48 / 152
#48 スタンピード、襲来
しおりを挟む
ここから数話、戦闘描写などがいくつか入りますが、シリアスな展開はありませんから、(僕があんまり好きじゃ無いので……笑)シリアスが苦手な方も安心してお読みください。
――――――――――――――――――――
――カランカランカラン!
ある日の早朝。
街中に響く大きな鐘の音でシュージは目を覚ました。
この音が鳴るという事はあらかじめ聞いてはいたものの、いざ本当に鳴ると結構驚くものである。
いそいそとベッドから降り、着替えてエントランスまで降りると、他のメンバーも続々と降りてきていた。
ただ、いつもと違い、皆んな表情が真剣なもので、各自の武器や防具も身に付けている。
「よし、戦闘員は揃ったな。 これより、スタンピードの迎撃に向かう」
そう、先程の鐘の音は、近くのダンジョンでスタンピードが発生したのを知らせるものだった。
「今回のスタンピードは前回と同じぐらいの規模だ。 スタンピードの戦いに参加したことの無い、ガル、シャロ、ピュイ、アンネリーゼは今回パーティーを組み、離れずにお互いをカバーして戦う事」
「「「「はいっ!」」」」
「その他のメンバーで前衛の俺、ボリー、ジンバ、ミノリは最前線で魔物を出来るだけ多く止めて倒す。 後衛のカグラ、グレース、イザベラ、ゾラは前線のカバーをしつつ、他のギルドや衛兵のカバーも頼む」
「皆さん、お気をつけて。 帰りを待っています」
「ふ、心配するな、シュージ。 必ず無事に帰る」
「帰ってきたら美味しいご飯頼むわ~」
「そうですね。 いっぱい食べたいです」
「……シュージも、気を付けて」
「たまには戦闘も頑張らないとだねぇ」
「ふふ、ナイルとミニャも気合い十分みたいだ」
「前回は見習いで参加できなかったからな! 今回は暴れるぜ!」
「ちょっと、今回はパーティーなんだから、出過ぎないでよ?」
「アタシも弓でサポートするよー!」
「私も魔法で1匹でも多く倒しますわ」
「あ、そうだ、親父! アレできてたよな?」
「む? おお、そうじゃった。 こういう時に使ってもらわんとな」
と、皆んなと決戦前の会話をしていると、ミノリが鍛冶場の方へ走っていき、大きな箱を持って戻ってきた。
「はいこれ! シュージの装備!」
「えっ、僕のですか?」
「前に話しただろ? 今回のスタンピードに合わせて完成させておいたよ! ほら、着けてみて!」
ミノリに言われるがまま、シュージは手渡された装備を身につけていった。
胸当てに肘当て、膝当てを着け、頭にはヘッドギアのような兜、そして手にはゴツゴツとしたガントレットを装備し、ぐっぐっと手を握ったり、屈伸をしてみた。
「どう?」
「いや、凄いですね。 しっかりとした素材なのに、とても柔軟性もあって動きやすいです」
「それは良かった! うんうん、似合ってるね! 装備の節々から見える筋肉もたまらないよ!」
「シュージ、その装備にはいくつか魔法が組み込まれとる。 主にお前さんの動きを助けてくれるものじゃ」
「こんな立派なものを…… ありがとうございます」
「いいんじゃよ。 使わんに越した事はないが、もし使う時が来たら、躊躇わずに使っとくれ」
「分かりました」
「よし、では戦闘員は行くぞ! この街を、ギルドを守るんだ!」
「「「「おぉーーーーー!!!」」」」
そうして、士気を上げるジルバートの号令と共に、戦闘員達は駆け足で防壁の方へと向かっていった。
「さて、私達も行きましょうか」
残った後方支援組は、キリカの指示に従う手筈となっていた。
「打ち合わせ通り、私は対策本部の方で人員補助などを。 シドさんはアイテムの整備と足りなくなったものの生産。 リックとカインはアイテムの運搬や防衛設備の点検。 メイちゃんは回復魔法で怪我人などの治療。 シュージさんは防壁近くの炊き出し所で食事のサポートですね。 もし何か解決できない問題があった時は対策本部に来てください。 では、私達も私達の戦いを頑張りましょう!」
「「「「「はいっ!」」」」」
こうして、ヤタサの街のスタンピード防衛戦が始まるのであった。
――――――――――――――――――――
――カランカランカラン!
