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最終章・転生勇者編
第145話 お次はどなた?
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Sランク冒険者との戦いは、今のところ2戦2勝の負けなしである。
アキラとの決着には不満があったものの、続くラン・イーシンと魔王リッカ=ジード=エメラルドのコンビには真正面からぶつかり合い、勝利を収められた。
加えて、スキル:階位昇格が、戦った相手が強いほどレベルの上昇が早くなるという情報を得ることにも成功している。
今のところは、絶好調と言って差し支えないだろう。
さて、そのランとの戦いから3日が経過した現在。
完全回復したユウシたちは、レストランで食事をしながら、次なる標的を決めていた。
「今度の相手は誰にしようか」
ユウシがまだ戦っていないSランク冒険者は、
シャルル・フローラル
アリス・ワンダーランド
レオン・フェルマー
ムサシ・ミヤモト
以上4名である。
ユウシが話を振ると、キララが話を引き継ぐ。
「シャルル・フローラル様ですが、職業はわたしと同じヒーラー。
他のSランクの方たちとは違って、戦闘は全くしません」
「魔王とは契約しているのか?」ユウシが尋ねた。
「はい。魔王リアム=エリス=アメジストと契約しているそうです」
ユウシはそれを聞くと、「ならば魔王リアムと戦うことはできるのでは?」と再度問いかける。
だが、それに対してキララは激しく首を横に振った。
「魔王リアムは回復薬の材料となる薬草などをシャルル様の代わりに採取しているそうです。貴重な材料の調達もしているので、襲えば回復薬の生産が滞ってしまいます!」
「回復薬は冒険者の命といっていいアイテムだ。邪魔をするのは良くないだろうな」
シャルルの意見に同意するのはマーティだ。
自分たちも過去、回復薬で窮地を脱出したこともあり、重要なアイテムの生産にかかわるとなると、邪魔はしないほうがいいと判断した。
ユウシもその意見を受け入れ、ターゲットからシャルルを外すことに決めた。
「となると、残るはアリス、レオン、ムサシの3人の内誰か、か」
うーん、と腕を組み考える。
と、今度はマホが更なる情報を追加する。
「わたくしが聞いた噂では、このムサシ・ミヤモトなる人物が、Sランク冒険者最強とのお話でございました」
ムサシ・ミヤモト。
前世の記憶通りであるなら、古の剣豪・宮本武蔵と同一の名前である。
Sランク最強に相応しい名だとユウシは頭の中で感想を述べた。
で、あるならば――
「そいつは最後だ。他のSランクを倒してから最強に挑もう」
ムサシを最後にすることを決め、残るはアリスとレオンの2択となる。
どちらにするか悩むかと思われたが、今度はセイバーが情報を持っていた。
「このレオンという人物は、他国での活動がメインだと聞いたことがある。現在地を割り出すのは困難だと思うぞ?」
その情報は、セイバーがまだ剣士として国に仕えていた頃に聞いたものである。
数年前のことであるが、『レオンという人物が、黒い噂のある国を潰している』という物騒な噂だったので記憶に残っていた。
ちなみに、この噂は『眉唾だろう』と特に気にされていなかったためか、レオンも気兼ねなく活動できたというのは、また別の話である。
話を戻すが、これでレオンという線も潰された。
標的は一つに絞られ、ユウシの次なる相手が決定する。
「現在地も判明しています。行きますか?」
キララが尋ねると、ユウシは「もちろんだ」と頷いた。
「行こう。アリス・ワンダーランドのもとへ」
アキラとの決着には不満があったものの、続くラン・イーシンと魔王リッカ=ジード=エメラルドのコンビには真正面からぶつかり合い、勝利を収められた。
加えて、スキル:階位昇格が、戦った相手が強いほどレベルの上昇が早くなるという情報を得ることにも成功している。
今のところは、絶好調と言って差し支えないだろう。
さて、そのランとの戦いから3日が経過した現在。
完全回復したユウシたちは、レストランで食事をしながら、次なる標的を決めていた。
「今度の相手は誰にしようか」
ユウシがまだ戦っていないSランク冒険者は、
シャルル・フローラル
アリス・ワンダーランド
レオン・フェルマー
ムサシ・ミヤモト
以上4名である。
ユウシが話を振ると、キララが話を引き継ぐ。
「シャルル・フローラル様ですが、職業はわたしと同じヒーラー。
他のSランクの方たちとは違って、戦闘は全くしません」
「魔王とは契約しているのか?」ユウシが尋ねた。
「はい。魔王リアム=エリス=アメジストと契約しているそうです」
ユウシはそれを聞くと、「ならば魔王リアムと戦うことはできるのでは?」と再度問いかける。
だが、それに対してキララは激しく首を横に振った。
「魔王リアムは回復薬の材料となる薬草などをシャルル様の代わりに採取しているそうです。貴重な材料の調達もしているので、襲えば回復薬の生産が滞ってしまいます!」
「回復薬は冒険者の命といっていいアイテムだ。邪魔をするのは良くないだろうな」
シャルルの意見に同意するのはマーティだ。
自分たちも過去、回復薬で窮地を脱出したこともあり、重要なアイテムの生産にかかわるとなると、邪魔はしないほうがいいと判断した。
ユウシもその意見を受け入れ、ターゲットからシャルルを外すことに決めた。
「となると、残るはアリス、レオン、ムサシの3人の内誰か、か」
うーん、と腕を組み考える。
と、今度はマホが更なる情報を追加する。
「わたくしが聞いた噂では、このムサシ・ミヤモトなる人物が、Sランク冒険者最強とのお話でございました」
ムサシ・ミヤモト。
前世の記憶通りであるなら、古の剣豪・宮本武蔵と同一の名前である。
Sランク最強に相応しい名だとユウシは頭の中で感想を述べた。
で、あるならば――
「そいつは最後だ。他のSランクを倒してから最強に挑もう」
ムサシを最後にすることを決め、残るはアリスとレオンの2択となる。
どちらにするか悩むかと思われたが、今度はセイバーが情報を持っていた。
「このレオンという人物は、他国での活動がメインだと聞いたことがある。現在地を割り出すのは困難だと思うぞ?」
その情報は、セイバーがまだ剣士として国に仕えていた頃に聞いたものである。
数年前のことであるが、『レオンという人物が、黒い噂のある国を潰している』という物騒な噂だったので記憶に残っていた。
ちなみに、この噂は『眉唾だろう』と特に気にされていなかったためか、レオンも気兼ねなく活動できたというのは、また別の話である。
話を戻すが、これでレオンという線も潰された。
標的は一つに絞られ、ユウシの次なる相手が決定する。
「現在地も判明しています。行きますか?」
キララが尋ねると、ユウシは「もちろんだ」と頷いた。
「行こう。アリス・ワンダーランドのもとへ」
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