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嫉妬
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――どうしてこんなことになっているのだろう。
翌週、藤倉商事に出社した遥香は、昼休憩に高梨に捕まった。
お弁当を食べているところへ高梨がやってきて、フロア内に誰もいないのをいいことに、つかつかと遥香のそばに歩み寄ってくると、開口一番にこう言った。
「わたし、八城係長が好きなんです」
遥香は箸を止めて、ぽかんと高梨を見上げた。
高梨が弘貴を好きなのは態度で充分わかる。それをわざわざ遥香に宣言しに来る必要がどこにあるのだろう。
遥香が何も言えずにいると、高梨はイライラした様子でまくしたてるように言った。
「秋月さんは八城係長のグループですけど、ちょっと近づきすぎじゃないですか? 先週の飲み会だって、八城係長がわざわざ秋月さんを送って帰る必要なんてないですよね。上司と部下の距離感を保ってほしいです」
高梨はすらりとした腕を組んで、睨むように遥香を見た。
「八城係長に近づかないでください」
遥香はパチパチと瞬きをくり返した。
(……なに、言ってるの?)
ものすごく自分勝手なことを言われている気がする。だが、言い分があまりに勝手すぎて、逆に怒りがわいてこなかった。あきれてものも言えないとはこういうことを言うのかと、どこか冷静に考えていると、高梨がカツンとヒールを鳴らした。
「聞いてますか!?」
どうやら激情型の性格のようだ。どうにかしてなだめようと思うのだが、かといって「弘貴に近づかない」とは言えない。困っていると、フロアの入口からのんびりとした声が聞こえてきた。
「ずいぶんと子供みたいなことを言うね。ここは学校じゃなくて会社なんだけどなぁ」
遥香がびっくりして首を巡らせると、フロアの入口から坂上の彼氏の同僚の、経理部の橘が入ってくるところだった。
高梨は一瞬バツの悪そうな顔をしたが、相手が知らない顔だったからか、すぐに怪訝そうな表情を作った。
「どちらさまですか?」
「経理部の橘です。経費の件で確認してほしい書類を持ってきたんだけど、ちょうど君たちが話してたから、なかなか入れませんでしたー。さてと、学生の女子トイレ的な会話はまだ続けるのかな?」
飄々とした態度で橘が笑えば、高梨はぷいっと顔を背けて、そのままヒールを鳴らしてフロアを出て行った。
高梨がフロアの外に消えると、橘が苦笑を浮かべて遥香を見た。
「うわ、おっかないねー。秋月さん大丈夫だった?」
遥香はホッとして橘に頭を下げた。
「大丈夫です。ありがとうございました。正直、どうしていいのかわからなくて困っていたので、すごく助かりました」
「いえいえ。女ってすげーってちょっとびっくりして面白かったよ。それにしても八城係長は罪づくりだねぇ。噂だと彼女もいるらしいし、無駄なのにね」
「え? 噂?」
遥香はぎくりとした。
橘はそんな遥香の様子には気づいていないようで、持ってきたクリアファイルに入った書類でポンポンと肩を叩いた。
「うん、何でも先月くらいに女性連れで駅を歩いているのを総務部の誰かが見たらしいよ。女の子の顔まではわからなかったらしいけど、すごく親密そうだったってさ」
「……、そ、そうですか」
おそらく、その相手は遥香だ。顔を見られていないのは助かったが、気をつけておかないと危険かもしれない。
冷や汗をかいていると、橘が遥香の手元のお弁当を覗き込んだ。
「秋月さんってお弁当派なんだね。うちの会社では珍しいかも。家庭的でいいね。うまそー」
「え、か、簡単なものしか入れてないですよ……」
今日は弘貴のマンションから出社したので、朝ごはんに作った卵焼きとウインナー、ブロッコリーとカリフラワーをゆでてサラダにしたものの残りを詰め、足りないところは前日の夜に弘貴の酒の肴にと作り置きした金平ごぼうを少し入れてきただけだ。自分用のお弁当なので見た目はまったく気にしておらず、ただ詰めただけなので、正直少し恥ずかしい。
「いや、充分でしょ。一人暮らしだと外食ばっかりで、こういうお弁当に憧れるわ」
「そうですか……?」
物欲しそうな目で見つめられるので、遥香はおずおずと弁当箱を差し出した。
「少し、食べます……? 卵焼きとか、まだ箸をつけてないんで」
「まじで? ラッキー! それじゃ、一ついただきます」
ぱっと顔を輝かせた橘が、遥香の弁当箱から卵焼きを一つつまんで口に入れる。
「うまっ。秋月さんの卵焼きって少し甘めなんだね。俺、この味好きだなー」
「お口にあってよかったです」
「ご馳走様でした。あ、俺もうそろそろ行かなきゃいけないんだけど、この書類課長に渡しておいてもらってもいい? あの人少し抜けててさー、押印忘れてんだよ。ここ」
この前も忘れてたんだよね、とブツブツ文句を言いながら、橘が遥香の机の端に書類をおく。
今度やったら経費認めてやらないぞって脅しといてと片目をつむって橘がフロアから出て行くと、遥香は微苦笑を浮かべながら弁当の続きを食べはじめた。だが――
「何話してたの?」
「ひゃあ!」
突然背後から話しかけられて、遥香は飛び上がりそうになった。
後ろを振り返るといつの間にか弘貴が立っていて、どこどなく不機嫌そうな雰囲気を醸し出している。
「ひ……、八城係長、驚かさないでください」
音もなく背後に回るなんてと少し文句を言ったが、弘貴はそれには答えず、ムッとした顔のまま遥香の弁当箱を覗き込んだ。
「……卵焼き」
「え? 食べたいんですか?」
「うん」
「どうぞ……?」
なぜ弘貴が不機嫌なのかわからないまま、遥香は弁当箱を弘貴に差し出す。
彼は二つ残っていた卵焼きを全部食べてしまうと、ぼそりと言った。
「……ほかのやつに食べさせるなよ」
ぷいっと横を向いた耳が赤い。
(え? もしかして、やきもち……?)
目を丸くしていると、顔をそむけたまま、弘貴がちらりと横目で遥香を見た。
「あんまり無防備なままでいると、金曜みたいにお仕置きするから」
拗ねたような口調で金曜日の夜のことを言われて、遥香の顔が真っ赤になる。
「な、な……」
会社でなんてことを言うのだと思ったが、遥香が動揺したのを見て機嫌を直したらしい弘貴は、そのまま自分のデスクに歩いて行く。
金曜日の夜に弘貴に執拗に求められたことを思い出して、遥香は午後から、しばらくの間まともに仕事が手につかなかったのだった。
翌週、藤倉商事に出社した遥香は、昼休憩に高梨に捕まった。
お弁当を食べているところへ高梨がやってきて、フロア内に誰もいないのをいいことに、つかつかと遥香のそばに歩み寄ってくると、開口一番にこう言った。
「わたし、八城係長が好きなんです」
遥香は箸を止めて、ぽかんと高梨を見上げた。
高梨が弘貴を好きなのは態度で充分わかる。それをわざわざ遥香に宣言しに来る必要がどこにあるのだろう。
遥香が何も言えずにいると、高梨はイライラした様子でまくしたてるように言った。
「秋月さんは八城係長のグループですけど、ちょっと近づきすぎじゃないですか? 先週の飲み会だって、八城係長がわざわざ秋月さんを送って帰る必要なんてないですよね。上司と部下の距離感を保ってほしいです」
高梨はすらりとした腕を組んで、睨むように遥香を見た。
「八城係長に近づかないでください」
遥香はパチパチと瞬きをくり返した。
(……なに、言ってるの?)