ある日の早朝。
街中に響く大きな鐘の音でシュージは目を覚ました。
この音が鳴るという事はあらかじめ聞いてはいたものの、いざ本当に鳴ると結構驚くものである。
いそいそとベッドから降り、着替えてエントランスまで降りると、他のメンバーも続々と降りてきていた。
ただ、いつもと違い、皆んな表情が真剣なもので、各自の武器や防具も身に付けている。
「よし、戦闘員は揃ったな。 これより、スタンピードの迎撃に向かう」
そう、先程の鐘の音は、近くのダンジョンでスタンピードが発生したのを知らせるものだった。
「今回のスタンピードは前回と同じぐらいの規模だ。 スタンピードの戦いに参加したことの無い、ガル、シャロ、ピュイ、アンネリーゼは今回パーティーを組み、離れずにお互いをカバーして戦う事」
「「「「はいっ!」」」」
「その他のメンバーで前衛の俺、ボリー、ジンバ、ミノリは最前線で魔物を出来るだけ多く止めて倒す。 後衛のカグラ、グレース、イザベラ、ゾラは前線のカバーをしつつ、他のギルドや衛兵のカバーも頼む」
「皆さん、お気をつけて。 帰りを待っています」
「ふ、心配するな、シュージ。 必ず無事に帰る」
「帰ってきたら美味しいご飯頼むわ~」
「そうですね。 いっぱい食べたいです」
「……シュージも、気を付けて」
「たまには戦闘も頑張らないとだねぇ」
「ふふ、ナイルとミニャも気合い十分みたいだ」
「前回は見習いで参加できなかったからな! 今回は暴れるぜ!」
「ちょっと、今回はパーティーなんだから、出過ぎないでよ?」
「アタシも弓でサポートするよー!」
「私も魔法で1匹でも多く倒しますわ」
「あ、そうだ、親父! アレできてたよな?」
「む? おお、そうじゃった。 こういう時に使ってもらわんとな」
と、皆んなと決戦前の会話をしていると、ミノリが鍛冶場の方へ走っていき、大きな箱を持って戻ってきた。
「はいこれ! シュージの装備!」
「えっ、僕のですか?」
「前に話しただろ? 今回のスタンピードに合わせて完成させておいたよ! ほら、着けてみて!」
ミノリに言われるがまま、シュージは手渡された装備を身につけていった。
胸当てに肘当て、膝当てを着け、頭にはヘッドギアのような兜、そして手にはゴツゴツとしたガントレットを装備し、ぐっぐっと手を握ったり、屈伸をしてみた。
「どう?」
「いや、凄いですね。 しっかりとした素材なのに、とても柔軟性もあって動きやすいです」
「それは良かった! うんうん、似合ってるね! 装備の節々から見える筋肉もたまらないよ!」
「シュージ、その装備にはいくつか魔法が組み込まれとる。 主にお前さんの動きを助けてくれるものじゃ」
「こんな立派なものを…… ありがとうございます」
「いいんじゃよ。 使わんに越した事はないが、もし使う時が来たら、躊躇わずに使っとくれ」
「分かりました」
「よし、では戦闘員は行くぞ! この街を、ギルドを守るんだ!」
「「「「おぉーーーーー!!!」」」」
そうして、士気を上げるジルバートの号令と共に、戦闘員達は駆け足で防壁の方へと向かっていった。
「さて、私達も行きましょうか」
残った後方支援組は、キリカの指示に従う手筈となっていた。
「打ち合わせ通り、私は対策本部の方で人員補助などを。 シドさんはアイテムの整備と足りなくなったものの生産。 リックとカインはアイテムの運搬や防衛設備の点検。 メイちゃんは回復魔法で怪我人などの治療。 シュージさんは防壁近くの炊き出し所で食事のサポートですね。 もし何か解決できない問題があった時は対策本部に来てください。 では、私達も私達の戦いを頑張りましょう!」
「「「「「はいっ!」」」」」
こうして、ヤタサの街のスタンピード防衛戦が始まるのであった。
1,862
お気に入りに追加
3,988
あなたにおすすめの小説
のほほん異世界暮らし
みなと劉
ファンタジー
異世界に転生するなんて、夢の中の話だと思っていた。
それが、目を覚ましたら見知らぬ森の中、しかも手元にはなぜかしっかりとした地図と、ちょっとした冒険に必要な道具が揃っていたのだ。
迷子の僕の異世界生活
クローナ
BL
高校を卒業と同時に長年暮らした養護施設を出て働き始めて半年。18歳の桜木冬夜は休日に買い物に出たはずなのに突然異世界へ迷い込んでしまった。
通りかかった子供に助けられついていった先は人手不足の宿屋で、衣食住を求め臨時で働く事になった。
その宿屋で出逢ったのは冒険者のクラウス。
冒険者を辞めて騎士に復帰すると言うクラウスに誘われ仕事を求め一緒に王都へ向かい今度は馴染み深い孤児院で働く事に。
神様からの啓示もなく、なぜ自分が迷い込んだのか理由もわからないまま周りの人に助けられながら異世界で幸せになるお話です。
