16 / 19
1章 聖星族の少女との出会い
16話 姫に繋がる証拠
しおりを挟む
他にも何か証拠となるものはないか探しているが彼は見つける事ができなかった。
代わりに遊んでいたエレ達が大量に証拠となりそうなものを見つけてきた。
「いっぱいあった」
「収穫収穫」
「大収穫」
子供三人組が大量に持ってきた証拠となりそうなものを彼に渡した。
「持てる?」
「流石にきついな」
「ふにゅ。手伝うの」
「助かる」
「みゃ」
持ちきれないものはエレ達が協力して持つ事になった。
証拠となりそうなものをひとしきり持って湖の中から出て帰った。
エレの家に帰ってから、持ってきた証拠となりそうな品々を机の上に広げた。
机はかなり広いのだが、これ以上何も置けないくらいに物が置かれている。
「これ仕分けるの大変なの。でも、頑張るの」
「頑張るの」
「がんばれー」
「フォルも一緒にやるの」
「やるの」
エレ達子供組が率先して証拠探しをする。
「お宝探しみたいで楽しい」
「楽しい」
「めんどぉ」
エレとゼロは証拠探しを単純に宝探しのようだと楽しんでやっている。
――楽しいなら手伝ってもらっても良いか。手伝ってもらいすぎているという気もしなくはないが。
「これ不思議なのあった」
「不思議?」
「ふにゅ。くるくる動くの」
そう言って四角いものを持って不思議そうに眺めている。
「これは、記録を残す時に使う道具だ」
「ふにゃぁ。エレも記録残したい。ゼロ可愛い記録」
「却下」
「やぁ」
何か見つけるたびにエレ達は手を止めているが、一人で探すよりは捗っているだろう。
「これで最後だな。三人とも手伝ってくれて感謝する」
「にぃさまも手伝ってくれて良かったんだよ?」
「俺はさっきまでどっかの弟の尻拭いで忙しかったんだ」
「へぇ、そんな弟がいたんだ」
「へぇ、じゃないだろ。お前だ」
フォルがエレを守ろうとしたのは結果的にギュレーヴォの仕事を増やしている。
ギュレーヴォはエレ達が彼の事を手伝っている間にその後始末をしていた。
だが、等の本人は無関係と言わんばかりの反応をしている。
――これはギュレーヴォに同情するな。
自分は関係のない事に時間を割いて、当の本人はそれを全く関係ない顔をしている事は彼も何度か経験している。だからこそ、ギュレーヴォに同情していた。
だからと言って何かするというわけではないのだが。
「ふにゅ?ごめんなさいなの。エレが自分の身を守る事できないから」
この件に関してはただの被害者であるエレが申し訳なさそうに謝っている。
――本当に姫の言っているような子ではないようだな。ここまで演技できるような子でない事は一緒にいれば分かる。
「エレは何も悪くないから気にしなくて良いんだぁ」
「むにゅぅ、でもフォルはエレを守ろうとしただけなの。だからフォル責めちゃだめーー」
そう言ってエレが泣き出した。
それにはギュレーヴォも慌てて泣き止まそうとしている。
「わ、悪かった。別に責めようとかしていないから、な?泣き止んでくれぇ」
「ふぇぇぇぇぇん」
エレは泣き止もうとしない。彼は子供が泣いているところは慣れていない。この前同様どう対応して良いのか分かっていない。
「……エレ、泣かないで」
そう言ってフォルがエレの瞼に口付けをする。
そうするとエレはすぐに泣き止んだ。
「笑ってる方が好き」
「ぷにゅ」
フォルの言葉でエレは喜んでいる。
代わりに遊んでいたエレ達が大量に証拠となりそうなものを見つけてきた。
「いっぱいあった」
「収穫収穫」
「大収穫」
子供三人組が大量に持ってきた証拠となりそうなものを彼に渡した。
「持てる?」
「流石にきついな」
「ふにゅ。手伝うの」
「助かる」
「みゃ」
持ちきれないものはエレ達が協力して持つ事になった。
証拠となりそうなものをひとしきり持って湖の中から出て帰った。
エレの家に帰ってから、持ってきた証拠となりそうな品々を机の上に広げた。
机はかなり広いのだが、これ以上何も置けないくらいに物が置かれている。
「これ仕分けるの大変なの。でも、頑張るの」
「頑張るの」
「がんばれー」
「フォルも一緒にやるの」
「やるの」
エレ達子供組が率先して証拠探しをする。
「お宝探しみたいで楽しい」
「楽しい」
「めんどぉ」
エレとゼロは証拠探しを単純に宝探しのようだと楽しんでやっている。
――楽しいなら手伝ってもらっても良いか。手伝ってもらいすぎているという気もしなくはないが。
「これ不思議なのあった」
「不思議?」
「ふにゅ。くるくる動くの」
そう言って四角いものを持って不思議そうに眺めている。
「これは、記録を残す時に使う道具だ」
「ふにゃぁ。エレも記録残したい。ゼロ可愛い記録」
「却下」
「やぁ」
何か見つけるたびにエレ達は手を止めているが、一人で探すよりは捗っているだろう。
「これで最後だな。三人とも手伝ってくれて感謝する」
「にぃさまも手伝ってくれて良かったんだよ?」
「俺はさっきまでどっかの弟の尻拭いで忙しかったんだ」
「へぇ、そんな弟がいたんだ」
「へぇ、じゃないだろ。お前だ」
フォルがエレを守ろうとしたのは結果的にギュレーヴォの仕事を増やしている。
ギュレーヴォはエレ達が彼の事を手伝っている間にその後始末をしていた。
だが、等の本人は無関係と言わんばかりの反応をしている。
――これはギュレーヴォに同情するな。
