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#60 いざ、沿海州へ!
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「よし、全員準備はできたか?」
「「「はーい!!!」」」
冒険者ギルド、蒼天の風の前には現在、所属しているメンバーの大半が集まっていた。
というのも、本日から馬車で2日かけて以前から話していた沿海州へと主に鍛錬、たまに観光目的で向かう事になったのだ。
メンバーはシド、イザベラ、ジンバのお留守番メンバーを除いた全員で、皆んな大なり小なり荷物も持っている。
お留守番のメンバーにちょっと申し訳なくなったシュージではあったが、3人とも何度も沿海州には行ったことがあるし、この季節向こうはこちらよりもかなり暑いそうなので、行かなくても良いかなとのこと。
その3人にはちゃんとそれぞれが好きそうなお土産を買ってきますねと、シュージが伝えると、3人とも楽しみだと言ってくれた。
そうこう言ったシュージは、お土産はもちろん、沢山の食材を買いに行こうとめちゃくちゃ張り切っていた。
何せ、沿海州では新鮮な海産物が沢山売られていると、メンバーやマルゥやメルゥにも教えてもらっていたのだ。
この世界に来てから、食生活に不満は無いものの、やはり日本人としては新鮮な魚が食べたいと思っていた。
この辺りでは、魚の干物や乾燥させた海藻類は手に入るものの、生の魚などはまず手に入らない。
それは輸送手段が確立されていないからで、空を飛ぶワイバーンという魔物をテイムしてのワイバーン便という飛行機並みの高速輸送手段はあるものの、かなりコストがかかるので、それこそ貴族か余程急ぎの荷物ぐらいでしか使われないそうだ。
だが、今回シュージは、海産物を買い込もうと決めた時に、あるものを探し、購入したのだ。
それは、特別な収納袋で、以前世話になったセネルブルグ家の皆さんに融通してもらった、中の時間がほぼ停止に等しいくらいゆっくり進み、内容量も大きなコンテナが30個くらい入る最高級のものだ。
貿易商を営むセネルブルグ家なので、この最高級の収納袋もそれなりに保持していて、最初は以前世話になったから譲ってあげようと言われたのだが、流石にそれは申し訳ないし、個人で使うつもりなので適正価格で購入した。
その値段はそれはもう0が何個付くんだという、前世では到底手の出ない値段をしていたが、今世のシュージの口座には、それを余裕とは言えないものの、しっかりと払えるお金が入っていた。
むしろ持て余していたぐらいだったので、今回使えて良かったというぐらいだ。
それでもかなりまだ個人で持つには持て余すお金があるので、その内、この国の王妃であるフローリアにでも相談して、寄付でもしようかなと思っている。
「行きは御者についての知識をつけたり、野宿もするから気を抜かず、これも鍛錬だと思って取り組むこと」
「「「はい!!!」」」
ジルバートの言葉通り、今回の旅はほぼ全て鍛錬も兼ねているので、今回初めて沿海州に行く見習い組は気合いが入っていた。
シュージはどちらかというと監督側だが、野宿をするのは初めてだし、御者の知識などもある訳が無いので、その辺は見習い組に混ざって勉強させてもらおうと内心思っていた。
「よし、では各自馬車に乗るぞ」
今回、馬車は3台用意されていて、大人組であるジルバート、カグラ、ボリー、グレース、後はガルとシャロも御者ができるそうで、その辺りのメンバーが交代で操縦しつつ、できないメンバーに教えたりしていく。
シュージが乗る馬車には、ジルバート、シャロ、キリカ、リックが乗り込み、最初はジルバートが御者を務めてくれる。
「よし、忘れ物などは無いな?」
「「「はーい!!」」」
「では、行こうか」
ジルバートの号令で馬車はゆっくりと走り出した。
「沿海州、どんなところなんだろうなー」
「楽しみですねぇ」
「とっても綺麗なところですよ。 海も透き通ってますし、街並みも整備されてて」
「ただ、暑いのと潮風が凄いから、大変さもあるけどね」
「海沿いの街の特徴ですね」
「シュージは凄い楽しみにしてたよなー?」
「それはもう! 僕の故郷では海産物が身近でしたから、早く料理して食べたいですねぇ」
「今回、向こうのお世話になるギルドには、腕の良い料理人を連れて行くとギルマスが伝えたそうですから、向こうのギルドも楽しみにしてると思いますよ」
「それは頑張らないとですね」
そんな風にシュージが期待に胸を膨らませつつ、一行を乗せた馬車はゆっくりと沿海州への道を走っていくのであった。
※※※
いつも感想やエールを送ってくださり、本当にありがとうございます。
それで、感想についてなんですけど、改めてお知らせすると、読んだものは承認しています。
返信は気分になってしまいますが、お許しください。
あと誤字報告はキリが無いので承認しないのと、それ以外で承認されなかったら作者を不快にしたんだなと思ってもらえれば……^^;
最後になりますが、感想やエールなどでの応援、とても励みになっております!
引き続き、送れる方は送ってくださると嬉しいです!
長々と失礼しました!
by作者
「「「はーい!!!」」」
冒険者ギルド、蒼天の風の前には現在、所属しているメンバーの大半が集まっていた。
というのも、本日から馬車で2日かけて以前から話していた沿海州へと主に鍛錬、たまに観光目的で向かう事になったのだ。
メンバーはシド、イザベラ、ジンバのお留守番メンバーを除いた全員で、皆んな大なり小なり荷物も持っている。
お留守番のメンバーにちょっと申し訳なくなったシュージではあったが、3人とも何度も沿海州には行ったことがあるし、この季節向こうはこちらよりもかなり暑いそうなので、行かなくても良いかなとのこと。
その3人にはちゃんとそれぞれが好きそうなお土産を買ってきますねと、シュージが伝えると、3人とも楽しみだと言ってくれた。
そうこう言ったシュージは、お土産はもちろん、沢山の食材を買いに行こうとめちゃくちゃ張り切っていた。
何せ、沿海州では新鮮な海産物が沢山売られていると、メンバーやマルゥやメルゥにも教えてもらっていたのだ。
この世界に来てから、食生活に不満は無いものの、やはり日本人としては新鮮な魚が食べたいと思っていた。
この辺りでは、魚の干物や乾燥させた海藻類は手に入るものの、生の魚などはまず手に入らない。
それは輸送手段が確立されていないからで、空を飛ぶワイバーンという魔物をテイムしてのワイバーン便という飛行機並みの高速輸送手段はあるものの、かなりコストがかかるので、それこそ貴族か余程急ぎの荷物ぐらいでしか使われないそうだ。
だが、今回シュージは、海産物を買い込もうと決めた時に、あるものを探し、購入したのだ。
それは、特別な収納袋で、以前世話になったセネルブルグ家の皆さんに融通してもらった、中の時間がほぼ停止に等しいくらいゆっくり進み、内容量も大きなコンテナが30個くらい入る最高級のものだ。
貿易商を営むセネルブルグ家なので、この最高級の収納袋もそれなりに保持していて、最初は以前世話になったから譲ってあげようと言われたのだが、流石にそれは申し訳ないし、個人で使うつもりなので適正価格で購入した。
その値段はそれはもう0が何個付くんだという、前世では到底手の出ない値段をしていたが、今世のシュージの口座には、それを余裕とは言えないものの、しっかりと払えるお金が入っていた。
むしろ持て余していたぐらいだったので、今回使えて良かったというぐらいだ。
それでもかなりまだ個人で持つには持て余すお金があるので、その内、この国の王妃であるフローリアにでも相談して、寄付でもしようかなと思っている。
「行きは御者についての知識をつけたり、野宿もするから気を抜かず、これも鍛錬だと思って取り組むこと」
「「「はい!!!」」」
ジルバートの言葉通り、今回の旅はほぼ全て鍛錬も兼ねているので、今回初めて沿海州に行く見習い組は気合いが入っていた。
シュージはどちらかというと監督側だが、野宿をするのは初めてだし、御者の知識などもある訳が無いので、その辺は見習い組に混ざって勉強させてもらおうと内心思っていた。
「よし、では各自馬車に乗るぞ」
今回、馬車は3台用意されていて、大人組であるジルバート、カグラ、ボリー、グレース、後はガルとシャロも御者ができるそうで、その辺りのメンバーが交代で操縦しつつ、できないメンバーに教えたりしていく。
シュージが乗る馬車には、ジルバート、シャロ、キリカ、リックが乗り込み、最初はジルバートが御者を務めてくれる。
「よし、忘れ物などは無いな?」
「「「はーい!!」」」
「では、行こうか」
ジルバートの号令で馬車はゆっくりと走り出した。
「沿海州、どんなところなんだろうなー」
「楽しみですねぇ」
「とっても綺麗なところですよ。 海も透き通ってますし、街並みも整備されてて」
「ただ、暑いのと潮風が凄いから、大変さもあるけどね」
「海沿いの街の特徴ですね」
「シュージは凄い楽しみにしてたよなー?」
「それはもう! 僕の故郷では海産物が身近でしたから、早く料理して食べたいですねぇ」
「今回、向こうのお世話になるギルドには、腕の良い料理人を連れて行くとギルマスが伝えたそうですから、向こうのギルドも楽しみにしてると思いますよ」
「それは頑張らないとですね」
そんな風にシュージが期待に胸を膨らませつつ、一行を乗せた馬車はゆっくりと沿海州への道を走っていくのであった。
※※※
いつも感想やエールを送ってくださり、本当にありがとうございます。
それで、感想についてなんですけど、改めてお知らせすると、読んだものは承認しています。
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