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第467話 不思議なレアナー城視察

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とんでもない話を聞いて・・・・・考えることが増えた

本当に食後で良かった


洋介くんは忙しいらしくいなくなったし、お開きかなと思ったけど城の中は好きに見ても良いようだ

流石に客はひとまとめで行動することが決まり、ダート大統領に振り回されることとなった


「あっちのあれは何だ!?」

「結婚式場ですね、リフトの装置を搬入中です」

「あっちは?」

「ショッピングモールですね、独自通貨で買い物ができます」

「今買い物できるかね!?」


もう子供は寝る時間・・じゃない、夜なのにそれは迷惑だろうと思ったが


「大丈夫です、吾郷様がこられた日はいつでも使えるように毎回準備しておりましたので」


え!?私?!!私が来るたびに不眠でこのショッピングセンターに人員回していたの!!!?言ってよ??!


「独自通貨と言うのはどれほどのレートで両替できるのかね・・・?」

「1円で1レアナーとなります」


これはクリスマスのイベントでの情報であった

だからといって普段から解放されているわけではないし、利用できるなんて思っても見なかった


「カードは使えるかい?」

「使えません、今のところ日本円でのみの対応となっております」

「トーマス・・いくら持ってるかね?」

「円はもっていませ・・あ、そういえばジェームズからバッグを渡されています、どうぞ」

「ここの対策本部長だったかな?気が利くね・・・・この札束、一つしか無いが全て交換してもらえるかな?」

「かしこまりました」


急なショッピングだが、私も付き合いで財布に入っていた5万円ほど換金した

私もここに来たのは初めてだが・・・なんだこれ!?

広い、大型のショッピングモールよりも広い

街がまるまる一つはいってるのではないかという広さだ


一店一店スタッフが待機しているが私が毎回来るたびにこれだけのスタッフが待っていてくれていたのかと思うと申し訳なく思う

店は知っているチェーン店は一つもない

三上さんに案内されて進んだ店舗に行くが、やはりオークションで売っているようなものはなかった

だがダートは買い占めているし、私も妻に土産になるようなものを買おう


売ってるものは結構怪しい・・・


なんだ?壺って、新興宗教の定番グッズじゃないか?

宗教グッズというよりは信徒たちが作ったものを売っているそうだ

よく考えれば信徒の中には怪我人や病人が多くいて、その中には職人もいるはずだ

彼らが治療後にここに商品を卸していても不思議ではない


無造作に置かれた革の財布を手に取る

完全にハンドメイドの財布は職人の手が入っているとわかる

これだけのものを買おうと思ったら数万円はするはずだが意外と安い

これ、いいな、私用に買おう


ダートを止めようとするトーマスだったがダートがトーマスに耳打ちするとあれも買いましょうこれも買いましょうと目の色を変えた

なにかに価値を見出したのだろう

ボブもここに来るのは初めてらしいが金は持っていたらしい

さすが世界チャンピオン、ランディが持っていたケースは金だったのか


「日本ブランドの時計が欲しくて持ってきててな、ヨースケが暇そうだったら連れて行って買ってやるつもりだったんだが・・・」

「ボビー!ボクシンググッズ置いてるぞ!」

「何処だランディ!」


・・・楽しそうで何よりである


この中で一番金を持っているのはボブだが楽しそうにショッピングしている

武器屋とかもある・・聖騎士部御用達とのぼりが立ったままだが、流石にCLOSEの札がかけられている

ショーケースには大きな武器が飾られている

展示用だよね!?刃はついてないよね!!!??


・・・・・また注意することにしよう、私もレアナー教徒だしね


一応ここに入れている段階でVIP扱いされているがそれ以上の対応は無いようで・・荷物は自分で持って帰らないといけないから、各々土産物を全身にくくりつけて帰ることになった

特にトーマスは全身に買い物した袋を結びつけ、大量に荷物を持っている


買い物が終わり泊まりの予定でいた事がダートにバレてダートも泊まることとなった

ボブから聞いていたかもしれないが・・仕方ないな


「へー、吾郷も泊まるんだ」

「はい」


ダートの表情に嫌な予感がした

いたずらっ子に隙きを見せたような・・・


「じゃあ私も泊まろう、良いかな?」

「大統領!!?」

「問題ありません、部屋は用意されております」


結婚式部門担当の女性が担当となって案内してもらえることとなった

それにしても泊まる発言をしたダートにトーマスが真っ青になっている、牡蠣にあたったわけではないのだろうが・・かわいそうに

トーマスは自信家で愛国心の強いふてぶてしい印象、強気な交渉を得意とする人間・・・のはずだったが見る影もないな

こうして城の見学ツアーが始まった





この城、外から見ても広いが、中は更に広い

ショッピングセンターのエリアだけでも広大なエリアだったのに


・・・・・と言うかおかしな部分が多い


入り口のドア、別の部屋への入り口だ

隣と隣の距離は確かにある

だけどドアを開けて中から横のドアの入り口があったはずの位置を見ても何もなかった

隣の部屋への入り口は飾りかと思った、が・・・ダミーと思われるドアに入るとちゃんと部屋がある


私もダートもスマホで動画を撮るが信じられないな


空間がおかしい、入口のドアとドアの距離と入ってから隣のドアのあった位置よりも両方広く、ドアはない

まさかドアの向こう側は動き続けてそう見えるのでは?とも思ったがそうではなさそうだ


「こちらは闘技場エリア、日夜聖騎士候補生が訓練をしておりますがご覧になりますか?」

「いいな!見に行こうぜ!ダート!吾郷!」

「もちろんだ!」


もう0時になろうかという時間なのに入ってみると大規模な戦闘訓練をしていた

野球ドームのように客席があり、そこで見ていたのだが・・・激しすぎる


現代の軍隊の戦い方は銃器ありきの戦いであって基本的に怪我をしないように行っているはずだ


しかしここの人間は違う


兜をつけたものが棍棒に対し、避けることなく、むしろ当たることを前提として棍棒に頭突きに行って、そのまま棍棒を持った手首を下から掴んで背負投をした

投げたあとは顔に肘を落としにいったが投げられた側も黙って食らうこともなく、落ちてきた肘を横に払い除け、膝蹴りを返した

膝蹴りが当たるよりも速く、横から来た別の男の剣が振り下ろされ、投げた男はノックアウト


見ごたえのある攻防だ

だが危険過ぎる、どの一撃も下手に当たれば死んでしまう

そんな戦闘がそこかしこで起こっている


「誰かボクシングは出来ないか!ここの連中に俺は挑戦してみてぇ!!」


その言葉に戦闘がピタリと終わって、こちらに聖騎士候補達の視線が向いた
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