上 下
111 / 618

第111話 ご機嫌斜め

しおりを挟む

異世界旅行5日目、元杉神官はなにかご機嫌が斜めのようだ

昨日からかふてくされてるというかいじけてるというか

私と遥に「別の場所に行く?僕は休みたいけど」何ていうのだがそもそもこっちでやることあったんじゃないのか?そう聞くとはっとした顔で神殿でなにかやっていた


朝に遥と同じベッドで起き、同じくスマホチェックをしてしまったりして苦笑してしまう

異世界だから繋がらないのはわかってる

だけどマスコミの動向チェックは欠かしてはいなかったから習慣付いてしまっているのにお互い苦笑してしまう

元杉神官のことをことを聞くと聖下って言ってくださいとかも言われたがレアナー様は<そこは奈美の好きにしたらいいですぅ>と言ってくれたので好きにする

まだ奇跡のような婚姻からほんの数日だ、いきなり「ダーリン」とか口に出す自分を想像しても寒気がするだけだ、あれ?「ハニー」だったかな?


「貴族の方に無理を言われて辛い旅の記憶を思い出したようです」


そう言われるとちょっとどうしようもないな

近頃の私は魔法が面白くて神殿内で教えてもらっている、遥はトゥゲールさんとミャーゴルの散歩に行ってる

ミャーゴルの獣舎には3人で日課のように行っている

元杉神官は腹毛にダイブして撫でまくって顔を埋めたりと満喫しているし、私もムービーを撮るのは面白いし遥はお手や芸を教えたり乗って散歩に行ったりしてる


今日は見慣れないミャーゴルがいた


毛の色や柄にあまり規則性のないミャーゴルだがこの子は白を基調として黒と金と青い色が雲のような柄で混じっている

体付きも一際大きく、威圧感を感じる

他の子と違って薄汚れていて少し怪我もしている

こんな子いたっけかな?


「珍しいですなルールが来るなんて」

「あの子の名前ですか?」

「はい、グナイ様の騎獣でして、グナイ様が亡くなった後は姿を見せていなかったのですが・・帰ってきたのか」


トゥガールさんがルールに近づきルールにつけている馬具のようなものをはずすとルールは倒れた

すぐに元杉神官が近づいていった

わたしも近づいてみる


「どうしたの?」

ルルル<ち  と疲 た>


元杉神官が問いかけると唸るように鳴いたルール

あれ?私この子の言ってることがわかる?


「そっか、これ食べるといいよ」

ルルルル<あ    う>

「あの、練習で回復魔法使ってみてもいいですか?」

「ん?良いんじゃない?どうかな?」

ルルルルッル<うみ い みゃ   ! いよ>


ところどころ聞こえないが何を言ってるかだいたいわかる

腰や足に所々血が滲んでいて毛を分けて見るとえぐれた肉が見て取れる

触ってみると他のミャーゴルたちがふわふわした毛並みに対して汚れているからか少しごわついている


「【レアナー様、私に愛を教えてくれてきっかけを与えてくれたレアナー様、ここに奇跡を発現させてください ヒール】」

レアナー様に回復の魔法を教えてもらっているのだが「自分の魔力をレアナー様に捧げる」ことで少しの間だけ使える「回復する魔力」を得られる、その「回復する魔力」を捧げた魔力とは別の「自分の魔力」で動かして当てていく

