479 / 618
第467話 不思議なレアナー城視察
しおりを挟むとんでもない話を聞いて・・・・・考えることが増えた
本当に食後で良かった
洋介くんは忙しいらしくいなくなったし、お開きかなと思ったけど城の中は好きに見ても良いようだ
流石に客はひとまとめで行動することが決まり、ダート大統領に振り回されることとなった
「あっちのあれは何だ!?」
「結婚式場ですね、リフトの装置を搬入中です」
「あっちは?」
「ショッピングモールですね、独自通貨で買い物ができます」
「今買い物できるかね!?」
もう子供は寝る時間・・じゃない、夜なのにそれは迷惑だろうと思ったが
「大丈夫です、吾郷様がこられた日はいつでも使えるように毎回準備しておりましたので」
え!?私?!!私が来るたびに不眠でこのショッピングセンターに人員回していたの!!!?言ってよ??!
「独自通貨と言うのはどれほどのレートで両替できるのかね・・・?」
「1円で1レアナーとなります」
これはクリスマスのイベントでの情報であった
だからといって普段から解放されているわけではないし、利用できるなんて思っても見なかった
「カードは使えるかい?」
「使えません、今のところ日本円でのみの対応となっております」
「トーマス・・いくら持ってるかね?」
「円はもっていませ・・あ、そういえばジェームズからバッグを渡されています、どうぞ」
「ここの対策本部長だったかな?気が利くね・・・・この札束、一つしか無いが全て交換してもらえるかな?」
「かしこまりました」
急なショッピングだが、私も付き合いで財布に入っていた5万円ほど換金した
私もここに来たのは初めてだが・・・なんだこれ!?
広い、大型のショッピングモールよりも広い
街がまるまる一つはいってるのではないかという広さだ
一店一店スタッフが待機しているが私が毎回来るたびにこれだけのスタッフが待っていてくれていたのかと思うと申し訳なく思う
店は知っているチェーン店は一つもない
三上さんに案内されて進んだ店舗に行くが、やはりオークションで売っているようなものはなかった
だがダートは買い占めているし、私も妻に土産になるようなものを買おう
売ってるものは結構怪しい・・・
なんだ?壺って、新興宗教の定番グッズじゃないか?
宗教グッズというよりは信徒たちが作ったものを売っているそうだ
よく考えれば信徒の中には怪我人や病人が多くいて、その中には職人もいるはずだ
彼らが治療後にここに商品を卸していても不思議ではない
無造作に置かれた革の財布を手に取る
完全にハンドメイドの財布は職人の手が入っているとわかる
これだけのものを買おうと思ったら数万円はするはずだが意外と安い
これ、いいな、私用に買おう
ダートを止めようとするトーマスだったがダートがトーマスに耳打ちするとあれも買いましょうこれも買いましょうと目の色を変えた
なにかに価値を見出したのだろう
ボブもここに来るのは初めてらしいが金は持っていたらしい
さすが世界チャンピオン、ランディが持っていたケースは金だったのか
「日本ブランドの時計が欲しくて持ってきててな、ヨースケが暇そうだったら連れて行って買ってやるつもりだったんだが・・・」
「ボビー!ボクシンググッズ置いてるぞ!」
「何処だランディ!」
・・・楽しそうで何よりである
この中で一番金を持っているのはボブだが楽しそうにショッピングしている
武器屋とかもある・・聖騎士部御用達とのぼりが立ったままだが、流石にCLOSEの札がかけられている
ショーケースには大きな武器が飾られている
展示用だよね!?刃はついてないよね!!!??
