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第411話 この城・・変
しおりを挟む風呂に行くと水着を渡された
「これは?」
「今の時間は男女共用だからな」
なるほど、水着ということはそこまで風紀は乱れていないようだ
中に入ると・・・海のように広いプールだった
海ほど広い訳では無いがサーフィンぐらいならできそうだ
おっと、顔に力を入れたままにせねば
顔と髪はあらえないし肩からかけ湯して入る、温まるという名目だしな
というよりもかけ湯いらないみたい、何だこの砂浜みたいに広い施設は!?
「行け!行け!行け!!無理はすんなよ!!!」
「おるぁ!!」
「なんのぉっ!!!」
それとなんか水の中でなんか見たことがないことをしている
武器持ったまま泳いで、戦っている・・・・うん?うん、戦っている
普通なら通報レベルだがここでは普通のことなのか子供も落ち着いて気にもしていない
「あれは一体何を?」
「訓練だよ、聖騎士様の訓練だ、ここのところ多いな」
「・・・・・なるほど?」
鎧を着たまま水中でバッシャバッシャ戦っている
服で泳いでいる人もいるが全身鎧でバタフライを泳いでいる人もいる
理解が追いつかないな
見たことのある子がいる
あれは春日井遥だ
ネットでは悪評も多い、不倫していたとか、援助交際をしていたとか・・・
初めてみるが目につく
と言うかなんだあのビキニアーマーは?
局部と肘や膝をガードしている水着
大きな武器を持って水から上がってきた・・・それと胸が大きい
「重いわ!こんなもん!」
「甘いですわね、鍛錬不足ですわよ」
全身隙間なく覆われた鎧で水から上がってきた・・子供
兜を外して話しているが良くもあんな装備で水中で動けるな
鎧の隙間からピューピューと水が出てきている
というか水上に立った・・・?きっとあそこだけ何かあるのだろう
と言うかこの施設すごいな
城というだけでも凄いのに山の上でこんなに大きな温水室内プールがあるなんて
「身体は温まったかい?」
「そうですね」
グゥウウ
「腹も減ってるのか・・あそこで食べようか」
「いや、まぁ、ははは」
「遠慮しないで良い、みんなレアナー教、仲間だしさ」
屋台がある
ここ温泉なのに・・なんだ『温泉の家』って
どう見ても海の家だろう、温泉だけど
メニューは結構多いがわからないものもある
なんだ?ダイドンの茎って?ここには不思議なものも多いな
温まるものってことでおじさんおすすめの醤油ラーメンが出された
まさかの無料らしい
今この城にいるのは神官や信徒、それとその家族、だからレアナー教へのアピールもあるらしい、遠慮しなくてもいいとか・・
でも、この施設でなにか飲み食いするのは怖いな・・・
しかし食べないと不審がられるし、えぇい南無三!
ゴクン
「うまっ!!?」
なんだこれ?その辺の店のものよりも美味しいぞ!?
鶏ガラの中華そば系醤油ラーメン、ゴクリと飲んでしまうコク深い味
透き通ったスープに程よい硬さの麺が心地よい
ネギ、チャーシュー、メンマ、ナルト
シンプルな醤油ラーメンなのに、いや、だからこそはっきりと腕がわかるほどに美味しい
「俺は醤油がおすすめで布教してるんだ」
「ありがとうございます・・・なかなかこんなに美味い醤油ラーメンは味わえないですよね」
「お、わかってるじゃねえか!もっと食え!」
コーンやホタテも私の分まで用意された・・どれもクオリティが高いのだけど・・・なんだろ、海の家って言うともっと砂利が入っていたり「袋ラーメンのほうが旨いだろ」っていう相場があるんじゃないか?
ちょうどいいので元杉洋介について聞いていく・・・「ぶっ飛んだこともするけど良い子」「偉い立場なのに掃除も一緒にやる」「何人か地下に閉じ込めている」「田辺さんによって女装させられていた」「漢字もかなり出来るようになってきた」「掛け算は全然できない」「字はぎりぎり読めるようになってきた」「また別の女の子と一緒にいた」「子供に優しい、子供に暴力振るってるクソ親父はボコボコにしてた」「変なきゅうり作ってた」「不味いスープ良く飲んでる」「春日井様と黒葉様と仲良し」「レアナー様と超仲良し」「ルールちゃんに舐められてるの見るとヒヤヒヤする」「可愛い」「彩香ちゃん達姉妹に優しい」
他のお客さんからも次から次に出てくる
肯定的な意見が多い
信徒たちから好かれてはいるようだけど・・・聴き逃がせない意見も多い
なんだ!?女性との付き合い!!!節操ってものがないのか!??獣かっ!!!??
「すいません人数分のダイドンの茎と予約分とオーダーおねがいします」
春日井遥が水着で来た、今度はちゃんとした水着でだ
たしかに美しい娘だ、男どもも無視できないだろう
横にヨーコルノリアっていう女の子も一緒だ
ど派手な紫の水着を着ているがそれよりも緑がかった金髪に少し尖った耳が目についてしまう
彼女らは確実にクソ洋介の嫁候補だ
「二郎系注文の人はオーダーおねがいします」
「大盛り、アブラオオメヤサイオオメカラメマシニンニクスクナメで!チャーシューと卵トッピングもダブルで」
「「「おぉ」」」
つい声が出てしまった
着衣のままバタフライで泳いでいる人もいたしそれだけお腹が空いているのかもしれないな
他の人もえげつないオーダーをしていたのか続々できたての料理を持った人々が入ってきた
「わんこそば100杯!おまち!」
「チャーハン!30センチボウルでおまちどう様!!」
「カスタードパフェ!ヨーコルノリア様の分です!」
「ピッツァ10枚ずつ!できたてだよ!!」
「彼氏募集中弁当!こちらです!彼女募集中弁当もありますよ!!」
「豚の丸焼き!切り分けますね!」
なぜかこちらにも細めの渓流竿のような茎が渡された
料理待ちの人はこれをバリバリかじっているので齧ってみる・・・
青臭い、苦い、わずかに紅茶とコーヒーを足して失敗したような渋い風味とほんのりとした甘みを感じる
「はじめて・・だよなその顔、健康にいいし魔力もとれるらしいぜ、繊維質な部分は飲み込むか吐いてもいいってさ」
「なる・・ほど?」
とんでもないスピードで二郎系ラーメンを食べる春日井さん
信じられないことに大きなステーキと天ぷらも一緒に食べている
この人たちなんだろう?掃除機?
い、いや、彼女を見に来たのではない
店を出ると・・・・奴が居た
短パンにパーカーを着ている、元杉洋介
他の信徒に手をふったりしている
「キャー!こっち向いて!キャー!!」
若い女の子にキャーキャー言われていてなんだか困ったかのような表情で手を振り返し、パーカーのポケットに手を突っ込んで歩いている
あとテレビで見たレアナーという神の・・人?ちょっと大きいぐらいのピンク色の髪の女の子が横でじっと彼を見ている
何だその水着は!?
肩からタオルを掛けただけみたいな上と下はパレオのようなスカート状の水着で・・・元杉洋介を見ている
元杉洋介、一体何人の女性を・・・!!
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