単純かつ効率が悪い初歩的なやり方だが練習にはまずはここかららしい

魔力を動かすのが結構難しいのでまだ全然うまくいかない

だけど魔力は感じ取れたし魔力はいくら使っても減らない

魔力元杉神官と婚約したからいくらでも流れてくるらしい

練習台はいくらでも運び込まれてくる、練習名目なら対価もほとんど必要がない

初めは1時間やってもちっとも治らなかったりもして流石に後ろから交代のお達しがかかった

レアナー様への呪文は魔力を込めて愛に関する話をしたりするらしいけど<好きにしたら良いですぅ>なんてレアナー様が言っていたので好きにしている

【ヒール】については向こうではゲームで治す時によくこういうというと<じゃあそれでいいですぅ>と雑に返された、良いのかそれで

コントロールはまだうまくない

10の力を使って9の結果を出せる神官もいるが私は500の力を使って10ぐらいを治す練習をしている

魔力があればいくらでも使えるというわけではない

多く使うと今まで感じなかった感覚がとても疲れる

だが<とりあえず感覚を覚えましょー>というレアナー様の指導だ

大量の魔力を使って強引に治している私に周りの神官たちやケーリーリュさんはものすごくなにかいいたそうだったがそれは、うん、まぁいいだろう、魔法使えるの楽しいし


怪我をわかる範囲で治し終わると膝をついてしまった、魔力を使うって結構疲れる


ゴルルルルル<あ がとう>


ルールにぺろりと舐められ、お礼を言われた

しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

十年間片思いしていた幼馴染に告白したら、完膚なきまでに振られた俺が、昔イジメから助けた美少女にアプローチを受けてる。

味のないお茶
恋愛
中学三年の終わり、俺。桜井霧都(さくらいきりと)は十年間片思いしていた幼馴染。南野凛音(みなみのりんね)に告白した。 十分以上に勝算がある。と思っていたが、 「アンタを男として見たことなんか一度も無いから無理!!」 と完膚なきまでに振られた俺。 失意のまま、十年目にして初めて一人で登校すると、小学生の頃にいじめから助けた女の子。北島永久(きたじまとわ)が目の前に居た。 彼女は俺を見て涙を流しながら、今までずっと俺のことを想い続けていたと言ってきた。 そして、 「北島永久は桜井霧都くんを心から愛しています。私をあなたの彼女にしてください」 と、告白をされ、抱きしめられる。 突然の出来事に困惑する俺。 そんな俺を追撃するように、 「な、な、な、な……何してんのよアンタ……」 「………………凛音、なんでここに」 その現場を見ていたのは、朝が苦手なはずの、置いてきた幼なじみだった。

スマートシステムで異世界革命

小川悟
ファンタジー
/// 毎日19時に投稿する予定です。 /// ★☆★ システム開発の天才!異世界転移して魔法陣構築で生産チート! ★☆★ 新道亘《シンドウアタル》は、自分でも気が付かないうちにボッチ人生を歩み始めていた。 それならボッチ卒業の為に、現実世界のしがらみを全て捨て、新たな人生を歩もうとしたら、異世界女神と事故で現実世界のすべてを捨て、やり直すことになってしまった。 異世界に行くために、新たなスキルを神々と作ったら、とんでもなく生産チートなスキルが出来上がる。 スマフォのような便利なスキルで異世界に生産革命を起こします! 序章(全5話)異世界転移までの神々とのお話しです 第1章(全12話+1話)転生した場所での検証と訓練 第2章(全13話+1話)滞在先の街と出会い 第3章(全44話+4話)遺産活用と結婚 第4章(全17話)ダンジョン探索 第5章(執筆中)公的ギルド? ※第3章以降は少し内容が過激になってきます。 上記はあくまで予定です。 カクヨムでも投稿しています。

石田三成だけど現代社会ふざけんな

実は犬です。
ファンタジー
 関ヶ原の戦いで徳川家康に敗れた石田三成。  京都六条河原にて処刑された次の瞬間、彼は21世紀の日本に住む若い夫婦の子供になっていた。  しかし、三成の第二の人生は波乱の幕開けである。 「是非に及ばず」  転生して現代に生まれ出でた瞬間に、混乱極まって信長公の決め台詞をついつい口走ってしまった三成。  結果、母親や助産師など分娩室にいた全員が悲鳴を上げ、挙句は世間すらも騒がせることとなった。  そして、そんな事件から早5年――  石田三成こと『石家光成』も無事に幼稚園児となっていた。  右を見ても左を見ても、摩訶不思議なからくり道具がひしめく現代。  それらに心ときめかせながら、また、現世における新しい家族や幼稚園で知り合った幼い友人らと親交を深めながら、光成は現代社会を必死に生きる。  しかし、戦国の世とは違う現代の風習や人間関係の軋轢も甘くはない。  現代社会における光成の平和な生活は次第に脅かされ、幼稚園の仲間も苦しい状況へと追い込まれる。  大切な仲間を助けるため、そして大切な仲間との平和な生活を守るため。  光成は戦国の世の忌むべき力と共に、闘うことを決意した。 歴史に詳しくない方も是非!(作者もあまり詳しくありません(笑))

