367 / 618
第360話 豚汁とおにぎり
しおりを挟む「奴らなんぞ怖くないわ!!」
「自衛隊から情報はいってるぞ」
「武器庫の武器は整備しましたよ!」
「この廊下を攻めるなら俺が盾を持って前に出る」
「私は後ろから行く」
色々どうするべきかを話していたんだけど皆意見が怖い
ここは玉座の間、椅子があるだけで後は広いだけの部屋
信徒も神官も混じって座り込んで話しているのだけど、いつの間にか意見が攻撃一択になっている
あぐらで座って既に自衛隊の基地の地図を持っていて占拠するためのルートを話し合ってる人もいれば既に使用したのか鎧と黒く汚れた棒を手入れしている人もいる
カンッ!カンッ!カンッ!
「ご飯だよー!並びなー!」
直子おばさんがお玉をカンカンと鳴らして入ってきた
人を引き連れて幾つも大きな鍋と箱を持ってきた
並びに行こうとしたが一番先に並んだ信徒が持ってきてくれた
豚汁とおにぎり、それと麦茶だ
食べてみるとすごく美味しい
ぷるっとした豚肉に薄いこんにゃく、味のしみた大根に表面にぱらりと散らされていたシャキシャキのネギ
豚汁って味噌汁に近いのに不思議なぐらいコクが出るよね
ん?あれ?皆静かにこちらを見ている?
「洋介、こういう時は皆が手に取るまで待つもんだぞ」
「そうなの?」
そういえばはるねーちゃんが言っていた
飲み会でのどが渇いていて出されたウーロン茶一気飲みしたら飲み会でたしなめられたとかで恥ずかしい思いをしたことがあるとか
何が駄目なのかは全くわかんないけど食事にはそういうマナーがあるのだろう
「ん、でもいつ襲撃があるかわからないし皆受け取った人から食べてー!美味しいよー!!」
レアナー様にも味わってもらいたいし魔力を込めて大きくなってもらう
うっかり人の三倍ぐらい大きくしちゃったけどまぁ良いだろう
おにぎりの具は・・・おかかだ
噛むと甘辛い味が染み出す
それでまたご飯の部分をぱくつく
やっぱり僕、日本人だな、お米がこんなに美味しいなんて
いつの間にかダリアとミルミミスと関羽と六太と僕でどれだけ食べられるかになってきた
おにぎりはそれぞれ中身が違うようだけど信徒たちが何故か持ってきてくれるので選べない
それにしても、この体になってからいくらでも食べられる
豚汁30杯、おにぎりはもう60個は食べてるかな?
幸いにして備蓄は何トンでもあるしおばさんや母さんがキッチンに戻った
いや・・この和食の味は亮二おじさんだな、直子おばさんは洋食のほうが得意だし
もうダリアも関羽もそして六太もお腹を膨らませて倒れた
ミルミミスと僕、それといつの間にかせーちゃんが僕と同じ量を食べていた
中の具はいろいろあって美味しいのだけど梅干しは苦手だ
ミルミミスも梅干しに当たったのか髪を逆立てて警戒してからおにぎりではなくお酒と豚汁に専念している
僕は梅干しのおにぎりで種が口に刺さってから苦手なんだ
味自体は好きだし種は抜いていてくれているのだけどおにぎりに入っているものは抵抗感がある
「・・・・・・」
「ほしいの?」
食べ進めて梅干しの部分が少し露出して、種がないかよく見ていると更に視線を感じた
無言でじーっとおにぎりを持つ僕を見つめるせーちゃん
自分の分があるのに、梅干し味が気に入ったのか?
「うん!」
「新しいのあるよ?」
「ゆーしゃのが良い」
「ど、どうぞ?」
なんだかわからないのだけどいくらでも食べれるし梅干し味にこだわらなくてもいい
食べていると皆少し落ち着いたみたいで僕もエッサイの手紙を読む
・・・
・・・・・・
「黒葉、読める?」
「どれですか?これは・・・」
僕の言語能力では完璧にわかるものではなかった
話すことは出来ても読むのはちょっと無理、サシル様に強い加護を授かっている黒葉ならわかるはずだ
せーちゃんはまだ食べているしダリアはお腹をぽんぽん叩いて寝ている
関羽とヨーコは言い回しが難しいしエシャロットはいない
手紙によると既に武装した人間が待機していていつでもこちらに参戦できる状態らしい
更に、うちの子どもたちが領地に集まっているそうだ
それと旅の仲間と、国際連合軍も
あといろんな神様も
なんて?
