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第360話 豚汁とおにぎり

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「奴らなんぞ怖くないわ!!」
「自衛隊から情報はいってるぞ」
「武器庫の武器は整備しましたよ!」
「この廊下を攻めるなら俺が盾を持って前に出る」
「私は後ろから行く」


色々どうするべきかを話していたんだけど皆意見が怖い

ここは玉座の間、椅子があるだけで後は広いだけの部屋

信徒も神官も混じって座り込んで話しているのだけど、いつの間にか意見が攻撃一択になっている

あぐらで座って既に自衛隊の基地の地図を持っていて占拠するためのルートを話し合ってる人もいれば既に使用したのか鎧と黒く汚れた棒を手入れしている人もいる


カンッ!カンッ!カンッ!

「ご飯だよー!並びなー!」


直子おばさんがお玉をカンカンと鳴らして入ってきた

人を引き連れて幾つも大きな鍋と箱を持ってきた

並びに行こうとしたが一番先に並んだ信徒が持ってきてくれた

豚汁とおにぎり、それと麦茶だ


食べてみるとすごく美味しい


ぷるっとした豚肉に薄いこんにゃく、味のしみた大根に表面にぱらりと散らされていたシャキシャキのネギ

豚汁って味噌汁に近いのに不思議なぐらいコクが出るよね

ん?あれ?皆静かにこちらを見ている?


「洋介、こういう時は皆が手に取るまで待つもんだぞ」

「そうなの?」


そういえばはるねーちゃんが言っていた

飲み会でのどが渇いていて出されたウーロン茶一気飲みしたら飲み会でたしなめられたとかで恥ずかしい思いをしたことがあるとか

何が駄目なのかは全くわかんないけど食事にはそういうマナーがあるのだろう


「ん、でもいつ襲撃があるかわからないし皆受け取った人から食べてー!美味しいよー!!」


レアナー様にも味わってもらいたいし魔力を込めて大きくなってもらう

うっかり人の三倍ぐらい大きくしちゃったけどまぁ良いだろう


おにぎりの具は・・・おかかだ


噛むと甘辛い味が染み出す

それでまたご飯の部分をぱくつく

やっぱり僕、日本人だな、お米がこんなに美味しいなんて

いつの間にかダリアとミルミミスと関羽と六太と僕でどれだけ食べられるかになってきた

おにぎりはそれぞれ中身が違うようだけど信徒たちが何故か持ってきてくれるので選べない

それにしても、この体になってからいくらでも食べられる

豚汁30杯、おにぎりはもう60個は食べてるかな?


幸いにして備蓄は何トンでもあるしおばさんや母さんがキッチンに戻った

いや・・この和食の味は亮二おじさんだな、直子おばさんは洋食のほうが得意だし


もうダリアも関羽もそして六太もお腹を膨らませて倒れた

ミルミミスと僕、それといつの間にかせーちゃんが僕と同じ量を食べていた

中の具はいろいろあって美味しいのだけど梅干しは苦手だ

ミルミミスも梅干しに当たったのか髪を逆立てて警戒してからおにぎりではなくお酒と豚汁に専念している


僕は梅干しのおにぎりで種が口に刺さってから苦手なんだ

味自体は好きだし種は抜いていてくれているのだけどおにぎりに入っているものは抵抗感がある


「・・・・・・」

「ほしいの?」


食べ進めて梅干しの部分が少し露出して、種がないかよく見ていると更に視線を感じた

無言でじーっとおにぎりを持つ僕を見つめるせーちゃん

自分の分があるのに、梅干し味が気に入ったのか?


「うん!」

「新しいのあるよ?」

「ゆーしゃのが良い」

「ど、どうぞ?」


なんだかわからないのだけどいくらでも食べれるし梅干し味にこだわらなくてもいい

食べていると皆少し落ち着いたみたいで僕もエッサイの手紙を読む



・・・


・・・・・・



「黒葉、読める?」

「どれですか?これは・・・」


僕の言語能力では完璧にわかるものではなかった

話すことは出来ても読むのはちょっと無理、サシル様に強い加護を授かっている黒葉ならわかるはずだ

せーちゃんはまだ食べているしダリアはお腹をぽんぽん叩いて寝ている

関羽とヨーコは言い回しが難しいしエシャロットはいない



手紙によると既に武装した人間が待機していていつでもこちらに参戦できる状態らしい



更に、うちの子どもたちが領地に集まっているそうだ

それと旅の仲間と、国際連合軍も




あといろんな神様も















なんて?

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