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第407話 二神の加護と裏切り者

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結界と断絶と激情の神であるトケタ・メクタの加護

あの時、レアナー様によって結界の神に直接渡された姉はそのまま神に従属することになった

そして、結界の神は私にも加護を授けてくれた

俺は魔力が足りてないし、結界の神であれば邪魔にならないしいいだろうという雑な神様の判断

そして姉は加護を授けてくれた神から加護を授けた人物を見守り助けることを命じられたとか・・・・・

俺の神、武神ドゾン・メクタと結界の神トケタ・メクタは親子だ


武神が父親、結界は息子の親


二神の加護の相性が良いかと考えるとそれはない、むしろ悪い

武神であった親は息子たちも武の道を歩ませたかったそうだが息子の神は引きこもった

息子は戦いは嫌いな性分で、親から身を護るためにも障壁と結界を覚え、洞穴に安息の場を作りそこに引きこもった神だ

ドゾンが結界を破るたびにトケタが更に結界を強くしたという

なので里でも性質が違いすぎてどちらかの加護しか得られることはないとされていたが・・・今の魔王の問題と俺達を見ていたそうだ

故に和解して俺に加護をくれるのだとか・・・・あれ見られてたとか・・・・・少し複雑だ

祈っても滅多に話さない武神だったがそんな事情を教えてくれた

でも俺の中の武神は息子にいいところを見せようと張り切ってか、俺は更に攻撃的になったように自分で思う

息子は息子で父親譲りか一旦怒ると激情を止められない

父親と仲がいいのはいいが俺としてはそこまで暴力的なのは困る


「いつも通りだが?」
「いつも通りではないですか」

「は?ぜんぜん違うが?」


魔王が討伐され、ヨウスケは帰った

だがまだ俺たちの恩返しは終わってないし、戦いも終わってはいない

魔王自体は討伐されたが魔王軍幹部が数人行方がわからない

俺たちはヨウスケの影となってヨウスケがいつでも帰ってきても良い世界を作ろうとしている

仲間共も危険な魔王幹部を殺すことを決めた

魔王幹部その中でもベレンゲルはおかしい

やつの足取りはつかめないがおかしな点が多すぎる

瘴気によって建物が維持できずに崩れる、瘴気の渦巻く元魔王領地やその奥まで世界を見渡す神によって暴かれている

ダンジョンも調べ尽くしたがいない

やつは800年以上前から確認されているし3000年以上前の魔王の特長と一致している

そんな奴が世界のどこに隠れているのか

各国の禁書庫を連合軍の人間に漁ってもらい、その間に俺たちは奴を殺すべく10を超えるダンジョンを踏破した

ついに見つけた研究室を荒らしてわかったことがある


人類側に裏切り者がいる


奴は異常だ

魔王を殺すのに打ち倒されたヨウスケよりも前の16人の勇者達、彼らの召喚に関与していた形跡がある

召喚された勇者の数も国によって話に違いがある、ヨウスケが17番目の勇者というものもいれば14人目というものもいる

情報の伝達の違いや敵国で召喚された勇者などが認められないという事情があるのかもしれないが、連合軍で照らし合わせると23人いた

神々によれば16人目がヨウスケだ

残り7人は?更に多くいるのではないか?


きな臭い、火事場の臭いがプンプンする


ヨウスケの召喚に関与していた可能性もある

そもそも『勇者』は『魔王を倒しうる可能性の高いもの』が召喚される

なのに死にかけた状態の幼い子供が呼ばれ、更に適合する神が愛と治癒と略奪婚の神レアナーと言うのはおかしすぎる

普通、軍神や武神が選ばれる状況のはずなのに、戦いの神ですら無い

レアナー神の加護はたしかに治癒力に関して言えば群を抜いている

だが神殿の長ほどの高位でなければそう腕を生やすこともできない


仕方なしに神々が力を合わせてヨウスケに運命の神ユーレウラギスの呪いをかけた

神の加護で身体が崩れないようにするにはたしかに器を広げられるユーレウラギスの加護と愛の神レアナーの二神の加護があれば可能だろうが・・・そもそも加護を複数授かることも稀だ

身体への負担は見ていて酷いものだった


ヨウスケは砂のように崩れて血まみれになっていたときもあればスライムのように液状になったときもある

身体が3日ほど猫になった時は可愛かったが野生化して逃げ出し、魔物に咥えられて見つかった時は本当に焦った

まぁ「慣れた」とか言って加護を授かっていたのだから良いだろう

そうやって力を手に入れて魔王を倒したが・・・前提がおかしい、勇者はそもそも身体の強い、魔王を倒すのに相性がいい者となるようになるはずなのだ


ヨウスケはたまにレアナー教国近くの勇者領地に帰ってきていたそうだし気をつけるように伝えるべく向かったが・・・・予想外に聖王が馬鹿をやっていた

まぁおかげで俺は姉たちに先駆けてヨウスケと結婚できたがな

デカいドワーフ将軍の鍛冶場で見つけた素材の中にダークエルフの婚礼具があったのでそれは頂いてきた

しかし聖王、いくつもの神格を詰め込まれたセーが居る以上、今後心配は無いだろう

まだ生き残っている魔王幹部ベレンゲルや人類側の裏切り者がいることを伝えて心労をかけるのは本意ではない

こちらにはハルネーというヨウスケの姉も居る


「よっしっ!行くかおねーちゃん!」

<はいっ>


仲間にヨウスケの無事と安全を伝えて、ベレンゲルぶっ殺しに行こう
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