0
お気に入りに追加
112
あなたにおすすめの小説
とあるおっさんのVRMMO活動記
椎名ほわほわ
ファンタジー
VRMMORPGが普及した世界。
念のため申し上げますが戦闘も生産もあります。
戦闘は生々しい表現も含みます。
のんびりする時もあるし、えぐい戦闘もあります。
また一話一話が3000文字ぐらいの日記帳ぐらいの分量であり
一人の冒険者の一日の活動記録を覗く、ぐらいの感覚が
お好みではない場合は読まれないほうがよろしいと思われます。
また、このお話の舞台となっているVRMMOはクリアする事や
無双する事が目的ではなく、冒険し生きていくもう1つの人生が
テーマとなっているVRMMOですので、極端に戦闘続きという
事もございません。
また、転生物やデスゲームなどに変化することもございませんので、そのようなお話がお好みの方は読まれないほうが良いと思われます。
ぽっちゃり無双 ~まんまる女子、『暴食』のチートスキルで最強&飯テロ異世界生活を満喫しちゃう!~
空戯K
ファンタジー
ごく普通のぽっちゃり女子高生、牧 心寧(まきころね)はチートスキルを与えられ、異世界で目を覚ました。
有するスキルは、『暴食の魔王』。
その能力は、“食べたカロリーを魔力に変換できる”というものだった。
強大なチートスキルだが、コロネはある裏技に気づいてしまう。
「これってつまり、適当に大魔法を撃つだけでカロリー帳消しで好きなもの食べ放題ってこと!?」
そう。
このチートスキルの真価は新たな『ゼロカロリー理論』であること!
毎日がチートデーと化したコロネは、気ままに無双しつつ各地の異世界グルメを堪能しまくる!
さらに、食に溺れる生活を楽しんでいたコロネは、次第に自らの料理を提供したい思いが膨らんできて――
「日本の激ウマ料理も、異世界のド級ファンタジー飯も両方食べまくってやるぞぉおおおおおおおお!!」
コロネを中心に異世界がグルメに染め上げられていく!
ぽっちゃり×無双×グルメの異世界ファンタジー開幕!
※基本的に主人公は少しずつ太っていきます。
※45話からもふもふ登場!!
転生チートは家族のために~ユニークスキルで、快適な異世界生活を送りたい!~
りーさん
ファンタジー
ある日、異世界に転生したルイ。
前世では、両親が共働きの鍵っ子だったため、寂しい思いをしていたが、今世は優しい家族に囲まれた。
そんな家族と異世界でも楽しく過ごすために、ユニークスキルをいろいろと便利に使っていたら、様々なトラブルに巻き込まれていく。
「家族といたいからほっといてよ!」
※スキルを本格的に使い出すのは二章からです。
婚約者が隣国の王子殿下に夢中なので潔く身を引いたら病弱王女の婚約者に選ばれました。
ユウ
ファンタジー
辺境伯爵家の次男シオンは八歳の頃から伯爵令嬢のサンドラと婚約していた。
我儘で少し夢見がちのサンドラは隣国の皇太子殿下に憧れていた。
その為事あるごとに…
「ライルハルト様だったらもっと美しいのに」
「どうして貴方はライルハルト様じゃないの」
隣国の皇太子殿下と比べて罵倒した。
そんな中隣国からライルハルトが留学に来たことで関係は悪化した。
そして社交界では二人が恋仲で悲恋だと噂をされ爪はじきに合うシオンは二人を思って身を引き、騎士団を辞めて国を出ようとするが王命により病弱な第二王女殿下の婚約を望まれる。
生まれつき体が弱く他国に嫁ぐこともできないハズレ姫と呼ばれるリディア王女を献身的に支え続ける中王はシオンを婿養子に望む。
一方サンドラは皇太子殿下に近づくも既に婚約者がいる事に気づき、シオンと復縁を望むのだが…
HOT一位となりました!
皆様ありがとうございます!
転生幼女はお詫びチートで異世界ごーいんぐまいうぇい
高木コン
ファンタジー
第一巻が発売されました!
レンタル実装されました。
初めて読もうとしてくれている方、読み返そうとしてくれている方、大変お待たせ致しました。
書籍化にあたり、内容に一部齟齬が生じておりますことをご了承ください。
改題で〝で〟が取れたとお知らせしましたが、さらに改題となりました。
〝で〟は抜かれたまま、〝お詫びチートで〟と〝転生幼女は〟が入れ替わっております。
初期:【お詫びチートで転生幼女は異世界でごーいんぐまいうぇい】
↓
旧:【お詫びチートで転生幼女は異世界ごーいんぐまいうぇい】
↓
最新:【転生幼女はお詫びチートで異世界ごーいんぐまいうぇい】
読者の皆様、混乱させてしまい大変申し訳ありません。
✂︎- - - - - - - -キリトリ- - - - - - - - - - -
――神様達の見栄の張り合いに巻き込まれて異世界へ
どっちが仕事出来るとかどうでもいい!
お詫びにいっぱいチートを貰ってオタクの夢溢れる異世界で楽しむことに。
グータラ三十路干物女から幼女へ転生。
だが目覚めた時状況がおかしい!。
神に会ったなんて記憶はないし、場所は……「森!?」
記憶を取り戻しチート使いつつ権力は拒否!(希望)
過保護な周りに見守られ、お世話されたりしてあげたり……
自ら面倒事に突っ込んでいったり、巻き込まれたり、流されたりといろいろやらかしつつも我が道をひた走る!