・・・・・また注意することにしよう、私もレアナー教徒だしね
一応ここに入れている段階でVIP扱いされているがそれ以上の対応は無いようで・・荷物は自分で持って帰らないといけないから、各々土産物を全身にくくりつけて帰ることになった
特にトーマスは全身に買い物した袋を結びつけ、大量に荷物を持っている
買い物が終わり泊まりの予定でいた事がダートにバレてダートも泊まることとなった
ボブから聞いていたかもしれないが・・仕方ないな
「へー、吾郷も泊まるんだ」
「はい」
ダートの表情に嫌な予感がした
いたずらっ子に隙きを見せたような・・・
「じゃあ私も泊まろう、良いかな?」
「大統領!!?」
「問題ありません、部屋は用意されております」
結婚式部門担当の女性が担当となって案内してもらえることとなった
それにしても泊まる発言をしたダートにトーマスが真っ青になっている、牡蠣にあたったわけではないのだろうが・・かわいそうに
トーマスは自信家で愛国心の強いふてぶてしい印象、強気な交渉を得意とする人間・・・のはずだったが見る影もないな
こうして城の見学ツアーが始まった
この城、外から見ても広いが、中は更に広い
ショッピングセンターのエリアだけでも広大なエリアだったのに
・・・・・と言うかおかしな部分が多い
入り口のドア、別の部屋への入り口だ
隣と隣の距離は確かにある
だけどドアを開けて中から横のドアの入り口があったはずの位置を見ても何もなかった
隣の部屋への入り口は飾りかと思った、が・・・ダミーと思われるドアに入るとちゃんと部屋がある
私もダートもスマホで動画を撮るが信じられないな
空間がおかしい、入口のドアとドアの距離と入ってから隣のドアのあった位置よりも両方広く、ドアはない
まさかドアの向こう側は動き続けてそう見えるのでは?とも思ったがそうではなさそうだ
「こちらは闘技場エリア、日夜聖騎士候補生が訓練をしておりますがご覧になりますか?」
「いいな!見に行こうぜ!ダート!吾郷!」
「もちろんだ!」
もう0時になろうかという時間なのに入ってみると大規模な戦闘訓練をしていた
野球ドームのように客席があり、そこで見ていたのだが・・・激しすぎる
現代の軍隊の戦い方は銃器ありきの戦いであって基本的に怪我をしないように行っているはずだ
しかしここの人間は違う
兜をつけたものが棍棒に対し、避けることなく、むしろ当たることを前提として棍棒に頭突きに行って、そのまま棍棒を持った手首を下から掴んで背負投をした
投げたあとは顔に肘を落としにいったが投げられた側も黙って食らうこともなく、落ちてきた肘を横に払い除け、膝蹴りを返した
膝蹴りが当たるよりも速く、横から来た別の男の剣が振り下ろされ、投げた男はノックアウト
見ごたえのある攻防だ
だが危険過ぎる、どの一撃も下手に当たれば死んでしまう
そんな戦闘がそこかしこで起こっている
「誰かボクシングは出来ないか!ここの連中に俺は挑戦してみてぇ!!」
その言葉に戦闘がピタリと終わって、こちらに聖騎士候補達の視線が向いた
0
お気に入りに追加
112
あなたにおすすめの小説
異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた
りゅう
ファンタジー
異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。
いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。
その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。
お持ち帰り召喚士磯貝〜なんでも持ち運び出来る【転移】スキルで異世界つまみ食い生活〜
双葉 鳴|◉〻◉)
ファンタジー
ひょんなことから男子高校生、磯貝章(いそがいあきら)は授業中、クラス毎異世界クラセリアへと飛ばされた。
勇者としての役割、与えられた力。
クラスメイトに協力的なお姫様。
しかし能力を開示する魔道具が発動しなかったことを皮切りに、お姫様も想像だにしない出来事が起こった。
突如鳴り出すメール音。SNSのメロディ。
そして学校前を包囲する警察官からの呼びかけにクラスが騒然とする。
なんと、いつの間にか元の世界に帰ってきてしまっていたのだ!
──王城ごと。
王様達は警察官に武力行為を示すべく魔法の詠唱を行うが、それらが発動することはなく、現行犯逮捕された!
