二つの世界を彷徨う銀の姫

碧猫 

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三十一の世界

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 翌朝、シェフィと共に解呪師を探しに出かけた。

「いた。久しぶり」
「……呪いの解呪?」
「うん。お願いできる?」
「無理。でも解呪方法なら知ってる。銀の姫の事が書かれている本と解呪方法で……お買い物一回」
「買い物?お菓子じゃなくて?」
「うん。一人じゃ迷子になるから買い物しちゃだめって言われてるから。でも、お洋服とかお菓子とか欲しい」

 顔隠しているがめちゃくちゃ可愛いな。やはりああいう可愛い子がモテるのだろうか。

「服は見れないよ?」
「うん」
「それで良いんなら」
「じゃあ、解呪方法教えるね。これは、銀の姫の試練。銀の姫が次の代へ残す魔法。愛を知る事。運命を共にする誓いを立てる事。それが解呪方法」

 愛なんて一度も考えた事なかったな。これを機に考えてみる事も良いかもしれない。

「それと、これが銀の姫の本。帰ってから読んで」
「ありがとう」
「貴方達三人に聖なる星月の導きが届きますように」
「お代」
「これから別のところへ行かないといけないからまた今度」

       ******

「プシェ、キスしたい」
「ああ」
「抜け駆け禁止って言ったのそっちだろう」
「今後のための練習だよ」

 あの解呪師の少女に会ってから十日間。短い間だったがかなりの変化があった。
 私は無事呪いを解く事ができたのだが、恋をしたという実感はないな。
 ジシェンとシェフィとこの先ずっと暮らすと誓ったら何故か解けた。

 解けたのは本当に良かったのだが、前よりも生活がめんどくさくなった気がする。

「もう直ぐ長期休み終わるよ」
「終わったらテストだな」
「プシェいっぱい勉強したからきっと補習免れるよ」
「だから補習は一度もないと言ってるだろう」

 そういえば、まだ銀の姫の本を読んでいなかったな。今度時間があれば読んでみるか。
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