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日常.1

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ある日。公園のベンチで。
「ねぇレイちゃん。もしレイちゃんが、「キノコの丘を愛そうの会」っていう宗教に、知らないうちに入ってたら、どうやって退会する?」
目の前では小さな子どもたちが走り回り騒いでいる。そんな騒音の中でも隣に座っているアコの声はハッキリと聞こえた。
「…急にどうしたんだ?アコ」
思えば、ここからだったかもしれない。年2、3回だった宗教勧誘が週単位になったのは。
「私のお友達が変なの引っ掛かっちゃって…!ほら、この前、私もレイちゃんに手伝ってもらったでしょ?私さっぱりだから。レイちゃんなら!と思って…!」
「今回はアコじゃないのか?」
「うっ、うん…!」
………一瞬、詰まったような…?
「へぇ~…じゃあ、とりあえずその宗教のリンク送ってくれない?」
「わかった…!流石レイちゃん!手慣れてるね!」
アコはスマホを取り出し、画面を操作しはじめた。
「ハハ…」
もう何回もやってるから慣れてきちゃったな…
ピコンと、アコからリンクが送られてきた。
少し調べてみたところ、出来たての宗教で、早く大きな団体にしようと、いろんな所に声をかけてるみたいだ。
…なんだ?この宗教……チャットが無い…あれっ、通話マーク?
なるほど。スマホを手に入れた小さい子のインターネットの「大物」になりたいという願いがノリで爆発してしまったんだろう。
会話手段は通話しかない…と言うことか。
流石にちょっと怖いな。
スマホの画面に夢中になってた自分は、いつの間にか周りが見えなくなっていた。

「レイちゃん危ないっ!!」
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