ものすごく自分勝手なことを言われている気がする。だが、言い分があまりに勝手すぎて、逆に怒りがわいてこなかった。あきれてものも言えないとはこういうことを言うのかと、どこか冷静に考えていると、高梨がカツンとヒールを鳴らした。
「聞いてますか!?」
どうやら激情型の性格のようだ。どうにかしてなだめようと思うのだが、かといって「弘貴に近づかない」とは言えない。困っていると、フロアの入口からのんびりとした声が聞こえてきた。
「ずいぶんと子供みたいなことを言うね。ここは学校じゃなくて会社なんだけどなぁ」
遥香がびっくりして首を巡らせると、フロアの入口から坂上の彼氏の同僚の、経理部の橘が入ってくるところだった。
高梨は一瞬バツの悪そうな顔をしたが、相手が知らない顔だったからか、すぐに怪訝そうな表情を作った。
「どちらさまですか?」
「経理部の橘です。経費の件で確認してほしい書類を持ってきたんだけど、ちょうど君たちが話してたから、なかなか入れませんでしたー。さてと、学生の女子トイレ的な会話はまだ続けるのかな?」
飄々とした態度で橘が笑えば、高梨はぷいっと顔を背けて、そのままヒールを鳴らしてフロアを出て行った。
高梨がフロアの外に消えると、橘が苦笑を浮かべて遥香を見た。
「うわ、おっかないねー。秋月さん大丈夫だった?」
遥香はホッとして橘に頭を下げた。
「大丈夫です。ありがとうございました。正直、どうしていいのかわからなくて困っていたので、すごく助かりました」
「いえいえ。女ってすげーってちょっとびっくりして面白かったよ。それにしても八城係長は罪づくりだねぇ。噂だと彼女もいるらしいし、無駄なのにね」
「え? 噂?」
遥香はぎくりとした。
橘はそんな遥香の様子には気づいていないようで、持ってきたクリアファイルに入った書類でポンポンと肩を叩いた。
「うん、何でも先月くらいに女性連れで駅を歩いているのを総務部の誰かが見たらしいよ。女の子の顔まではわからなかったらしいけど、すごく親密そうだったってさ」
「……、そ、そうですか」
おそらく、その相手は遥香だ。顔を見られていないのは助かったが、気をつけておかないと危険かもしれない。
冷や汗をかいていると、橘が遥香の手元のお弁当を覗き込んだ。
「秋月さんってお弁当派なんだね。うちの会社では珍しいかも。家庭的でいいね。うまそー」
「え、か、簡単なものしか入れてないですよ……」
今日は弘貴のマンションから出社したので、朝ごはんに作った卵焼きとウインナー、ブロッコリーとカリフラワーをゆでてサラダにしたものの残りを詰め、足りないところは前日の夜に弘貴の酒の肴にと作り置きした金平ごぼうを少し入れてきただけだ。自分用のお弁当なので見た目はまったく気にしておらず、ただ詰めただけなので、正直少し恥ずかしい。
「いや、充分でしょ。一人暮らしだと外食ばっかりで、こういうお弁当に憧れるわ」
「そうですか……?」
物欲しそうな目で見つめられるので、遥香はおずおずと弁当箱を差し出した。
「少し、食べます……? 卵焼きとか、まだ箸をつけてないんで」
「まじで? ラッキー! それじゃ、一ついただきます」
ぱっと顔を輝かせた橘が、遥香の弁当箱から卵焼きを一つつまんで口に入れる。
「うまっ。秋月さんの卵焼きって少し甘めなんだね。俺、この味好きだなー」
「お口にあってよかったです」
「ご馳走様でした。あ、俺もうそろそろ行かなきゃいけないんだけど、この書類課長に渡しておいてもらってもいい? あの人少し抜けててさー、押印忘れてんだよ。ここ」
この前も忘れてたんだよね、とブツブツ文句を言いながら、橘が遥香の机の端に書類をおく。
今度やったら経費認めてやらないぞって脅しといてと片目をつむって橘がフロアから出て行くと、遥香は微苦笑を浮かべながら弁当の続きを食べはじめた。だが――
「何話してたの?」
「ひゃあ!」
突然背後から話しかけられて、遥香は飛び上がりそうになった。
後ろを振り返るといつの間にか弘貴が立っていて、どこどなく不機嫌そうな雰囲気を醸し出している。
「ひ……、八城係長、驚かさないでください」
音もなく背後に回るなんてと少し文句を言ったが、弘貴はそれには答えず、ムッとした顔のまま遥香の弁当箱を覗き込んだ。
「……卵焼き」
「え? 食べたいんですか?」
「うん」
「どうぞ……?」
なぜ弘貴が不機嫌なのかわからないまま、遥香は弁当箱を弘貴に差し出す。
彼は二つ残っていた卵焼きを全部食べてしまうと、ぼそりと言った。
「……ほかのやつに食べさせるなよ」
ぷいっと横を向いた耳が赤い。
(え? もしかして、やきもち……?)
目を丸くしていると、顔をそむけたまま、弘貴がちらりと横目で遥香を見た。
「あんまり無防備なままでいると、金曜みたいにお仕置きするから」
拗ねたような口調で金曜日の夜のことを言われて、遥香の顔が真っ赤になる。
「な、な……」
会社でなんてことを言うのだと思ったが、遥香が動揺したのを見て機嫌を直したらしい弘貴は、そのまま自分のデスクに歩いて行く。
金曜日の夜に弘貴に執拗に求められたことを思い出して、遥香は午後から、しばらくの間まともに仕事が手につかなかったのだった。
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