そのあとクラスメイトも事情聴取を受け、翌日から普通の学校生活が再開する。
何故元の世界に帰ってきてしまったのか?
そして何故か使えない魔法。
どうも日本では魔法そのものが扱えない様で、異世界の貴族達は魔法を取り上げられた平民として最低限の暮らしを強いられた。
それを他所に内心あわてている生徒が一人。
それこそが磯貝章だった。
「やっべー、もしかしてこれ、俺のせい?」
目の前に浮かび上がったステータスボードには異世界の場所と、再転移するまでのクールタイムが浮かび上がっていた。
幸い、章はクラスの中ではあまり目立たない男子生徒という立ち位置。
もしあのまま帰って来なかったらどうなっていただろうというクラスメイトの話題には参加させず、この能力をどうするべきか悩んでいた。
そして一部のクラスメイトの独断によって明かされたスキル達。
当然章の能力も開示され、家族ごとマスコミからバッシングを受けていた。
日々注目されることに辟易した章は、能力を使う内にこう思う様になった。
「もしかして、この能力を金に変えて食っていけるかも?」
──これは転移を手に入れてしまった少年と、それに巻き込まれる現地住民の異世界ドタバタコメディである。
序章まで一挙公開。
翌日から7:00、12:00、17:00、22:00更新。
序章 異世界転移【9/2〜】
一章 異世界クラセリア【9/3〜】
二章 ダンジョンアタック!【9/5〜】
三章 発足! 異世界旅行業【9/8〜】
四章 新生活は異世界で【9/10〜】
五章 巻き込まれて異世界【9/12〜】
六章 体験! エルフの暮らし【9/17〜】
七章 探索! 並行世界【9/19〜】
95部で第一部完とさせて貰ってます。
※9/24日まで毎日投稿されます。
※カクヨムさんでも改稿前の作品が読めます。
おおよそ、起こりうるであろう転移系の内容を網羅してます。
勇者召喚、ハーレム勇者、巻き込まれ召喚、俺TUEEEE等々。
ダンジョン活動、ダンジョンマスターまでなんでもあります。
【完結】魔王を倒してスキルを失ったら「用済み」と国を追放された勇者、数年後に里帰りしてみると既に祖国が滅んでいた
きなこもちこ
ファンタジー
🌟某小説投稿サイトにて月間3位(異ファン)獲得しました!
「勇者カナタよ、お前はもう用済みだ。この国から追放する」
魔王討伐後一年振りに目を覚ますと、突然王にそう告げられた。
魔王を倒したことで、俺は「勇者」のスキルを失っていた。
信頼していたパーティメンバーには蔑まれ、二度と国の土を踏まないように察知魔法までかけられた。
悔しさをバネに隣国で再起すること十数年……俺は結婚して妻子を持ち、大臣にまで昇り詰めた。
かつてのパーティメンバー達に「スキルが無くても幸せになった姿」を見せるため、里帰りした俺は……祖国の惨状を目にすることになる。
※ハピエン・善人しか書いたことのない作者が、「追放」をテーマにして実験的に書いてみた作品です。普段の作風とは異なります。
※小説家になろう、カクヨムさんで同一名義にて掲載予定です
鬼神の刃──かつて世を震撼させた殺人鬼は、スキルが全ての世界で『無能者』へと転生させられるが、前世の記憶を使ってスキル無しで無双する──
ノリオ
ファンタジー
かつて、刀技だけで世界を破滅寸前まで追い込んだ、史上最悪にして最強の殺人鬼がいた。
魔法も特異体質も数多く存在したその世界で、彼は刀1つで数多の強敵たちと渡り合い、何百何千…………何万何十万と屍の山を築いてきた。
その凶悪で残虐な所業は、正に『鬼』。
その超絶で無双の強さは、正に『神』。
だからこそ、後に人々は彼を『鬼神』と呼び、恐怖に支配されながら生きてきた。
しかし、
そんな彼でも、当時の英雄と呼ばれる人間たちに殺され、この世を去ることになる。
………………コレは、そんな男が、前世の記憶を持ったまま、異世界へと転生した物語。
当初は『無能者』として不遇な毎日を送るも、死に間際に前世の記憶を思い出した男が、神と世界に向けて、革命と戦乱を巻き起こす復讐譚────。
いずれ男が『魔王』として魔物たちの王に君臨する────『人類殲滅記』である。
異世界大日本帝国
暇人先生
ファンタジー
1959年1939年から始まった第二次世界大戦に勝利し大日本帝国は今ではナチス並ぶ超大国になりアジア、南アメリカ、北アメリカ大陸、ユーラシア大陸のほとんどを占領している、しかも技術も最先端で1948年には帝国主義を改めて国民が生活しやすいように民主化している、ある日、日本海の中心に巨大な霧が発生した、漁船や客船などが行方不明になった、そして霧の中は……
最弱の職業【弱体術師】となった俺は弱いと言う理由でクラスメイトに裏切られ大多数から笑われてしまったのでこの力を使いクラスメイトを見返します!