2022,04,02 第二部を始めることに加え読みやすくなればと第一部に章を追加しました。
『完結』不当解雇された【教育者】は底辺ギルドを再建して無双する〜英雄の娘である私は常識破りの教育で化け物を量産します〜
柊彼方
ファンタジー
「アリア。お前はクビだ」
教育者として上位ギルド『白金の刃』で働いていたアリアはギルド長であるクラウスに不要だと追放されてしまう。
自分の無力さを嘆いていたアリアだが、彼女は求人募集の貼り紙を見て底辺ギルドで教育者として働くことになった。
しかし、クラウスは知らなかった。アリアの天才的な教育にただ自分の隊員がついていけなかったということを。
実はアリアは最強冒険者の称号『至極の三剣』の三人を育てた天才であったのだ。
アリアが抜けた白金の刃ではアリアがいるからと関係を保っていたお偉いさんたちからの信頼を失い、一気に衰退していく。
そんなこと気にしないアリアはお偉いさんたちからの助力を得て、どんどんギルドを再建していくのだった。
これは英雄の血を引く英傑な教育者が異次元な教育法で最弱ギルドを最強ギルドへと再建する、そんな物語。
覚悟は良いですか、お父様? ―虐げられた娘はお家乗っ取りを企んだ婿の父とその愛人の娘である異母妹をまとめて追い出す―
Erin
恋愛
【完結済・全3話】伯爵令嬢のカメリアは母が死んだ直後に、父が屋敷に連れ込んだ愛人とその子に虐げられていた。その挙句、カメリアが十六歳の成人後に継ぐ予定の伯爵家から追い出し、伯爵家の血を一滴も引かない異母妹に継がせると言い出す。後を継がないカメリアには嗜虐趣味のある男に嫁がられることになった。絶対に父たちの言いなりになりたくないカメリアは家を出て復讐することにした。7/6に最終話投稿予定。
アルケディア・オンライン ~のんびりしたいけど好奇心が勝ってしまうのです~
志位斗 茂家波
ファンタジー
新入社員として社会の波にもまれていた「青葉 春」。
社会人としての苦労を味わいつつ、のんびりと過ごしたいと思い、VRMMOなるものに手を出し、ゆったりとした生活をゲームの中に「ハル」としてのプレイヤーになって求めてみることにした。
‥‥‥でも、その想いとは裏腹に、日常生活では出てこないであろう才能が開花しまくり、何かと注目されるようになってきてしまう…‥‥のんびりはどこへいった!?
――
作者が初めて挑むVRMMOもの。初めての分野ゆえに稚拙な部分もあるかもしれないし、投稿頻度は遅めだけど、読者の皆様はのんびりと待てるようにしたいと思います。
コメントや誤字報告に指摘、アドバイスなどもしっかりと受け付けますのでお楽しみください。
小説家になろう様でも掲載しています。
一話あたり1500~6000字を目途に頑張ります。
結婚しても別居して私は楽しくくらしたいので、どうぞ好きな女性を作ってください
シンさん
ファンタジー
サナス伯爵の娘、ニーナは隣国のアルデーテ王国の王太子との婚約が決まる。
国に行ったはいいけど、王都から程遠い別邸に放置され、1度も会いに来る事はない。
溺愛する女性がいるとの噂も!
それって最高!好きでもない男の子供をつくらなくていいかもしれないし。
それに私は、最初から別居して楽しく暮らしたかったんだから!
そんな別居願望たっぷりの伯爵令嬢と王子の恋愛ストーリー
最後まで書きあがっていますので、随時更新します。
表紙はエブリスタでBeeさんに描いて頂きました!綺麗なイラストが沢山ございます。リンク貼らせていただきました。
5歳で前世の記憶が混入してきた --スキルや知識を手に入れましたが、なんで中身入ってるんですか?--
ばふぉりん
ファンタジー
「啞"?!@#&〆々☆¥$€%????」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
五歳の誕生日を迎えた男の子は家族から捨てられた。理由は
「お前は我が家の恥だ!占星の儀で訳の分からないスキルを貰って、しかも使い方がわからない?これ以上お前を育てる義務も義理もないわ!」
この世界では五歳の誕生日に教会で『占星の儀』というスキルを授かることができ、そのスキルによってその後の人生が決まるといっても過言では無い。
剣聖 聖女 影朧といった上位スキルから、剣士 闘士 弓手といった一般的なスキル、そして家事 農耕 牧畜といったもうそれスキルじゃないよね?といったものまで。
そんな中、この五歳児が得たスキルは
□□□□
もはや文字ですら無かった
~~~~~~~~~~~~~~~~~
本文中に顔文字を使用しますので、できれば横読み推奨します。
本作中のいかなる個人・団体名は実在するものとは一切関係ありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる