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1章 聖星族の少女との出会い
8話 御巫の子として生まれる事
しおりを挟む「他には何が聞きたい?」
「失敗の御巫姫について。その真実を知りたい」
「それを聞けば監視対象になるぞ」
「なったらどうなるんだ?」
「うるさい同僚が構ってくる」
「聞かせてくれ」
「突っ込めよ」
自分で言うなとでも突っ込んで欲しかったのだろう。だが、彼は何を突っ込むのか分かっていなかった。
「これだから堅物は」
「だから堅物じゃない」
「……あの子の話だろ。あの子が産まれた時から御巫はあの子を自分の子だと知らない。だが、それは御巫だけであり他はあの子が御巫の子だと知っていた。だから当然あの子にも御巫の素質があると産まれたすぐに無理やり御巫の素質を見ようとした」
――産まれて間もない赤子が魔法を使う事は危険と言われている。自分からなら良いが、無理矢理使わせるという事は絶対にやってはならない事だ。それも彼女は御巫の素質を試すものなのだから余計に危険だろう。
「まぁ、流石に本家が許さず御巫の力の行使じゃない。御巫の素質を図る特殊な道具を使ったんだが、まだ赤子だ。なんの素質も出なかった」
もしあったとしても赤子の状態では測定は難しい。出てこない事は良くある事だろう。
「赤子であったとしても御巫の子供なら出て当然。そんな連中がいて、あの子を失敗作と言い始めたんだ」
「……」
「あの時は、あの子は何も知らない。けど周りはあの子は失敗作だから何しても良いという感じだった。当然本家と一部の神獣はそれに意を唱えたが、話を聞かない連中でな。何も変えられなかった」
「……」
「むにゅ!やっと見つけたの。今日来るって言っていたから頑張ってケーキ作ったのに」
「エレ待たせるなんて酷い。今度から他人って事にしようかな」
「……ケーキ?あれが?」
彼の同期の黄金蝶を探しに来た聖星族の少女達が来た。
少女はむぅっと怒っている。その隣にいた黄金蝶の少年も怒っているようだが、もう一人の少年は少女の言葉に疑問を抱いているようだった。
「すまんすまん、行こうとしていたんだが話が盛り上がって」
「ケーキあるからお話お家でするの。騎士のお兄ちゃんも来るって世界様言ってたからケーキ用意してあるから行くの」
「俺の分も?」
「ふみゅ。ケーキはみんなで食べるのが楽しいの。エが頑張って作ったんだから早く行こ」
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