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第34話 想いは同じ
しおりを挟む今日日ヤクザなんて儲からない
そんなのは誰でもわかってる
社会の掃き溜めに生きる人間なんてものもいつの時代もいる
そんなのは誰でもわかってる
クソみたいな父親、クソみたいな母親、もちろん俺もクソみたいな生き方をすることになった
どうしようもなくクソみたいな人生を生きていた俺を拾ってくれたのは今の親父だ
その親父は膵臓ガンで死にかけてる
人は死ぬ
そんなの誰でもわかってる
だけど今じゃなくていいだろう!?
傾きかけてるシノギ、中堅ヤクザでもびっちり警察にマークされてるからろくに動きようがねぇ
終わりかけの時代の産物、暴力集団、任侠、仁義、反社会団体
もうそんなの古いってわかってるんだ
だけどそんな生き方をした俺らでもよりデカく、より強くなりてぇもんだ
いつでもシノギを探していた、いつでも親父の治し方に名医を探していた
「これやばくね?これやばくね?」
「けっこーちけぇな、宇宙人だかなんだか知らんが売れねぇかな?」
「テメェら!頭がいんのにうるせぇぞ!!ボケ!!!」
バキバキと若いもんを教育してる音がして椅子から起きる、いやお前の声のほうがうるせぇよ
昨日しこたま飲んで体がかてぇ、起き上がっていっぱい飲む
「・・・・なんだ?なんかシノギになりそうなことか?」
「「すいません!!」」
「あぁいい、それより シ ノ ギ に な る こ と か って聞いてる」
コイツラは猿みたいなもんだ、よく分かるように話さねぇと使えねぇ
よく分かるようにしても意味不明なときもあるが
「なるかは分かんねぇですが、これです!」
「昨日から世間を賑わせてるニュースなんスが変なことが起きてんス!」
スマホを見る、テレビのチャンネルとかえていくとニュースでもやってた
光の柱、光人間、光るビル?なんだ?爺が車で筋トレ?はっ?なんだそれ病院内の壁にダンブが突っ込んだような穴が空いてる
これを患者がやっただと?馬鹿言ってんじゃねぇ
こんなの人間じゃねぇよ、どっかの格闘王がドラッグでイカれてやったってんならまだしも
「この光の宇宙人捕まえれたらシノギになると思いません!?」
「そうです!やばくね?!やばくね?です!!」
「てめぇら頭に礼儀がなってねぇぞ!!!」
ヤキ入れられてる二人を無視してスマホで調べる・・・・・・・癌患者が治っただと!!!??
癌患者の1人が動画を出してる、大腸がんのステージスリー、確か親父と同じ段階だ
そいつが元気になったって動画を上げてる
なんかの宗教に入ったとも言っていて一気に胡散臭くなったが半身不随の患者も踊ってるほどだ
治るなら何だっていい
「まてっ!おい!この件詳しく調べろ!いくら使ってもいい」
「へ?へい!」
「よくやった、小遣いだ、しっかり働け」
「「ありがとうございます」」
親父を、治せるかもしれねぇ!
久々に目が覚めた気分だ
うさんくさすぎるし嘘かもしれねぇ
そんなのは誰でもわかってる
だがそれしかねぇならそこに突っ走るしかねぇよな?
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