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デート
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――土曜日、駅前、午後一時。
――待ってるから、来てね。
――来なくても待ってるよ。
弘貴に一方的に告げられて、――そして迎えた土曜日。
駅前の広場が見える位置にあるカフェの中で、遥香はカフェオレを飲んでいた。
時刻は、午後十二時四十分。
本当は、来るつもりはなかった。だが、来なくても待っているという弘貴の言葉がどうしても引っかかってしまい、けれども、まだ弘貴と待ち合わせてデートをするということに抵抗を感じていて、こうして中途半端にカフェで時間をすごしている。
カフェの窓から見える空は、どんよりと重たく、今にも雨が降り出しそうなほど、黒に近い灰色をしていた。
ゴールデンウィークも近くなってきたが、天気が悪いせいもあるのか、今日は少し肌寒い。
カフェオレのマグカップに口をつけながら、込み合う駅前広場をぼんやりと見下ろす。
弘貴は駅前と言ったけれど、結局駅前のどこで待ち合わせるのかを言わなかった。
遥香が友人たちと待ち合わせるときは、たいてい駅前広場の時計の近くなのだが、間違ってはいないだろうか。もちろん、間違っていたところで、カフェから出て行くかどうか葛藤中の遥香にとっては、逆にラッキーなことかもしれないが。
そんなことを考えながら駅前広場を見下ろしていると、時計台の時刻が十二時四十五分をすぎたとき、黒いジャケットを羽織った私服姿の弘貴の姿を見つけた。
(来るの、早っ)
五分前行動ならぬ、十五分前行動。
遥香も人のことは言えないが、遥香の場合、うっかりギリギリに来て鉢合わせないためと言う予防策での早目の行動だ。
時計台の前に立った弘貴は、腕時計で時間を確認すると、ジャケットのポケットに手を入れた。
モデルのように整った顔立ちの背の高い男が一人で立っていれば、人込みの中とはいえ、目立つ。ちらちらと歩きながら振り返る女性たちもいて、遥香は違う意味でカフェから出て行きたくなくなってきた。
パッとしない顔立ちの遥香では、どう考えたって弘貴とは釣り合わない。
遥香は、このままカフェで時間をつぶして、弘貴が諦めて帰ったころを見計らって帰宅しようと考えた。
やはり、弘貴とのデートは気が重い。
もともと行くなんて一言も言わなかったのだから問題ないだろう。
――そう思ったのだが。
(……帰らない……)
時刻は一時二十分をすぎた。
遥香の手元のマグカップはとうに空っぽになり、このままカフェに居座り続けるのは心苦しくなってきたころだ。
早く帰らないと雨が降る――そう思った矢先に、カフェの窓に雨粒が当たり、細い線を引いて落ちていった。
ぽつぽつと遠慮がちに降りはじめた雨は徐々に本降りになり、五分もしないうちに土砂降りになった。
弘貴はと見下ろせば、傘を持ってこなかったのか、土砂降りの雨に打たれている。
(―――もうっ)
見ていられなくなって、遥香はカフェを飛び出した。
傘を広げて駅前広場に急ぎ、弘貴に駆け寄ると、雨でびしょ濡れになっているというのに、彼はにっこりと安心したように微笑んだ。
「よかった、来てくれたんだ」
「よかったじゃありません!」
遥香は背の高い弘貴に向かって傘を差し出した。
「びしょ濡れじゃないですか!」
遥香の水色の傘では二人で差すのは小さいため、どうしても肩が濡れてしまう。
「なんで駅の中に入らないんですか!」
「中に入ったら、見つけにくいでしょう? うっかり待ち合わせ場所伝えてなかったし……」
「だからって……。ああ、もうっ、とにかく、どこか温かいところに入りましょう!」
遥香はさっきまでカフェオレを飲んでいたカフェに弘貴を連れて行くと、席に着くなり鞄からタオル地のハンカチを取り出して弘貴へ差し出した。
「ホットコーヒーでいいですか? 買ってくるので、肩とか頭とか拭いてください。風邪ひいちゃいます」
「あ、お金……」
「そんなこと気にしてないで、早く拭いてください。本当に風邪ひきますから!」
弘貴の髪からはポタポタと雫が落ちている。
遥香はまだ何か言いたそうな弘貴を残し、弘貴の分のホットコーヒーと、自分の分のミルクティーを頼んで、二つのマグカップをもって席に戻った。
「髪、拭きました?」
「うん。ありがとう。洗って返すね」
「別にいいのに」
弘貴にホットコーヒーを差し出すと、彼はにこにこしながらそれを受け取った。マグカップを受け取ったときに指先が触れたが、彼の指は驚くほど冷たい。
ハンカチ一枚では応急措置にしかならず、相変わらず髪は湿っているし、隣の椅子の背もたれにかけている彼のジャケットもぐっしょりと濡れていた。
早く帰って、お風呂に入って温まった方がいい。
「八城係長、コーヒー飲んで体が温まったら、帰りましょう」
「どうして?」
弘貴は遥香の提案に目を丸くした。そのあと首を横に振る。
「コーヒー飲むだけじゃなくて、どこか行こうよ」
びしょ濡れのくせに、何を言っているのだろうか。
遥香はあきれて、もう一度「風邪をひきますよ」と繰り返した。
「そんなに濡れてるんだから、帰った方がいいです」
「俺は平気だよ」
「傘も一本しかありません」
「コンビニで買えばいい」
意地でも帰らないと言う弘貴に、遥香は頭を抱えた。弘貴が濡れてしまったのは、遥香が意地になって、待ち合わせ時間に行かなかったせいでもある。それを考えると心苦しい。
「ねえ、水族館行こうよ。今、世界のクラゲの展示してるんだって」
人の話を全く聞かない弘貴は嬉しそうに提案してくる。
正直、遥香はクラゲを見ることの何が楽しいのかよくわからなかった。水の中にフワフワ浮いている半透明な生物は、特に変わった動きをするのでもないし、特別可愛いわけでもない。
だが、水族館はもう何年も行っていない。クラゲはともかく、イルカやペンギンは好きだ。
「もちろん水族館が嫌なら、ほかでもいいけど」
そして、弘貴は帰らないと言い張るのだから、ここは遥香が折れるしかない。
遥香は小さく息をついた。
「わかりました。水族館に行きましょう」
――こうして、遥香は結局、弘貴の思惑通り、土曜日のデートにつきあうことになったのだった。
――待ってるから、来てね。
――来なくても待ってるよ。
弘貴に一方的に告げられて、――そして迎えた土曜日。
駅前の広場が見える位置にあるカフェの中で、遥香はカフェオレを飲んでいた。
時刻は、午後十二時四十分。
本当は、来るつもりはなかった。だが、来なくても待っているという弘貴の言葉がどうしても引っかかってしまい、けれども、まだ弘貴と待ち合わせてデートをするということに抵抗を感じていて、こうして中途半端にカフェで時間をすごしている。
カフェの窓から見える空は、どんよりと重たく、今にも雨が降り出しそうなほど、黒に近い灰色をしていた。
ゴールデンウィークも近くなってきたが、天気が悪いせいもあるのか、今日は少し肌寒い。
カフェオレのマグカップに口をつけながら、込み合う駅前広場をぼんやりと見下ろす。
弘貴は駅前と言ったけれど、結局駅前のどこで待ち合わせるのかを言わなかった。
遥香が友人たちと待ち合わせるときは、たいてい駅前広場の時計の近くなのだが、間違ってはいないだろうか。もちろん、間違っていたところで、カフェから出て行くかどうか葛藤中の遥香にとっては、逆にラッキーなことかもしれないが。
そんなことを考えながら駅前広場を見下ろしていると、時計台の時刻が十二時四十五分をすぎたとき、黒いジャケットを羽織った私服姿の弘貴の姿を見つけた。
(来るの、早っ)
五分前行動ならぬ、十五分前行動。
遥香も人のことは言えないが、遥香の場合、うっかりギリギリに来て鉢合わせないためと言う予防策での早目の行動だ。
時計台の前に立った弘貴は、腕時計で時間を確認すると、ジャケットのポケットに手を入れた。
モデルのように整った顔立ちの背の高い男が一人で立っていれば、人込みの中とはいえ、目立つ。ちらちらと歩きながら振り返る女性たちもいて、遥香は違う意味でカフェから出て行きたくなくなってきた。
パッとしない顔立ちの遥香では、どう考えたって弘貴とは釣り合わない。
遥香は、このままカフェで時間をつぶして、弘貴が諦めて帰ったころを見計らって帰宅しようと考えた。
やはり、弘貴とのデートは気が重い。
もともと行くなんて一言も言わなかったのだから問題ないだろう。
――そう思ったのだが。
(……帰らない……)
時刻は一時二十分をすぎた。
遥香の手元のマグカップはとうに空っぽになり、このままカフェに居座り続けるのは心苦しくなってきたころだ。
早く帰らないと雨が降る――そう思った矢先に、カフェの窓に雨粒が当たり、細い線を引いて落ちていった。
ぽつぽつと遠慮がちに降りはじめた雨は徐々に本降りになり、五分もしないうちに土砂降りになった。
弘貴はと見下ろせば、傘を持ってこなかったのか、土砂降りの雨に打たれている。
(―――もうっ)
見ていられなくなって、遥香はカフェを飛び出した。
傘を広げて駅前広場に急ぎ、弘貴に駆け寄ると、雨でびしょ濡れになっているというのに、彼はにっこりと安心したように微笑んだ。
「よかった、来てくれたんだ」
「よかったじゃありません!」
遥香は背の高い弘貴に向かって傘を差し出した。
「びしょ濡れじゃないですか!」
遥香の水色の傘では二人で差すのは小さいため、どうしても肩が濡れてしまう。
「なんで駅の中に入らないんですか!」
「中に入ったら、見つけにくいでしょう? うっかり待ち合わせ場所伝えてなかったし……」
「だからって……。ああ、もうっ、とにかく、どこか温かいところに入りましょう!」
遥香はさっきまでカフェオレを飲んでいたカフェに弘貴を連れて行くと、席に着くなり鞄からタオル地のハンカチを取り出して弘貴へ差し出した。
「ホットコーヒーでいいですか? 買ってくるので、肩とか頭とか拭いてください。風邪ひいちゃいます」
「あ、お金……」
「そんなこと気にしてないで、早く拭いてください。本当に風邪ひきますから!」
弘貴の髪からはポタポタと雫が落ちている。
遥香はまだ何か言いたそうな弘貴を残し、弘貴の分のホットコーヒーと、自分の分のミルクティーを頼んで、二つのマグカップをもって席に戻った。
「髪、拭きました?」
「うん。ありがとう。洗って返すね」
「別にいいのに」
弘貴にホットコーヒーを差し出すと、彼はにこにこしながらそれを受け取った。マグカップを受け取ったときに指先が触れたが、彼の指は驚くほど冷たい。
ハンカチ一枚では応急措置にしかならず、相変わらず髪は湿っているし、隣の椅子の背もたれにかけている彼のジャケットもぐっしょりと濡れていた。
早く帰って、お風呂に入って温まった方がいい。
「八城係長、コーヒー飲んで体が温まったら、帰りましょう」
「どうして?」
弘貴は遥香の提案に目を丸くした。そのあと首を横に振る。
「コーヒー飲むだけじゃなくて、どこか行こうよ」
びしょ濡れのくせに、何を言っているのだろうか。
遥香はあきれて、もう一度「風邪をひきますよ」と繰り返した。
「そんなに濡れてるんだから、帰った方がいいです」
「俺は平気だよ」
「傘も一本しかありません」
「コンビニで買えばいい」
意地でも帰らないと言う弘貴に、遥香は頭を抱えた。弘貴が濡れてしまったのは、遥香が意地になって、待ち合わせ時間に行かなかったせいでもある。それを考えると心苦しい。
「ねえ、水族館行こうよ。今、世界のクラゲの展示してるんだって」
人の話を全く聞かない弘貴は嬉しそうに提案してくる。
正直、遥香はクラゲを見ることの何が楽しいのかよくわからなかった。水の中にフワフワ浮いている半透明な生物は、特に変わった動きをするのでもないし、特別可愛いわけでもない。
だが、水族館はもう何年も行っていない。クラゲはともかく、イルカやペンギンは好きだ。
「もちろん水族館が嫌なら、ほかでもいいけど」
そして、弘貴は帰らないと言い張るのだから、ここは遥香が折れるしかない。
遥香は小さく息をついた。
「わかりました。水族館に行きましょう」
――こうして、遥香は結局、弘貴の思惑通り、土曜日のデートにつきあうことになったのだった。
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