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第384話 お疲れのはるねーちゃん
しおりを挟む洋介をどうにか連れ帰ってからも忙しい日々は続いた
卒業に必要な単位を取り終わっている私はともかく、奈美は真っ青だ
ただ騒動が悪化しすぎて学校自体が休校していたので卒業の時期自体が遅れるか限界まで冬休みは圧縮されるそうだ
大学に私達が戻ったらきっと他の学生に酷い視線を向けられることは必至だろうな、うーむ
仕方ないのでガードは多めで行くことにする
学校は3日後には登校可能と信徒である学長から先に連絡が来た
いつの間にか洋介は、小さく戻って、ちょっと透けていた
「どうやったのよ」
「やったら出来た、すごくお腹すいたー」
やったら出来たそうだ
また元通り小さくなれたはいいものの、服を着ようとして何度か服が取れずに距離感に悩まされてまた小さくなったらしい
とにかくすぐに料理を作らないと
私は料理が苦手だけどとにかくガンガン作る
城でいつでも炊けている炊飯器といつでも用意されているおかずで爆弾おにぎりをどんどん作って食べさせる
「美味しいよ、はるねーちゃん、ありがとう」
「良いから食べな」
ご飯もおかずも私が作ったわけではないんだけどな・・・複雑だけどまぁ良い
爆弾おにぎりだけは自信はある
洋介の使う【収納】の食べ物は腐らない
けど、いつ収納にいれたものなのか、誰が作ったものかわからない
そもそも入れる段階で食べ物が痛んでいる可能性もあった
異世界のものをこちらで食べてみた信徒たちが腹に合わなかったのか何人かは腹痛を訴えていたし、できればできたてのものを食べさせてあげたい
今日は政府と和解したことをアピールするためにも吾郷さんと一緒に和気あいあいと食事してるところを撮影する予定だった
けど洋介が小さくなってしまったのでこれまでの降伏・・・じゃない和解条件を話していた洋介が偽物と思われても面倒だ
とにかく食べさせて変身をまたやってもらわないといけない、そもそも食べればどうにかなるのかこれ?
「むぐ」
「こぼしすぎ、ほっぺにお弁当付いてるよ」
この身長の洋介のほうが落ち着くな、うん
吾郷さんは洋介が連れてきたらしく、なんだかスッキリしていた
欲しい飲み物を聞くと胃薬を言われてびっくりしたけど最近常飲していたらしい
なんでかはわかっているので苦笑いしか返せない
シーダリア、この人と戦う必要ないから殴ろうとしないで
チーテックの加護をフル稼働した私とヨーコが本気で戦わないと抑えられないとか本職の戦闘職は伊達じゃない
洋介の姉として、正妻として、こいつと洋介の馴れ初めを聞きたい
ただこの人のことをヨーコが「大丈夫ですわ」と言っているので信用に値する、と思いたい
ヨーコの話ではこの巨乳ダークエルフは3人でセットの1人でもう2人いるそうだ
『狂犬三姉妹』と呼ばれ、洋介とは旅の最中に出会い、絶対の忠誠を洋介に誓っている
ヨーコが後ろから刺したことがあったがそのため何度もボッコボコにされたそうだ
他の姉妹はどんな人かと聞くと「アホ犬達のことですの?」と言っていたのでもしかしたら人間ですらないのかもしれない
彼女自身の性格は好戦的でとにかく殴る
基本的に言うことを聞くのは洋介と他の姉妹だけでダークエルフの長老だって容赦なくボコボコにしていたらしいからその凶暴さが伺い知れる
素手での戦闘に長けた神様と結界に関する神様から加護を授かっていることから戦闘に関しては信頼できる
洋介さえいれば腰から下を切り落とされてもそのまま腸を撒き散らしながら魔族の目玉をとるなどした本物の戦闘狂で、それだけ洋介を信頼している
彼女にはたまに力を示さないと相手にもされないそうだ
「力を示すって?」
「戦って傷をつけることができればまともに話してくれますわ」
一応私は彼女から最低限信用されているそうだ
旅の途中にか洋介から私の話は聞いていて、洋介が私を信頼しているから洋介を信じて私を信用している
だから他の信徒からは受け取らない食べ物や酒を受け取るとか・・・ほんのりと信用されているっぽい
本人は私に一応の敬意は払っているみたいだけど信頼まではされてないと思う
「シーダリアさん」
「あん?なんだハルネーか?なんのようだ?」
「洋介との今後のために、腹を割って話しませんか?」
「腹を、割る?」
「あ、比喩表現です、本音で話し合いませんか?」
「先に言えよ!まぁ、なんだ、いいぜ?」
お酒が好きと知っていたので酒と唐揚げなどのつまみを用意して二人きりで話し合うことにした
「そりゃそうなるって!」
「お前も流石ハルネーだな!気に入ったぜ!!」
「もっと飲もう」
「そうだ!飲もう!!」
「「ひゃはははははは!!!」」
なんか馬があった
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