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第503話 平穏はいつだって唐突に崩れていく

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■■■と親方との生活も安定し、この国の言葉も大分覚えた

うまく骨はくっついたようだけど親方はやはり高齢、まだゆっくりしてもらわないといけない

親方はぶっきらぼうだし、教えるのが上手いとはいえない


「なんでそんなことが分かんねぇんだ!?」


けど言い過ぎた後は頭をかいて謝ってくる


「すまん、言い過ぎた」

「いえ、僕らのためってわかってますし」

「俺ぁよぉ、ついついきつく言っちまってよく揉め事起こしてたんだ」

「・・・」


そうでしょうね、とは言えない

親方は口もでるし手も出てくる

よくいる昔の職人気質だ

後、元気に獣も狩ってくる


「かかぁが亡くなってからは息子にかかぁが死んだのは心労をかけたのは俺のせいだなんて言われるしよ、まぁ間違っちゃねぇんだが・・・」


骨がくっついて元気になったが元気になって、悪い部分も出てくるようになった

親方は結構頑固で、結構偏屈だ

そういう人だってわかって付き合ってるしそういう人との付き合い方には慣れている


「なんで僕らを助けてくれるんですか?」

「ん?あー・・命の恩ってのもあるが・・・俺とかかぁも■■■■の出なんだよ」

「だから言葉がわかるんですね」

「それにかかぁが悪いやつに売り飛ばされそうになってよ・・・ここまで逃げてきたんだわ」



よくある話だ


よくある、嫌な話だ



「追手とか大丈夫だったんですか?」

「何人かやっちまってなぁ」

「私達にそんな事話してよかったんですか?」

「お前らも似たようなもんだろ?ずーっと誰にも話せずいたからな・・・俺も親方に、前にここにいた親方に助けられたんだよ」

「なるほど」

「もしも、もしもだ、俺が死んでから息子共になにかあったら可能な限りでいい、助けてやってほしい、このとおりだ」


こんな■■だ

仕方がない


「わかりました、じゃあ僕らに何かあったら、僕らの親に幸せに生きたと伝えてもらえませんか?」

「わけぇもんが何言ってやがる・・・まぁしかたねぇか、このご時世だしなぁ」


頭をかいて少し上を見た親方

どこにでもある話で、どうしようもなくてやるせない


「お願いできますか?」

「あぁ」


いつだってそうだが、良いことばかりではない

■■が近いという噂はいつだってあるがそうするとよそ者で山の奥に住んでいる僕らは危険にさらされる

いつでもここから出ていけるように、バイクに燃料を入れて、食料も用意している

親方も何も言わないがわかってくれている

不穏な空気をどこか察しながら僕らの日々は続いていったいつまでも小さな幸せが続いていけばいいななんて考えながら





――――・・・ある日、僕らは■■に追われることになった






■■■容疑でだ

誰も来ない山奥なのに、親方が■■に問い詰められていて・・


「■■■」

「わかってる、逃げましょう」


床下から抜け出し、裏山までゆっくり移動し、バイクで走り去った

こんな時は親方はボケたふりをして息子夫婦だと言いはることにしようと言っていたし大丈夫のはずだ


「何もなかったらここで暮らし続けると良い」


なんて話をしてたのにな

バイクで走っていくと暗い山道が真っ暗になった


「なに、これ?■■■■、怖いわ」

「ひとまず止まろう、崖や木があるかもしれない」


見えるのは、バイクと荷物と■■■、それだけ

夜とは言え、ここまで何も見えないのは初めてだ

月も出ていたはずだが、雲が月の光を遮ってしまったのか?











「「「** ******* *******!!**********!!!」」」

「「え?」」



軽く、地震が起きたかと思えば―――――・・・そこは別の世界だった

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