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三十の世界 呪いの影響
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今日の掃除は終わったのだが、呪いの事が気になる。この家にいる限りは安全だというが、どんな呪いか分からないからな。
「プシェ、窓が面白い事になってるよ」
「窓?」
面白い事ってこれのどこが面白いんだ。窓が黒くなっている。これが呪いの影響なのだろうか。
それとも窓が何かを伝えようとしているのだろうか。
どちらにせよ良い事ではなさそうだな。
「この家にいれば安全だと思うから気にしなくて良いよ。面白いって見ているのも良いかも。怖がりすぎないためにも」
「なら、気にせず本でも」
「勉強しようか」
「本を読んで楽しもうと思うんだが」
「勉強しようか。いくら宿題ないとは言っても、テストがあるんだからちゃんと勉強しないと。補習は嫌なんじゃないの?」
そうだ。休み明けにテストがあるんだった。しかも休み明け初日にテスト。この長期休みの間に勉強をしていないといたい目を見る事になるんだよな。
「分かった。勉強をしよう」
「うん。じゃあ、今日は僕が今後のプシェに役立つ事を教えるよ」
役立つ事か。それは助かるな。
「ああいう呪いには媒介が必要なんだ。媒介にするものはなんでも良いけど、縁あるものが良いね。発動条件は色々あるけど、今回は見るって事だと思う」
役立つには役立つのだろうが、まさかの呪いについての勉強とは。
「解呪魔法は分からないけど、そういうのの専門家がいるらしいから今度会ってみない?」
「信用できるのか?」
「人にもよるのかな?プシェはこの世界は二つだけだと思う?」
「どういう意味だ?」
「今いる世界は表と裏のような状態で簡単に行き来ができる。でも、簡単に行き来ができない世界がいっぱい存在しているんだ」
世界がいっぱい存在しているか。聞いた事のないような説だが、シェフィが言っていると嘘には思えんな。
「あっ、呪ってやるだって。もう呪ってるのにおかしなの」
「そうだな」
窓に呪ってやるという文字が書かれている。なんだか思っていた呪いとは随分と違うな。
「それで、そのいっぱいある世界の中にはとってもすごい魔法を使う人もいるんだ。僕が知っている一番腕の良い解呪師はその無数にある世界の中にいる女の子なんだ」
「そうか。会ってみたいものだな、その解呪師とやらに」
「うん。いつこっちに来るか分からないけど来た時に聞いてみようよ。この呪いをどう解けば良いのかって」
「そうだな。聞いてみよう」
凄腕の解呪師か。会ってみたいが会えるかは運次第か。
「呪いで運が悪くなるとかあれば会えないかもしれないな」
「それはないよ。その女の子は運命の導き手だから。重い運命を背負いそれを変える人の後押しをするのが仕事だって本人が言っていた」
「私にそれがあるのか?」
「銀の姫。世界を変えるとかそんな大それた事じゃなくとも良いんだよ」
大それた事じゃなくて良い。そうだな。銀の姫だからといって大きな何かを変えようとしなくとも良いんだ。
「プシェ、窓が面白い事になってるよ」
「窓?」
面白い事ってこれのどこが面白いんだ。窓が黒くなっている。これが呪いの影響なのだろうか。
それとも窓が何かを伝えようとしているのだろうか。
どちらにせよ良い事ではなさそうだな。
「この家にいれば安全だと思うから気にしなくて良いよ。面白いって見ているのも良いかも。怖がりすぎないためにも」
「なら、気にせず本でも」
「勉強しようか」
「本を読んで楽しもうと思うんだが」
「勉強しようか。いくら宿題ないとは言っても、テストがあるんだからちゃんと勉強しないと。補習は嫌なんじゃないの?」
そうだ。休み明けにテストがあるんだった。しかも休み明け初日にテスト。この長期休みの間に勉強をしていないといたい目を見る事になるんだよな。
「分かった。勉強をしよう」
「うん。じゃあ、今日は僕が今後のプシェに役立つ事を教えるよ」
役立つ事か。それは助かるな。
「ああいう呪いには媒介が必要なんだ。媒介にするものはなんでも良いけど、縁あるものが良いね。発動条件は色々あるけど、今回は見るって事だと思う」
役立つには役立つのだろうが、まさかの呪いについての勉強とは。
「解呪魔法は分からないけど、そういうのの専門家がいるらしいから今度会ってみない?」
「信用できるのか?」
「人にもよるのかな?プシェはこの世界は二つだけだと思う?」
「どういう意味だ?」
「今いる世界は表と裏のような状態で簡単に行き来ができる。でも、簡単に行き来ができない世界がいっぱい存在しているんだ」
世界がいっぱい存在しているか。聞いた事のないような説だが、シェフィが言っていると嘘には思えんな。
「あっ、呪ってやるだって。もう呪ってるのにおかしなの」
「そうだな」
窓に呪ってやるという文字が書かれている。なんだか思っていた呪いとは随分と違うな。
「それで、そのいっぱいある世界の中にはとってもすごい魔法を使う人もいるんだ。僕が知っている一番腕の良い解呪師はその無数にある世界の中にいる女の子なんだ」
「そうか。会ってみたいものだな、その解呪師とやらに」
「うん。いつこっちに来るか分からないけど来た時に聞いてみようよ。この呪いをどう解けば良いのかって」
「そうだな。聞いてみよう」
凄腕の解呪師か。会ってみたいが会えるかは運次第か。
「呪いで運が悪くなるとかあれば会えないかもしれないな」
「それはないよ。その女の子は運命の導き手だから。重い運命を背負いそれを変える人の後押しをするのが仕事だって本人が言っていた」
「私にそれがあるのか?」
「銀の姫。世界を変えるとかそんな大それた事じゃなくとも良いんだよ」
大それた事じゃなくて良い。そうだな。銀の姫だからといって大きな何かを変えようとしなくとも良いんだ。
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