ルシェ(Twitter名はカイトGT)
ファンタジー
俺は高坂和希。
普通の高校生だ。
ある日ひょんなことから異世界に繋がるゲートが出来て俺はその中に巻き込まれてしまった。
そこで覚醒し得た職業がなんと【弱体術師】とかいう雑魚職だった。
それを見ていた当たり職業を引いた連中にボコボコにされた俺はダンジョンに置いていかれてしまう。
クラスメイト達も全員その当たり職業を引いた連中について行ってしまったので俺は1人で出口を探索するしかなくなった。
しかもその最中にゴブリンに襲われてしまい足を滑らせて地下の奥深くへと落ちてしまうのだった。
俺のスキル『性行為』がセクハラ扱いで追放されたけど、実は最強の魔王対策でした
宮富タマジ
ファンタジー
アレンのスキルはたった一つ、『性行為』。職業は『愛の剣士』で、勇者パーティの中で唯一の男性だった。
聖都ラヴィリス王国から新たな魔王討伐任務を受けたパーティは、女勇者イリスを中心に数々の魔物を倒してきたが、突如アレンのスキル名が原因で不穏な空気が漂い始める。
「アレン、あなたのスキル『性行為』について、少し話したいことがあるの」
イリスが深刻な顔で切り出した。イリスはラベンダー色の髪を少し掻き上げ、他の女性メンバーに視線を向ける。彼女たちは皆、少なからず戸惑った表情を浮かべていた。
「……どうしたんだ、イリス?」
アレンのスキル『性行為』は、女性の愛の力を取り込み、戦闘中の力として変えることができるものだった。
だがその名の通り、スキル発動には女性の『愛』、それもかなりの性的な刺激が必要で、アレンのスキルをフルに発揮するためには、女性たちとの特別な愛の共有が必要だった。
そんなアレンが周りから違和感を抱かれることは、本人も薄々感じてはいた。
「あなたのスキル、なんだか、少し不快感を覚えるようになってきたのよ」
女勇者イリスが口にした言葉に、アレンの眉がぴくりと動く。
Sランクパーティを引退したおっさんは故郷でスローライフがしたい。~王都に残した仲間が事あるごとに呼び出してくる~
味のないお茶
ファンタジー
Sランクパーティのリーダーだったベルフォードは、冒険者歴二十年のベテランだった。
しかし、加齢による衰えを感じていた彼は後人に愛弟子のエリックを指名し一年間見守っていた。
彼のリーダー能力に安心したベルフォードは、冒険者家業の引退を決意する。
故郷に帰ってゆっくりと日々を過しながら、剣術道場を開いて結婚相手を探そう。
そう考えていたベルフォードだったが、周りは彼をほっておいてはくれなかった。
これはスローライフがしたい凄腕のおっさんと、彼を慕う人達が織り成す物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる