517 / 618
第503話 平穏はいつだって唐突に崩れていく
しおりを挟む■■■と親方との生活も安定し、この国の言葉も大分覚えた
うまく骨はくっついたようだけど親方はやはり高齢、まだゆっくりしてもらわないといけない
親方はぶっきらぼうだし、教えるのが上手いとはいえない
「なんでそんなことが分かんねぇんだ!?」
けど言い過ぎた後は頭をかいて謝ってくる
「すまん、言い過ぎた」
「いえ、僕らのためってわかってますし」
「俺ぁよぉ、ついついきつく言っちまってよく揉め事起こしてたんだ」
「・・・」
そうでしょうね、とは言えない
親方は口もでるし手も出てくる
よくいる昔の職人気質だ
後、元気に獣も狩ってくる
「かかぁが亡くなってからは息子にかかぁが死んだのは心労をかけたのは俺のせいだなんて言われるしよ、まぁ間違っちゃねぇんだが・・・」
骨がくっついて元気になったが元気になって、悪い部分も出てくるようになった
親方は結構頑固で、結構偏屈だ
そういう人だってわかって付き合ってるしそういう人との付き合い方には慣れている
「なんで僕らを助けてくれるんですか?」
「ん?あー・・命の恩ってのもあるが・・・俺とかかぁも■■■■の出なんだよ」
「だから言葉がわかるんですね」
「それにかかぁが悪いやつに売り飛ばされそうになってよ・・・ここまで逃げてきたんだわ」
よくある話だ
よくある、嫌な話だ
「追手とか大丈夫だったんですか?」
「何人かやっちまってなぁ」
「私達にそんな事話してよかったんですか?」
「お前らも似たようなもんだろ?ずーっと誰にも話せずいたからな・・・俺も親方に、前にここにいた親方に助けられたんだよ」
「なるほど」
「もしも、もしもだ、俺が死んでから息子共になにかあったら可能な限りでいい、助けてやってほしい、このとおりだ」
こんな■■だ
仕方がない
「わかりました、じゃあ僕らに何かあったら、僕らの親に幸せに生きたと伝えてもらえませんか?」
「わけぇもんが何言ってやがる・・・まぁしかたねぇか、このご時世だしなぁ」
頭をかいて少し上を見た親方
どこにでもある話で、どうしようもなくてやるせない
「お願いできますか?」
「あぁ」
いつだってそうだが、良いことばかりではない
■■が近いという噂はいつだってあるがそうするとよそ者で山の奥に住んでいる僕らは危険にさらされる
いつでもここから出ていけるように、バイクに燃料を入れて、食料も用意している
親方も何も言わないがわかってくれている
不穏な空気をどこか察しながら僕らの日々は続いていったいつまでも小さな幸せが続いていけばいいななんて考えながら
――――・・・ある日、僕らは■■に追われることになった
■■■容疑でだ
誰も来ない山奥なのに、親方が■■に問い詰められていて・・
「■■■」
「わかってる、逃げましょう」
床下から抜け出し、裏山までゆっくり移動し、バイクで走り去った
こんな時は親方はボケたふりをして息子夫婦だと言いはることにしようと言っていたし大丈夫のはずだ
「何もなかったらここで暮らし続けると良い」
なんて話をしてたのにな
バイクで走っていくと暗い山道が真っ暗になった
「なに、これ?■■■■、怖いわ」
「ひとまず止まろう、崖や木があるかもしれない」
見えるのは、バイクと荷物と■■■、それだけ
夜とは言え、ここまで何も見えないのは初めてだ
月も出ていたはずだが、雲が月の光を遮ってしまったのか?
「「「** ******* *******!!**********!!!」」」
「「え?」」
軽く、地震が起きたかと思えば―――――・・・そこは別の世界だった
0
お気に入りに追加
114
あなたにおすすめの小説
十年間片思いしていた幼馴染に告白したら、完膚なきまでに振られた俺が、昔イジメから助けた美少女にアプローチを受けてる。
味のないお茶
恋愛
中学三年の終わり、俺。桜井霧都(さくらいきりと)は十年間片思いしていた幼馴染。南野凛音(みなみのりんね)に告白した。
十分以上に勝算がある。と思っていたが、
「アンタを男として見たことなんか一度も無いから無理!!」
と完膚なきまでに振られた俺。
失意のまま、十年目にして初めて一人で登校すると、小学生の頃にいじめから助けた女の子。北島永久(きたじまとわ)が目の前に居た。
彼女は俺を見て涙を流しながら、今までずっと俺のことを想い続けていたと言ってきた。
そして、
「北島永久は桜井霧都くんを心から愛しています。私をあなたの彼女にしてください」
と、告白をされ、抱きしめられる。
突然の出来事に困惑する俺。
そんな俺を追撃するように、
「な、な、な、な……何してんのよアンタ……」
「………………凛音、なんでここに」
その現場を見ていたのは、朝が苦手なはずの、置いてきた幼なじみだった。
スマートシステムで異世界革命
小川悟
ファンタジー
/// 毎日19時に投稿する予定です。 ///
★☆★ システム開発の天才!異世界転移して魔法陣構築で生産チート! ★☆★
新道亘《シンドウアタル》は、自分でも気が付かないうちにボッチ人生を歩み始めていた。
それならボッチ卒業の為に、現実世界のしがらみを全て捨て、新たな人生を歩もうとしたら、異世界女神と事故で現実世界のすべてを捨て、やり直すことになってしまった。
異世界に行くために、新たなスキルを神々と作ったら、とんでもなく生産チートなスキルが出来上がる。
スマフォのような便利なスキルで異世界に生産革命を起こします!
序章(全5話)異世界転移までの神々とのお話しです
第1章(全12話+1話)転生した場所での検証と訓練
第2章(全13話+1話)滞在先の街と出会い
第3章(全44話+4話)遺産活用と結婚
第4章(全17話)ダンジョン探索
第5章(執筆中)公的ギルド?
※第3章以降は少し内容が過激になってきます。
上記はあくまで予定です。
カクヨムでも投稿しています。
異世界ハズレモノ英雄譚〜無能ステータスと言われた俺が、ざまぁ見せつけながらのし上がっていくってよ!〜
mitsuzoエンターテインメンツ
ファンタジー
【週三日(月・水・金)投稿 基本12:00〜14:00】
異世界にクラスメートと共に召喚された瑛二。
『ハズレモノ』という聞いたこともない称号を得るが、その低スペックなステータスを見て、皆からハズレ称号とバカにされ、それどころか邪魔者扱いされ殺されそうに⋯⋯。
しかし、実は『超チートな称号』であることがわかった瑛二は、そこから自分をバカにした者や殺そうとした者に対して、圧倒的な力を隠しつつ、ざまぁを展開していく。
そして、そのざまぁは図らずも人類の命運を握るまでのものへと発展していくことに⋯⋯。
雨音は鳴りやまない
ナナシマイ
ファンタジー
木下周(きのした あまね)は音楽が大好きな二十五歳のOL。翌日に控えたライブを楽しみに眠ったはずが、気がついたら幻想的に光る泉の傍、子供の姿でうたっていた。
そこは、神のいる世界。
美しさがなによりも重要で、神のための芸術が魔法になる世界だった。
周はレインとして生活しながら、日本へ帰る方法、それを知っているであろう神に会うための魔法を探すことを決意する。
しかし、そんな彼女の前に幾度となく立ちはだかるのは、価値観の違いだ。常識も、習慣も、生きるのに必要な力すら違った。
大好きな音楽だけを頼りに、レインは少しずつその壁を乗り越え、世界のことを知ってゆく。
帰るためなら少しくらい頑張れると、得意の笑顔を張り付けながら。
やがて辿り着いた、神へと続く道。
そこで彼女が目にしたものとは。
……わたしは知っている。平凡な人間にできることなど、なにもないと。それでも――。
◇
これは、異世界からやってきた少女レインと、彼女がもたらしたマクニオス〈神のいる場所〉最盛期、その幕開けの時代を描いた物語。
欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します
ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!!
カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。
転生領主の領地開拓 -現代の日本の知識は最強でした。-
俺は俺だ
ファンタジー
今年二十歳を迎えた信楽彩生《しんらくかやせ》は突如死んでしまった。
彼は初めての就職にドキドキし過ぎて、横断歩道が赤なことに気がつかず横断歩道を渡ってしまった。
そんな彼を可哀想に思ったのか、創造神は彩生をアルマタナの世界へと転生させた。
彼は、第二の人生を楽しむと心に決めてアルマタナの世界へと旅だった。
※横読み推奨 コメントは読ませてもらっていますが、基本返信はしません。(間が空くと、読めないことがあり、返信が遅れてしまうため。)
巻き込まれ召喚・途中下車~幼女神の加護でチート?
サクラ近衛将監
ファンタジー
商社勤務の社会人一年生リューマが、偶然、勇者候補のヤンキーな連中の近くに居たことから、一緒に巻き込まれて異世界へ強制的に召喚された。万が一そのまま召喚されれば勇者候補ではないために何の力も与えられず悲惨な結末を迎える恐れが多分にあったのだが、その召喚に気づいた被召喚側世界(地球)の神様と召喚側世界(異世界)の神様である幼女神のお陰で助けられて、一旦狭間の世界に留め置かれ、改めて幼女神の加護等を貰ってから、異世界ではあるものの召喚場所とは異なる場所に無事に転移を果たすことができた。リューマは、幼女神の加護と付与された能力のおかげでチートな成長が促され、紆余曲折はありながらも異世界生活を満喫するために生きて行くことになる。
*この作品は「カクヨム」様にも投稿しています。
**週1(土曜日午後9時)の投稿を予定しています。**
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる