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#35 やっぱり美味しいカレーライス
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現在、時刻は昼前くらい。
今日も今日とて昼ご飯を作ろうとしているシュージなのだが、今日作るのは、以前から楽しみにしていた料理なのだ。
というのも、以前前金を払って購入したカレー粉…… こちらではスパイスパウダーと呼ばれているものがついに届いた。
となると、当然作るのはカレーライス。
前に少し手に入れたものを使って味見は済ましたので、かなり美味しいものが作れると思う。
スパイスの配合も割とマイルド目で、そのまま作っても地球で言う中辛くらいだと思うが、今日の昼は見習い組3人とキリカ、ジルバートにイザベラという面々なので、見習い組に合わせてちょっと甘口寄りで作ることにした。
という事で、早速準備を始める。
まずは肉を食べやすいサイズに切って、塩胡椒で味付けをしておく。
今回は薄切りのオーク肉を使う。
加えて、玉ねぎ、にんじん、じゃがいもを食べやすいサイズに切り、トマトは3センチくらいに小さく切っておく。
その後、玉ねぎはフライパンでアメ色になるまで炒め、厚手の鍋におろししょうがとおろしニンニクを入れて、サラダ油で熱し、そこへオーク肉とにんじん、じゃがいもを加えて炒める。
しっかりと玉ねぎやじゃがいも、にんじんなどに火が通ったら、鍋に炒めた玉ねぎ、トマト、水、コンソメ顆粒、ローレルを入れ、火にかける。
その鍋のアクをちょいちょい取り除きつつ、隣のフライパンにバターを入れ、そこへ薄力粉を加えて茶色くなるまで熱したら火を止めて、今回の主役のカレー粉を加えて混ぜておく。
そして、鍋へその薄力粉とカレー粉を混ぜたものを少しずつ入れて溶かし、溶けきったら蜂蜜を加えて煮込んでおき、その間にパパッとグリーンサラダも作る。
それから20分程煮込み終えて鍋を見ると、そこには正真正銘、カレー粉から作った特製カレーが出来上がっていた。
その香りは地球にあったものと全く変わりなく、早く食べたいと脳と腹が訴えてきていた。
「な、なんか、すげーいい匂いする!」
「本当だ?」
「嗅いだことのない匂いですね」
「お、皆さんいらっしゃいましたね」
と、お腹が空いたのか、見習い組のメンバーがいち早く食堂にやって来た。
「何を作ってるんですか、シュージ様?」
「カレーという料理を作っていました。 ちょっと最初は見た目が受け付けないかも知れませんけど、とても美味しいですからぜひ食べてみてください」
「わっ、本当だ、すげー茶色い……」
「でも、絶対美味しいんだろうなって匂いがしてくるね」
「シュージ様がそうおっしゃるなら食べてみたいですっ」
恐らく初見の3人からすると、見た目はちょっとよろしくないカレーだが、シュージが作る料理は絶対に美味しいという価値観が勝ったようで、素直にカレーライスを受け取ってくれた。
そして、3人は顔を見合わせて、同じタイミングでカレーを口に運んでいった。
「……っ! う、美味ぇっ!!」
「今まで食べた物の中で1番好きかも……!」
「すごい複雑な味がします……! ちょっと辛くて、でもどこか甘い……? なんだか口で表現するのが難しいです」
「カレーは唯一無二ですよね。 僕の故郷ではカレー味の料理とか商品がたくさん売られてましたから」
それから見習い組の3人は、もう会話も忘れてカレーに夢中になってくれた。
「あれ、いつにも増して良い匂いしますね?」
「あ、キリカさん、ジルさん、イザベラさん」
「何だか強い匂いだが、何を作ったんだ?」
「今日はカレーというものを作りました」
それから、キリカ達も食堂にやってきたので、同じようにカレーをよそって提供した。
「ほう! これは美味しいね」
「んんっ! なんだかどんどん手が進んじゃいますね!」
「確かに美味いな。 これは何を使って作ったんだ?」
「スパイスパウダーと呼ばれる、たくさんの香辛料を混ぜ合わせて作った粉をベースに、野菜や肉を一緒に煮込んで作りました」
「なるほど、それでこの複雑な旨味か。 香辛料も合わせたらとんでもない種類の材料が使われているな」
「僕の故郷ではスパイスパウダーはカレー粉と呼ばれていてメジャーだったんですけど、こちらではまだ使い道が開発されてないようなので、これもまたレシピ登録したいですね」
「また人気になりそうなレシピだねぇ」
「そうですね。 材料さえ揃えれば、割と誰でも作れますし。 今度レシピ登録する時に、売ってくれた方にも色々と教えてあげようかと」
「人が良いですね、シュージさんは? もっと独占したって良いと思いますけど」
「美味しいものはやっぱり色んな人に食べてもらいたいですから」
「ふっ、流石だな」
その後、用意されたカレーとライスは、ちょっと余分に作ったつもりだったがあっさりと全て消費された。
なお、カレーのあまりの美味しさに、今日食べた面々がいなかったメンバーにカレーの事を伝えた事で、なるべくすぐにまた作って! と一部の者に強く請われたのはご愛嬌だろう。
今日も今日とて昼ご飯を作ろうとしているシュージなのだが、今日作るのは、以前から楽しみにしていた料理なのだ。
というのも、以前前金を払って購入したカレー粉…… こちらではスパイスパウダーと呼ばれているものがついに届いた。
となると、当然作るのはカレーライス。
前に少し手に入れたものを使って味見は済ましたので、かなり美味しいものが作れると思う。
スパイスの配合も割とマイルド目で、そのまま作っても地球で言う中辛くらいだと思うが、今日の昼は見習い組3人とキリカ、ジルバートにイザベラという面々なので、見習い組に合わせてちょっと甘口寄りで作ることにした。
という事で、早速準備を始める。
まずは肉を食べやすいサイズに切って、塩胡椒で味付けをしておく。
今回は薄切りのオーク肉を使う。
加えて、玉ねぎ、にんじん、じゃがいもを食べやすいサイズに切り、トマトは3センチくらいに小さく切っておく。
その後、玉ねぎはフライパンでアメ色になるまで炒め、厚手の鍋におろししょうがとおろしニンニクを入れて、サラダ油で熱し、そこへオーク肉とにんじん、じゃがいもを加えて炒める。
しっかりと玉ねぎやじゃがいも、にんじんなどに火が通ったら、鍋に炒めた玉ねぎ、トマト、水、コンソメ顆粒、ローレルを入れ、火にかける。
その鍋のアクをちょいちょい取り除きつつ、隣のフライパンにバターを入れ、そこへ薄力粉を加えて茶色くなるまで熱したら火を止めて、今回の主役のカレー粉を加えて混ぜておく。
そして、鍋へその薄力粉とカレー粉を混ぜたものを少しずつ入れて溶かし、溶けきったら蜂蜜を加えて煮込んでおき、その間にパパッとグリーンサラダも作る。
それから20分程煮込み終えて鍋を見ると、そこには正真正銘、カレー粉から作った特製カレーが出来上がっていた。
その香りは地球にあったものと全く変わりなく、早く食べたいと脳と腹が訴えてきていた。
「な、なんか、すげーいい匂いする!」
「本当だ?」
「嗅いだことのない匂いですね」
「お、皆さんいらっしゃいましたね」
と、お腹が空いたのか、見習い組のメンバーがいち早く食堂にやって来た。
「何を作ってるんですか、シュージ様?」
「カレーという料理を作っていました。 ちょっと最初は見た目が受け付けないかも知れませんけど、とても美味しいですからぜひ食べてみてください」
「わっ、本当だ、すげー茶色い……」
「でも、絶対美味しいんだろうなって匂いがしてくるね」
「シュージ様がそうおっしゃるなら食べてみたいですっ」
恐らく初見の3人からすると、見た目はちょっとよろしくないカレーだが、シュージが作る料理は絶対に美味しいという価値観が勝ったようで、素直にカレーライスを受け取ってくれた。
そして、3人は顔を見合わせて、同じタイミングでカレーを口に運んでいった。
「……っ! う、美味ぇっ!!」
「今まで食べた物の中で1番好きかも……!」
「すごい複雑な味がします……! ちょっと辛くて、でもどこか甘い……? なんだか口で表現するのが難しいです」
「カレーは唯一無二ですよね。 僕の故郷ではカレー味の料理とか商品がたくさん売られてましたから」
それから見習い組の3人は、もう会話も忘れてカレーに夢中になってくれた。
「あれ、いつにも増して良い匂いしますね?」
「あ、キリカさん、ジルさん、イザベラさん」
「何だか強い匂いだが、何を作ったんだ?」
「今日はカレーというものを作りました」
それから、キリカ達も食堂にやってきたので、同じようにカレーをよそって提供した。
「ほう! これは美味しいね」
「んんっ! なんだかどんどん手が進んじゃいますね!」
「確かに美味いな。 これは何を使って作ったんだ?」
「スパイスパウダーと呼ばれる、たくさんの香辛料を混ぜ合わせて作った粉をベースに、野菜や肉を一緒に煮込んで作りました」
「なるほど、それでこの複雑な旨味か。 香辛料も合わせたらとんでもない種類の材料が使われているな」
「僕の故郷ではスパイスパウダーはカレー粉と呼ばれていてメジャーだったんですけど、こちらではまだ使い道が開発されてないようなので、これもまたレシピ登録したいですね」
「また人気になりそうなレシピだねぇ」
「そうですね。 材料さえ揃えれば、割と誰でも作れますし。 今度レシピ登録する時に、売ってくれた方にも色々と教えてあげようかと」
「人が良いですね、シュージさんは? もっと独占したって良いと思いますけど」
「美味しいものはやっぱり色んな人に食べてもらいたいですから」
「ふっ、流石だな」
その後、用意されたカレーとライスは、ちょっと余分に作ったつもりだったがあっさりと全て消費された。
なお、カレーのあまりの美味しさに、今日食べた面々がいなかったメンバーにカレーの事を伝えた事で、なるべくすぐにまた作って! と一部の者に強く請われたのはご愛嬌だろう。
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