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第478話 きせかえ勇者
しおりを挟む変身の魔法・・いや、魔法と言っていいのかはわからない技術だけどはるねーちゃんとヨーコたちに散々遊ばれてしまった
「こっちの色もいいわね」
「ブラつけなさい」
「下はどうなってるのですの?」
きせかえである
こういうときの選択肢は4つある
1つ、諦めてきせかえ人形になる
これは精神的にきついがされるがまま数時間いればそれで終わり、基本的に機嫌が良くなる
2つ、全力で逃げる
捕まらなければ難を逃れられる
逃げても捕まって無駄な場合もあるし、後で機嫌が悪くなるかもしれない
3つ、話を逸らす
「僕よりもこっちの服に合うんじゃない?」なんて誘導する
ただこの方法は相手による
親戚のねーちゃんたちもはるねーちゃんにも通じない
「それよりあんたの服よ、こっちのほうがよくない?着てみて」
なんて言われて試着室にいれられるがうまく行けば似合う服を褒めて会計まで行ってくれればそこで終わる、とーさんが言っていた
4つ、正当な理由でその場を後にする
用事があれば逃げられることも多い
・・・・のだけど
「やっぱり白ね、清楚な感じで行きましょう」
「どうせ汚すし黒のほうがよくない?」
「同じ髪の色になりましたし、わたくしとおそろいの服にしませんか?」
全部駄目だった
「あ、僕、レアナー様の像を磨いて祈ってくるね」
「<私も見たいですぅ>」
わざわざ人に聞こえるように魔力を持っていってレアナー様は主張した
「あ、そういえば信徒が作ってくれた服、はるねーちゃんに似合うと思うんだ」
レアナー様は僕じゃなくても結構そういうのは好きだ
だけど
「あ、じゃあ私も試着するわよ、気になるし」
「だから・・さらばぁっ!うぐ・・・・・っ!!?」
「甘い!」
そらすことも失敗し、逃げようとして捕まってしまった
はるねーちゃんはチーテック様に加護を授かって髪の色に少し赤が入って・・・・・身体能力がとんでもないことになっている
聖騎士部でもヨーコが太鼓判を押すほどには強くなっているそうだ
・・・・・そして、逃亡に失敗した僕は諦めてきせかえ人形になっていた
信徒たちも楽しそうで次から次に服を持ってくる
何が面白いのか
・・・・・黒葉も最近疲れてそうだったけど楽しそうで何より・・何よりなんだけど・・・・長いよ!?三時間は長いって!!?
かーさんも参加しないで!!?子供モードと大人モードと女性モードと女の子バージョンもやれって?!
この魔法、すごく体痛いんだよ!!
結局動けなくなるまでやりました・・・床に僕の排泄物、魔力の結晶体が散らばっている
変身のたびに髪も長くなって面倒だ
色は込める魔力の種類を変えれば変えられることがわかった
あんまりやってハゲたら嫌だし、とりあえず金髪のままにする
変身直後だけ何分か金髪になるがこうも続けたからかなかなか黒髪に戻らない
頭をガリガリとかいて光る粒を落とす、固くて目に入ると痛いんだこれ
流石に汗みたいなもんだしゴミにして捨てようとしたら・・・
「何やってんの阿部?」
「研究しようかと」
「や、やめて!」
掃除機と防護服を着た阿部が無言で掃除機で吸って・・・逃げた
なんか恥ずかしいし追いかけようとしたのだけど
「次はこっち」
・・・・・――――僕ははるねーちゃんから逃げられなかった
スライムのポポン君が床に散らばってる僕の排泄物を食べて発光して良いことを思いついた
阿部もそうだったけど、何らかの研究価値があったのだろう
僕から漏れたものを研究すると考えれば背筋がむず痒くなるが仕方はない
「カーディガンもよくない?清楚っぽくて」
「やんちゃな感じもいいけどね」
「もっとパンクな感じもどうですか?」
「こっち、着て欲しい」
いつの間にか着ていたせーちゃんも収納袋から僕に似合う服を幾つも持っていて、着てほしいと言ってきた
オークションもそうだったけど、価値のあるものであれば人は興味をそそられるはずだ
異世界の物資にはドレスや織物もある、これらを出して・・逃げようと思った
エンペラースカルスパイダーの糸から出来た織物、金玉鳥の黄金の羽根マント、シーサーペント亜種の変幻する革、宝飾品を出してみせた
「「おー!!」」
「入りなさい!こら!」
黒葉だけポポンくんと戦っていたが食いついたようだ
ポポンくんは僕の着ていた服や着ている服を溶かして食べ始めたので黒葉が激おこだったのだ
収納袋に入れられそうになったポポンくんだがせーちゃんの頭に王冠のようにしがみついた
せーちゃんは無表情だがポンポン撫でているし仲がいいようである
良いぞポポン、お陰で着せ替え人形からは逃れられそう・・・
「じゃあこっちのドレスも着てみてくださいね」
「・・・・・ハイ」
服や装飾品、生地を出したのは・・・・・失敗だったようだ
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