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お魚の栞
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「ただいまー!」私は家に着くと、階段を駆け上がり、自室へ向かった。
借りたばかりの本が入ったバックを、机の上にそっと置き、本を取り出す。本を丁寧に並べ、表紙を見比べた。「やっぱまずはこれかな!」『人魚姫』の本を手に取った。
私は子どもの頃からこの話が苦手だ。人魚姫だけが不幸せになる、この話が。私にとってはあまりにも悲しすぎる話だった。執事司書さんが手に取った時は、読む気など露ほど思わなかったが、栞をもらって、その気持ちが覆った。我ながら単純だな、と思いながらページをめくった。
「わぁ・・・・」
そこには、エメラルドグリーンの海の写真。水には波紋ができていて、よく見ると水の下にはサンゴ礁やイソギンチャクなど、カラフルな世界が広がっていた。なるほど、執事司書さんが言う通り、この栞によく似合う本だ。
海の写真に栞を重ねてみた。心なしか魚が喜んでいるように見た。海の水も揺れ、キラキラと輝いているようだった。んっ?本当に動いているような・・・。
目をぎゅっとつぶり、もう一度よく見てみた。動いてるような気がするけど、まぁ目の錯覚かな!続きを読もうと、海のページに触れると、
「っ!冷た!」思わず手を引っ込める。本物の水だった。え?どうゆうこと?恐る恐る人差し指で写真に触れると、チャプンと小さく音を立てた。冷んやりとした水の感触が気持ちいい。
いやいやいや!どうなってるの?魔法?ハリーポッターなの?ナルニアなの??私の頭はパニックだった。
ぽちゃん。 何かが水の中に落ちる音がした。水の中に目を向けると、魚が元気よく泳いでいた。まさか!と思い、栞を見てみると、描かれているはずの魚が消えていた。
「うそでしょ・・」私の頭はショート寸前だ。
そして、突然魚がピョーンと跳ねたと思ったら、私の指に吸い付いた!
「ちょっ!何!何!何!」
ちゅるん。
私は魚に吸い込まれた。
いや、飲み込まれたのだった。
借りたばかりの本が入ったバックを、机の上にそっと置き、本を取り出す。本を丁寧に並べ、表紙を見比べた。「やっぱまずはこれかな!」『人魚姫』の本を手に取った。
私は子どもの頃からこの話が苦手だ。人魚姫だけが不幸せになる、この話が。私にとってはあまりにも悲しすぎる話だった。執事司書さんが手に取った時は、読む気など露ほど思わなかったが、栞をもらって、その気持ちが覆った。我ながら単純だな、と思いながらページをめくった。
「わぁ・・・・」
そこには、エメラルドグリーンの海の写真。水には波紋ができていて、よく見ると水の下にはサンゴ礁やイソギンチャクなど、カラフルな世界が広がっていた。なるほど、執事司書さんが言う通り、この栞によく似合う本だ。
海の写真に栞を重ねてみた。心なしか魚が喜んでいるように見た。海の水も揺れ、キラキラと輝いているようだった。んっ?本当に動いているような・・・。
目をぎゅっとつぶり、もう一度よく見てみた。動いてるような気がするけど、まぁ目の錯覚かな!続きを読もうと、海のページに触れると、
「っ!冷た!」思わず手を引っ込める。本物の水だった。え?どうゆうこと?恐る恐る人差し指で写真に触れると、チャプンと小さく音を立てた。冷んやりとした水の感触が気持ちいい。
いやいやいや!どうなってるの?魔法?ハリーポッターなの?ナルニアなの??私の頭はパニックだった。
ぽちゃん。 何かが水の中に落ちる音がした。水の中に目を向けると、魚が元気よく泳いでいた。まさか!と思い、栞を見てみると、描かれているはずの魚が消えていた。
「うそでしょ・・」私の頭はショート寸前だ。
そして、突然魚がピョーンと跳ねたと思ったら、私の指に吸い付いた!
「ちょっ!何!何!何!」
ちゅるん。
私は魚に吸い込まれた。
いや、飲み込まれたのだった。
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