雨音は鳴りやまない

ナナシマイ
ファンタジー
木下周(きのした あまね)は音楽が大好きな二十五歳のOL。翌日に控えたライブを楽しみに眠ったはずが、気がついたら幻想的に光る泉の傍、子供の姿でうたっていた。 そこは、神のいる世界。 美しさがなによりも重要で、神のための芸術が魔法になる世界だった。 周はレインとして生活しながら、日本へ帰る方法、それを知っているであろう神に会うための魔法を探すことを決意する。 しかし、そんな彼女の前に幾度となく立ちはだかるのは、価値観の違いだ。常識も、習慣も、生きるのに必要な力すら違った。 大好きな音楽だけを頼りに、レインは少しずつその壁を乗り越え、世界のことを知ってゆく。 帰るためなら少しくらい頑張れると、得意の笑顔を張り付けながら。 やがて辿り着いた、神へと続く道。 そこで彼女が目にしたものとは。 ……わたしは知っている。平凡な人間にできることなど、なにもないと。それでも――。 ◇ これは、異世界からやってきた少女レインと、彼女がもたらしたマクニオス〈神のいる場所〉最盛期、その幕開けの時代を描いた物語。

異世界ハズレモノ英雄譚〜無能ステータスと言われた俺が、ざまぁ見せつけながらのし上がっていくってよ!〜

mitsuzoエンターテインメンツ
ファンタジー
【週三日(月・水・金)投稿 基本12:00〜14:00】 異世界にクラスメートと共に召喚された瑛二。 『ハズレモノ』という聞いたこともない称号を得るが、その低スペックなステータスを見て、皆からハズレ称号とバカにされ、それどころか邪魔者扱いされ殺されそうに⋯⋯。 しかし、実は『超チートな称号』であることがわかった瑛二は、そこから自分をバカにした者や殺そうとした者に対して、圧倒的な力を隠しつつ、ざまぁを展開していく。 そして、そのざまぁは図らずも人類の命運を握るまでのものへと発展していくことに⋯⋯。

欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します

ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!! カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。

~唯一王の成り上がり~ 外れスキル「精霊王」の俺、パーティーを首になった瞬間スキルが開花、Sランク冒険者へと成り上がり、英雄となる

静内燕
ファンタジー
【カクヨムコン最終選考進出】 【複数サイトでランキング入り】 追放された主人公フライがその能力を覚醒させ、成り上がりっていく物語 主人公フライ。 仲間たちがスキルを開花させ、パーティーがSランクまで昇華していく中、彼が与えられたスキルは「精霊王」という伝説上の生き物にしか対象にできない使用用途が限られた外れスキルだった。 フライはダンジョンの案内役や、料理、周囲の加護、荷物持ちなど、あらゆる雑用を喜んでこなしていた。 外れスキルの自分でも、仲間達の役に立てるからと。 しかしその奮闘ぶりは、恵まれたスキルを持つ仲間たちからは認められず、毎日のように不当な扱いを受ける日々。 そしてとうとうダンジョンの中でパーティーからの追放を宣告されてしまう。 「お前みたいなゴミの変わりはいくらでもいる」 最後のクエストのダンジョンの主は、今までと比較にならないほど強く、歯が立たない敵だった。 仲間たちは我先に逃亡、残ったのはフライ一人だけ。 そこでダンジョンの主は告げる、あなたのスキルを待っていた。と──。 そして不遇だったスキルがようやく開花し、最強の冒険者へとのし上がっていく。 一方、裏方で支えていたフライがいなくなったパーティーたちが没落していく物語。 イラスト 卯月凪沙様より

異世界で魔法が使えるなんて幻想だった!〜街を追われたので馬車を改造して車中泊します!〜え、魔力持ってるじゃんて?違います、電力です!

あるちゃいる
ファンタジー
 山菜を採りに山へ入ると運悪く猪に遭遇し、慌てて逃げると崖から落ちて意識を失った。  気が付いたら山だった場所は平坦な森で、落ちたはずの崖も無かった。  不思議に思ったが、理由はすぐに判明した。  どうやら農作業中の外国人に助けられたようだ。  その外国人は背中に背負子と鍬を背負っていたからきっと近所の農家の人なのだろう。意外と流暢な日本語を話す。が、言葉の意味はあまり理解してないらしく、『県道は何処か?』と聞いても首を傾げていた。  『道は何処にありますか?』と言ったら、漸く理解したのか案内してくれるというので着いていく。  が、行けども行けどもどんどん森は深くなり、不審に思い始めた頃に少し開けた場所に出た。  そこは農具でも置いてる場所なのかボロ小屋が数軒建っていて、外国人さんが大声で叫ぶと、人が十数人ゾロゾロと小屋から出てきて、俺の周りを囲む。  そして何故か縄で手足を縛られて大八車に転がされ……。   ⚠️超絶不定期更新⚠️

処理中です...