異世界で好きに生きていいと神様達から言質ももらい、冒険者を楽しみながらごーいんぐまいうぇい!
____________________
1/6 hotに取り上げて頂きました!
ありがとうございます!
*お知らせは近況ボードにて。
*第一部完結済み。
異世界あるあるのよく有るチート物です。
携帯で書いていて、作者も携帯でヨコ読みで見ているため、改行など読みやすくするために頻繁に使っています。
逆に読みにくかったらごめんなさい。
ストーリーはゆっくりめです。
温かい目で見守っていただけると嬉しいです。
【完結】私を虐げる姉が今の婚約者はいらないと押し付けてきましたが、とても優しい殿方で幸せです 〜それはそれとして、家族に復讐はします〜
ゆうき@初書籍化作品発売中
恋愛
侯爵家の令嬢であるシエルは、愛人との間に生まれたせいで、父や義母、異母姉妹から酷い仕打ちをされる生活を送っていた。
そんなシエルには婚約者がいた。まるで本物の兄のように仲良くしていたが、ある日突然彼は亡くなってしまった。
悲しみに暮れるシエル。そこに姉のアイシャがやってきて、とんでもない発言をした。
「ワタクシ、とある殿方と真実の愛に目覚めましたの。だから、今ワタクシが婚約している殿方との結婚を、あなたに代わりに受けさせてあげますわ」
こうしてシエルは、必死の抗議も虚しく、身勝手な理由で、新しい婚約者の元に向かうこととなった……横暴で散々虐げてきた家族に、復讐を誓いながら。
新しい婚約者は、社交界でとても恐れられている相手。うまくやっていけるのかと不安に思っていたが、なぜかとても溺愛されはじめて……!?
⭐︎全三十九話、すでに完結まで予約投稿済みです。11/12 HOTランキング一位ありがとうございます!⭐︎
2度もあなたには付き合えません
cyaru
恋愛
1度目の人生。
デヴュタントで「君を見初めた」と言った夫ヴァルスの言葉は嘘だった。
ヴァルスは思いを口にすることも出来ない恋をしていた。相手は王太子妃フロリア。
フロリアは隣国から嫁いで来たからか、自由気まま。当然その所業は貴族だけでなく民衆からも反感を買っていた。
ヴァルスがオデットに婚約、そして結婚を申し込んだのはフロリアの所業をオデットが惑わせたとして罪を着せるためだった。
ヴァルスの思惑通りに貴族や民衆の敵意はオデットに向けられ遂にオデットは処刑をされてしまう。
処刑場でオデットはヴァルスがこんな最期の時まで自分ではなくフロリアだけを愛し気に見つめている事に「もう一度生まれ変われたなら」と叶わぬ願いを胸に抱く。
そして、目が覚めると見慣れた光景がオデットの目に入ってきた。
ヴァルスが結婚を前提とした婚約を申し込んでくる切欠となるデヴュタントの日に時間が巻き戻っていたのだった。
「2度もあなたには付き合えない」
デヴュタントをドタキャンしようと目論むオデットだが衣装も用意していて参加は不可避。
あの手この手で前回とは違う行動をしているのに何故かヴァルスに目を付けられてしまった。
※章で分けていますが序章は1回目の人生です。
※タグの①は1回目の人生、②は2回目の人生です
※初日公開分の1回目の人生は苛つきます。
★↑例の如く恐ろしく、それはもう省略しまくってます。
★11月2日投稿開始、完結は11月4日です。
★コメントの返信は遅いです。
★タグが勝手すぎる!と思う方。ごめんなさい。検索してもヒットしないよう工夫してます。
♡注意事項~この話を読む前に~♡
※異世界を舞台にした創作話です。時代設定なし、史実に基づいた話ではありません。【妄想史であり世界史ではない】事をご理解ください。登場人物、場所全て架空です。
※外道な作者の妄想で作られたガチなフィクションの上、ご都合主義なのでリアルな世界の常識と混同されないようお願いします。
※心拍数や血圧の上昇、高血糖、アドレナリンの過剰分泌に責任はおえません。
※価値観や言葉使いなど現実世界とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。
※話の基幹、伏線に関わる文言についてのご指摘は申し訳ないですが受けられません
元勇者パーティーの雑用係だけど、実は最強だった〜無能と罵られ追放されたので、真の実力を隠してスローライフします〜
一ノ瀬 彩音
ファンタジー
元勇者パーティーで雑用係をしていたが、追放されてしまった。
しかし彼は本当は最強でしかも、真の実力を隠していた!
今は辺境の小さな村でひっそりと暮らしている。
そうしていると……?
※第3回HJ小説大賞一次通過作品です!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる