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第6話 誰かやつを止めろ!病人だぞ!!
しおりを挟む部屋の角にあった高そうな花瓶を割ってしまった
真っ白な花瓶で少しくねっとしている
向こうでも花瓶って見たけどこれ国宝とかじゃないかこれ?
「あわわわ」
冷や汗がどっと出た
収納からもらった花瓶で良さげなものを出しておく
金属製でよく磨かれて宝石もついてる
ちょっと見劣りするかな・・?だけど向こうで貴族にもらった物の中でも結構な価値のあるものだったはずだし・・・いやでも元あった花瓶はとても綺麗だったと思う
内心汗を垂らしながら散らばったかけらを集めていく、やっぱ怒られるよね?調子に乗って杖でパリーンだもんねパリーン
「はぁ・・」
「箒借りてくるから・・えっ!?なにこれ!!ほんとなにこれ!!?」
水筒を持って帰ってきたおばさんだが伯父さんを見たんだろう
伯父さんは今いくつかの魔法をうちこんでいるので治るまでちょっと光ってる
と言うかミノムシみたいになってる、ブリッジっていうんだっけ
「な、ナースコール?!なんで光ってるの?」
「今治してるところなんで」
治癒魔法はテレビゲームみたいに「回復魔法を使えばその瞬間回復する」というわけではない、効くまで時間がかかったりする
伯父さんが気持ち悪い動きでベッドの上にいるのはそういうことだ
伯父さんが光って全身なんかうねうねしてるのをおばさんは止めようとしてるが伯父さんはけっこう悪い病気だったんだろう、なかなか収まらない
「え?なにこれ?」
「もっかい入れとくか、そいっ!」
治癒魔法で全身がネジみたいにくねってる伯父さんにうちこんでおく
必要ないはずだけど足りないよりは入れておいて損はない
「うんねりゃんこぉぉぉぉ!!!」
「・・・うん、もう治ったね」
奇声を上げた後、ベッドの上で仁王立ちして筋肉をビクビクさせてる伯父さん、もう治っただろう
ピッピとうるさかった機械がいつの間にか外れていた、ビーっていってる
看護師さんたちが来てとにかく出ててとおばさんと廊下に出された
「伯父さん回復魔法なれしてなかったのかな、すごく効いてたね」
「よくわかんないけど説明してくれる?今なら何でも信じるわ」
色々おばさんに説明した
異世界でずっと戦ってきてやっとこっちに帰ってきたってこと
勇者ってのは称号でどっちかって言うと前線の治癒師をやってた
ぶっちゃけ自分も戦いまくってたけど
何度も何度も戦ってきた、身振り手振りで強敵たちとの戦いや味方との連携や苦労を説明する
魔王との戦いまで色々あった、別の勇者を召喚されたとか裏切ってきたやつがいたり・・貴族許すまじ、拷問した話は流石に伏せた
ホントは父さんたちに聞いてほしかったなぁ
途中までウンウン言ってたおばさんだったが伯父さんの状態のことを言うと固まった
伯父さんはけっこう死にかけてたし回復魔法やバフが効くまで時間がかかってたというと更に笑顔が固まった
「あー、うーん、そうね・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ね?ようくん、私の娘も治してくれない?」
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