白狼 白起伝

松井暁彦

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 白き狼

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 森閑とした森。最奥に至るまで、終わりのない闇が凝っている。闇が続く森と、王翦おうせんが踏み締める大地には、明確な境界線のようなものがあった。

まるで、漆黒の森は冥府を現世に顕現させたような。気味悪さがある。王翦は闇の中で、白き狼の姿を認めた。一切の穢れもない、純白の衣を纏いし孤狼は、銀色の双眸を王翦に向けた。

 眼が合ったのは刹那であった。白狼は尻尾を揺らし、背を向け、闇の中へと消えて行った。
 
 まるで現世に別れを告げるように。

                  《終》
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みんなの感想(2件)

ひじき
2021.09.10 ひじき

面白い!ぜひマイクロ=コール=オンライン読んでみてください!!

松井暁彦
2021.09.10 松井暁彦

感想ありがとうございます。

ぜひ読ませていただきます。

解除
花雨
2021.08.14 花雨
ネタバレ含む
松井暁彦
2021.08.15 松井暁彦

ありがとうございます。宜しくお願い致します。

解除

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