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第308話 春日井遥はどれか?

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ゆったりしていると扉がゆっくり迫ってきていた


「これは?」

「このレーマは管理者!だから♪ん、ねっ!!」


・・・だからなんなのだろう?


「この先は何がある、です!」


奈美が持っていたのだけどミーキュがベシンと叩き潰した

何がある、か

確かに色々聞き出してこのダンジョンは魔王を捕まえた後に魔王の仲間を捕まえる、消耗させるのが役割だそうだ

本来であればトラップやモンスターはもっと凶悪なものであり、進むにつれて様々な制限がかけられていく

だけど使用者である聖王は本来の使用者ではないし、捕まえる対象も魔王ではなく洋介である

だから上手く機能していない

それはレーマの管理範囲内であり、その先がどうなっているかはわからない


「奥?別の使徒だか神だかが居るんじゃない?」

「もっと詳しく、です!」


既に色々聞いていたがこの先は奈美たちが問い詰めていって内容を確認しているようだった


ゆっくり迫ってくる門はレーマがやっているらしく、罠というわけではない

この先には確実に洋介が居るのは確からしい

そしてこの門の先にもなにかの試練がある

ダンジョンは基本的に外部から直接の干渉はない、あるとすれば加護を与えられた人間のみ


「ん?あんたは邪神じゃないの?」

「レーマはもう神じゃないからねぇ、お気楽なもんよ、スパー」


タバコのようなものを吸って煙を出しているレーマ

精霊とか神とか抜きにしても叩き潰したくなる


「いっぱいちぎられていっぱいレーマ居るからね、奥にもレーマは居るかもよ?ふぉーふぉっふぉっふぉっ!」

「単細胞生物かな?」

「似たようなもんよクワッ!クワッ!クワッアデデデ」

「あんたこの先もこうやってずっと外にいるの?」

「んっ?んー・・その扉からレーマはその中に入らないとね、あんた達!死んでもせめて景色の良いところにおいていってクちょ!ギブギブ!?」

「縁起でもない!」


まぁ良い

この先にはまた別のなにかがあること、このレーマが管理するエリアは全部ショートカット出来たことがわかった

そしてこの先はこの騒がしい精霊はブローチに入るらしい

・・・呪われたアイテムみたいになってる気がしないでもない

門が近くまで来ているし次の問題を見てみる


「-はるねーちゃんはどれか?-だって」

「これは、簡単すぎるよね」


なにせ私だ

私という完璧な見本が居るのに間違えるわけがない

でも他の人がこの問題にあたったらエグいな・・


「開けるよ?良い?」


皆頷いたので私が開けた

扉を開けるとずらりと私が並んで立っていた


マネキン人形のように虚空を見た私

ただ違うのは服装や髪型・・・・・それと年齢だ



「<ふざっけんなァァァっ!!!!管理者でてこいやァァ!!!!!!!>」



つい汚い言葉がでてしまったが私は悪くないだろう

幼い私も居る、今の私もいる

微妙に違う気がするが服装が違うものも居る

明らかに違うのは猫耳や犬耳をつけた私、それと赤色やピンク色緑に青色の髪の私、髪型も様々だ


「うわぁ・・・」


こっそり奈美やヨーコも混じってるし関羽みたいに髭をはやした私に10メートルほどの私も居る


「落ち着いて遥、気持ちはわかるからさ」

「ほらあそこ、奈美の婚姻式の時のドレス姿も居るわよ」

「嘘でしょっ!!?」


知らない人も居るしレアナー様やサシル様も居る

更にムカつくのは男もいることだな、ビーツも居る

1000人ぐらい居るだろうか

これは手がかかりそうだ


奥に台座があり、そこに設置すれば良いのだと思う

全員で分類していく

動かせそうにない巨大な私の像は無視し、完全に男性や間違いなく違う私をどけていく


「あ、それは残しといて」

「でも子供、です」

「それ、幼い頃の私だから」

「え?胸無いんだけど」

「昔からこんなにあったわけじゃないからね?」


どんどん選別していく

見た目や肌の質感、眼球の虹彩までほぼ完璧に私だ

で結構重いのはきっと無機物だからかもしれない、私はこんなに重くはない


「よく似てるな」

「本人だけど」

「うわっ!?すいません!!」


結構疲れてきた

体が大きなもので軽く100キロは超えているし、何よりも数が多い

一番あってるものだけを選んでも良いのだけど私でもわからない微妙な差のものも居るしスペースがない


「これとこれとこれは違うけど予備にいれといて、間違いなく私は着たことのない系統の服だから」

「「はい」」


良かったのは全裸の私がいないことと衣類までガッチリ硬いことだ

これは栄介おじさんの服だな・・

あらかた選別が終わって私の品評会が始まった


「こっちは・・ほんの少し鼻が高くないか?」

「確かに」

「こっちのは胸小さくないか?」

「わからん」

「これは・・ミャーゴルみたいな目になってる、違うな」


あぁでもない、こうでもないと言いあったが一番近いものを選んで台座に置く

30体ぐらいある私の、その中で最も私に似ている個体


ガッ!


「ぐっ!?」


台座はほんの数センチの板の上のようなものだ

そこに関羽がおいた瞬間、殴られた関羽


「なんだ!?違ってたのか??」

「私がやる!!」


ギギッ!!バキャッ!!


ハルバードを振って思い切り人形に叩きつけた

石のように砕けた私人形

操り人形のような奇怪な鈍い動きで全然強くはなかった

動きの止まった人形はピクリとも動かない

見る間に粉々に砕け散っていった
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