自分は関係のない事に時間を割いて、当の本人はそれを全く関係ない顔をしている事は彼も何度か経験している。だからこそ、ギュレーヴォに同情していた。
だからと言って何かするというわけではないのだが。
「ふにゅ?ごめんなさいなの。エレが自分の身を守る事できないから」
この件に関してはただの被害者であるエレが申し訳なさそうに謝っている。
――本当に姫の言っているような子ではないようだな。ここまで演技できるような子でない事は一緒にいれば分かる。
「エレは何も悪くないから気にしなくて良いんだぁ」
「むにゅぅ、でもフォルはエレを守ろうとしただけなの。だからフォル責めちゃだめーー」
そう言ってエレが泣き出した。
それにはギュレーヴォも慌てて泣き止まそうとしている。
「わ、悪かった。別に責めようとかしていないから、な?泣き止んでくれぇ」
「ふぇぇぇぇぇん」
エレは泣き止もうとしない。彼は子供が泣いているところは慣れていない。この前同様どう対応して良いのか分かっていない。
「……エレ、泣かないで」
そう言ってフォルがエレの瞼に口付けをする。
そうするとエレはすぐに泣き止んだ。
「笑ってる方が好き」
「ぷにゅ」
フォルの言葉でエレは喜んでいる。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
王妃そっちのけの王様は二人目の側室を娶る
家紋武範
恋愛
王妃は自分の人生を憂いていた。国王が王子の時代、彼が六歳、自分は五歳で婚約したものの、顔合わせする度に喧嘩。
しかし王妃はひそかに彼を愛していたのだ。
仲が最悪のまま二人は結婚し、結婚生活が始まるが当然国王は王妃の部屋に来ることはない。
そればかりか国王は側室を持ち、さらに二人目の側室を王宮に迎え入れたのだった。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
彼女にも愛する人がいた
まるまる⭐️
恋愛
既に冷たくなった王妃を見つけたのは、彼女に食事を運んで来た侍女だった。
「宮廷医の見立てでは、王妃様の死因は餓死。然も彼が言うには、王妃様は亡くなってから既に2、3日は経過しているだろうとの事でした」
そう宰相から報告を受けた俺は、自分の耳を疑った。
餓死だと? この王宮で?
彼女は俺の従兄妹で隣国ジルハイムの王女だ。
俺の背中を嫌な汗が流れた。
では、亡くなってから今日まで、彼女がいない事に誰も気付きもしなかったと言うのか…?
そんな馬鹿な…。信じられなかった。
だがそんな俺を他所に宰相は更に告げる。
「亡くなった王妃様は陛下の子を懐妊されておりました」と…。
彼女がこの国へ嫁いで来て2年。漸く子が出来た事をこんな形で知るなんて…。
俺はその報告に愕然とした。
【完結】あなたに知られたくなかった
ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。
5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。
そんなセレナに起きた奇跡とは?
女性として見れない私は、もう不要な様です〜俺の事は忘れて幸せになって欲しい。と言われたのでそうする事にした結果〜
流雲青人
恋愛
子爵令嬢のプレセアは目の前に広がる光景に静かに涙を零した。
偶然にも居合わせてしまったのだ。
学園の裏庭で、婚約者がプレセアの友人へと告白している場面に。
そして後日、婚約者に呼び出され告げられた。
「君を女性として見ることが出来ない」
幼馴染であり、共に過ごして来た時間はとても長い。
その中でどうやら彼はプレセアを友人以上として見れなくなってしまったらしい。
「俺の事は忘れて幸せになって欲しい。君は幸せになるべき人だから」
大切な二人だからこそ、清く身を引いて、大好きな人と友人の恋を応援したい。
そう思っている筈なのに、恋心がその気持ちを邪魔してきて...。
※
ゆるふわ設定です。
完結しました。
〖完結〗その子は私の子ではありません。どうぞ、平民の愛人とお幸せに。
藍川みいな
恋愛
愛する人と結婚した…はずだった……
結婚式を終えて帰る途中、見知らぬ男達に襲われた。
ジュラン様を庇い、顔に傷痕が残ってしまった私を、彼は醜いと言い放った。それだけではなく、彼の子を身篭った愛人を連れて来て、彼女が産む子を私達の子として育てると言い出した。
愛していた彼の本性を知った私は、復讐する決意をする。決してあなたの思い通りになんてさせない。
*設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。
*全16話で完結になります。
*番外編、追加しました。
私が出て行った後、旦那様から後悔の手紙がもたらされました
新野乃花(大舟)
恋愛
ルナとルーク伯爵は婚約関係にあったが、その関係は伯爵の妹であるリリアによって壊される。伯爵はルナの事よりもリリアの事ばかりを優先するためだ。そんな日々が繰り返される中で、ルナは伯爵の元から姿を消す。最初こそ何とも思っていなかった伯爵であったが、その後あるきっかけをもとに、ルナの元に後悔の手紙を送ることとなるのだった…。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる