回で確実に殺すための量を盛られてもおかしくはない。
琳明にしてみるとすでに後宮では毒が日常茶飯事で盛られていることを知っているからこそ、この食事に一番に手をつけるのがどれほど恐ろしいことなのかわかってしまう。
しかし下女は逃げることなどできない、御毒見役を今さらあの下女と変わるようなものはいない。あの下女はこの場で毒見をせざるを得ないのだ。
王や上級妃賓の実際におかれている食事が順番に彼女の下へと運ばれる。すべての皿を彼女が一口ずつ食べるのだ。
王の酒の注がれた銀杯を受け取り、震えた手で下女が口をつけ嚥下した。ほんの一口だけ。
下女の顔色が悪くなった気がした。毒見などという立場だ、気分が悪くなって当然だ。琳明とあの下女の間には確かに事件があり、恨んではいて仕返しをと思っていたが、命をかけるような罰を受けさせるつもりなど琳明にはなかったのだから。
「今日の宴のために用意した美酒はいかがか?」
王が毒見をした下女に声をかけた。
下女は無礼にあたると感じたようで口元を押さえていた手をどかし答える。
「普段このようないいものをたしなんだことがなく。緊張もあり味がよくわかりませんでした」と。
下手なことを言えば解ってもいないくせにとなりかねないので正直な感想だったのだろうけれど。『味がよくわからない』という言葉が引っかかった。
緊張しているとはいえかなり度数の高い酒のはず。もっとほかに言いようあったのではと思うけれど毒見という立場だとそんなものなのか、それでもやはり引っかかる。
下女は口元を押さえなんだか気分が悪そうに見える。
それでも、次の皿を食べろと目の前に置かれていた。
箸を手に持つ前に、下女の手が自身の腹部にのびた。
そのしぐさに、琳明はもしやと自分の薬師としての勘を確信へと変えようと、少し前のめりとなった琳明のたもとに入れていた桜の花びらを入れていた祖父からもらっていた銀杯がコロリと落ちたのだ。
(なんてときに落ちるのよ縁起でもない)
そう思って拾い上げて琳明の顔は青ざめた。銀杯の桜の花びらの周りが黒く変色していたのだ。
どうして……琳明の前になみなみと酒が注がれている銀杯は変色一つしてない。でも、祖父からくれた銀杯は酒に浸った桜の花びらをおいたところだけが変色していた。
毒だ、おそらく下女は毒を盛られている。口元に手をやったのは緊張からではない、吐き気を感じたのではないだろうか。
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違えばいい、違えばいいと思う。下女は次の皿に震える箸で手をつけた。ほっておいても毒ならばあの下女が倒れればわかることだ。今ここで私が声を上げるのがどれくらい無礼にあたるのか……
ヒ素の毒はあまり即効性がない。
それに、ある程度摂取しても腹を下す程度……でも、毒がヒ素ではなかったら?
下女は目じりに涙をため、それでも口に料理を運ぶ。あぁ、もうそんな顔をしないで頂戴。
――――だって、私は薬師なんだもの!!
琳明は保身したい気持ちよりも薬師としての気持ちが勝った。
琳明は立ち上がった。
妃の一人である琳明がたちあがったことで、視線が毒見をしていた下女から立ち上がった琳明にむかった。
琳明は走った。礼儀作法に違反するのを解った上で、上等な絹の衣をたくしあげ震える下女の下へ。下女は走ってきた琳明を見上げると口を開き琳明に話しかけてきた。その顔は真っ青だった。
「近くに来てわざわざ私を嘲笑いにきたの」
「先ほど食べたり飲んだりしたものを吐き出しなさい」
琳明はそういって、下女の口に手をつっこんだ。
驚いた下女が琳明の白い指を軽く噛んだので手から血がにじむがそれどころではない。
「んんんっ」
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