イディーラ学園の秘密部

碧猫 

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証明

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 これでペットと飼い主ってなったわけでしょ?

 この後どうすれば良いんだろう。何も説明されていないよ。

 でも、蝶華と月華なら説明してくれるよね。多分。

「星音、なにか変わったところある?」

 変わったところはないと思うけど。身長は伸びてない。体重は、重くなってない。身長も体重も秘密だよ。

 他には声も変わっていないね。

「変わったところないよ」
「それなら良いけど、何を変わったと思ってんの?」
「身長とか体重とか」
「そうじゃなくて体調とか」

 そっちもなんともないよね。うん。なんともない。何か変わったりするのかな。

「変わんないよ」
「良かった。もし何かあったら絶対に言ってよ」
「うん。これの後ってどうするの?これで扉が開くの?」
「開かないよ。でも、開く事ができるようになるには必要だから」

 どうするのか教えてくれないのかな。教えて欲しいんだけど。

「うふふ、逃げられると思っているのですの?」

 また追いつかれちゃった。
 どうすれば良いんだろう。

 もう一回逃げる?

「残念だけど、この子は君のものにはできないよ。これで、僕と星音は結ばれているから」

 そう言って左手の甲を見せる。そこにはお花の模様がある。

 もしかして私の方にも模様があるのかな。見てみよっと。

 あった。蝶華と同じ模様。綺麗だけど、学園大丈夫かな。刺青とかだめなんだけど。

「笑えない冗談ですわ。それが本物であるという証明もないというのに、あたくしが騙されると思って?」
「確かにそうだね。だったら、これでどう?」
「ひゃ⁉︎」

 急に左手を握られてびっくりして変な声出ちゃった。

 うぅ、蝶華の手に触れていると恥ずかしくなってくる。

「これで証明になるでしょ」

 握られている左手がほんわかあったかい。

 それにぼんやりと模様が光っている。

 これが証明なのかな。

「……本当のようですわね。分かりましたわ。今回は引いて差し上げましょう」

 なんか良く分かんなにけど帰ってくれた。なんでなんだろう。理由は分かんないけど良かった。

「これで扉も正常に開くんじゃないかな。月華」
「こっち」

 月華の案内で扉を見つけられた。これでようやく帰る事ができるね。
 短い時間だと思うけど、でもとっても長い時間ここで過ごした。そんな気分。

 怖かったし、不安だったけど二人が来てくれて本当に嬉しかった。

 またみんなで一緒にいられるって思うと安心する。

「帰ろ。星音」
「うん」
「今日は帰ったら、星音の好きなお菓子一緒に食べるか」
「うん」

 三人で手を繋いで扉の中へ入る。

「ありがと、月華、蝶華」

 その声は多分、このふわふわの世界に閉じ込められちゃったけど二人には聞こえてくれていた。
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