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プロローグ
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遥香は毎夜、不思議な夢を見る。
はじまりは、いつだったかわからない。
わかっているのは、毎夜見る夢の世界が、いつも同じということだけだ。
夢の中で遥香はどこか異国のお城に住まうお姫様で、綺麗なドレスを着て、毎日優雅にのんびりと暮らしていた――
☆ ☆ ☆
「リリー様」
呼ばれて、遥香は顔を上げた。
夢の中で遥香は「リリー」と呼ばれていた。
遥香は、お城の自室で午後のティータイムを楽しんでいた。
部屋の中は広く、天蓋つきのベッドや、皮張りのソファ、本棚やテーブルなどの家具は、一目見ただけでも高級そうなものばかり揃っている。
遥香は今、スカイブルーのドレスを身に着けていた。髪は一つにまとめられ、真珠のバレッタでとめられている。
自分のことを不細工とは言わないが、特別可愛い顔立ちでもない遥香は、豪華に着飾っているのが少し恥ずかしくなるのだが、夢の中の「リリー」にはどうやらそれが日常で、さほど抵抗感はないらしい。
いつも当然のように侍女が着飾らせるのを、華美すぎなければと言いつつ受け入れていた。
夢の中で遥香は、この世界の国王の二番目の娘らしい。つまり、王女様だ。母親は正妃ではなく側室らしいのだが、だからといって父親である国王は、娘に差別はしないようだ。夢の中の「リリー」はいつも姉であるコレットと同じように贅沢な暮らしをしていた。
「どうかしたの?」
夢の中の遥香は、自分を呼んだ侍女におっとりと訊ね返した。
侍女は部屋の入口の扉にちらりと一瞥を投げてから、「コレット様がいらしています」と告げた。
二つ年上の姉が部屋に来ることは珍しい。
不仲ではないのだが、遥香とは違い派手好きの彼女は、いつもいろいろな遊びに興じていて、城にいないことが多いのだ。
昨日見た夢の中でも、伯爵家で催された仮面舞踏会に出席していたはずだ。遥香も誘われたのだが、どうやら夢の中のリリーは、現実の世界の遥香と同じで、そう言った派手な遊びは好きではないらしく、丁重に断りを入れていた。
コレットはくるくると波打つ金色の巻き髪を一つに束ねて、乗馬服を着ていた。
「リリー、一緒に乗馬はどう? たまには体を動かさないとだめよ」
コレットは遥香の隣に腰を下ろすと、すらりとした足を高く組んだ。
夢の中の遥香はどうやら体を動かすことは好きではないらしい。いつも部屋で読書をするか#刺繍#__ししゅう__#をしているので、姉であるコレットは心配らしかった。
遥香は困ったように眉尻を下げた。
「お姉さま、わたしは、乗馬はちょっと……」
「あなた、まだ馬の上が怖いの?」
「ええ。だって、おっこちそうなんだもの」
遥香が言うと、コレットが肩をすくめた。
「もう。しょうがないわね」
誘いに来たわりにコレットはあっさり引き下がった。どうやら本題はほかにあったらしい。コレットは侍女に紅茶を煎れるよう頼んで、組んだ足の上に頬杖をついた。
「ねえ? 婚約、いやなら断ってもいいのよ?」
遥香は目を丸くして、それから小さく苦笑した。
そう、遥香は先月――夢の中での話がだが――、隣国の王子と婚約したのだ。だが、それは書面上だけのことで、相手の顔はわからない。本当は顔合わせを行うはずだったのだが、相手方の都合で顔合わせは先送りになったのだ。
姉であるコレットは、遥香がこの婚約に乗り気でないことに気がついていた。
しかし、国同士の約束であり、外交的な理由があるこの婚約に、遥香は何も言えず、周りが勝手に進めるのを、ただ黙って見ていたのだ。
「お姉さま、仕方のないことだから……」
遥香のこの婚約は、国同士の同盟のために取り交わされた約束だった。数年前まで隣国とは国境付近で小競り合いが続いていたが、何度も繰り返された話し合いの末、ようやく落ち着いたのだ。その時取り交わした約束の中に、王女の一人を嫁がせるというものがあったのである。
「本当は、あなたのはずじゃなかったじゃないの」
コレットはあからさまに顔をしかめて見せた。
そうなのだ。この国の王女はコレットと遥香のほかにもう一人いる。遥香のすぐ一つ下に、遥香の母親とは別の側室が産んだ第三王女がいるのだ。
本当は、この第三王女が嫁ぐ話だったのである。
「土壇場になって、あの子が隣国に嫁ぎたくないと我儘を言ったから、急にあなたの名前があがったんじゃないの」
「お姉さま、仕方がないわ。だってアリスには好きな人ができちゃったんだもの」
「アリスが言うことだもの、その好きな人のことだって、本当かどうか怪しいものだわ」
「お姉さま……」
「だってそうでしょう? ずいぶん急だったじゃないの」
コレットはぷりぷり怒りながら、茶請けのクッキーを口に入れた。
「お姉さま、怒ってくれてありがとう。でもわたしは別にいいのよ。ただ、急に相手が変更になった王子様の方がかわいそうだわ。だって、わたしはアリスみたいに美人でもないし、何か取り柄があるわけでもないもの」
そう、アリスは国でも評判の美人だった。セザーヌ国の美姫と謡われるほどである。コレットも華やかな顔立ちの美人で、正直、遥香は三姉妹の中で一番平凡な顔立ちをしていた。
コレットは両腕を伸ばし、遥香を抱きしめた。
「何を言ってるの! あなたはこんなに優しい子じゃないの。それに、肌だってとてもきめ細やかで真っ白で、すぐにニキビができちゃうわたしには羨ましくって仕方がないのよ」
「ふふ、ありがとう」
「あら、冗談だって思ってるでしょ? 本当よ?」
コレットにぎゅうっと抱きしめられて、遥香はくすくすと笑った。
確かに、遥香は急に婚約の話が自分に回ってきて、とても不安だった。それは、十人並みの自分の容姿を見た隣国の王子が、きっと落胆するだろうからだ。
王女に生まれたからには、政略結婚は当たり前だと思って生きてきた。国のために有益になる相手に嫁がされるのは覚悟の上だった。そこに愛がなくたって仕方がない。不安なのは、相手をがっかりさせないかどうかだけなのだ。
遥香はコレットの腕の中で、まだ見たことのない王子様を思い描いた。
うわさに聞く話だと、ずいぶん華やかな顔立ちをしている人らしい。
(わたしの顔を見て、怒り出さないといいけど……)
遥香はこっそりと、ため息をついたのだった。
はじまりは、いつだったかわからない。
わかっているのは、毎夜見る夢の世界が、いつも同じということだけだ。
夢の中で遥香はどこか異国のお城に住まうお姫様で、綺麗なドレスを着て、毎日優雅にのんびりと暮らしていた――
☆ ☆ ☆
「リリー様」
呼ばれて、遥香は顔を上げた。
夢の中で遥香は「リリー」と呼ばれていた。
遥香は、お城の自室で午後のティータイムを楽しんでいた。
部屋の中は広く、天蓋つきのベッドや、皮張りのソファ、本棚やテーブルなどの家具は、一目見ただけでも高級そうなものばかり揃っている。
遥香は今、スカイブルーのドレスを身に着けていた。髪は一つにまとめられ、真珠のバレッタでとめられている。
自分のことを不細工とは言わないが、特別可愛い顔立ちでもない遥香は、豪華に着飾っているのが少し恥ずかしくなるのだが、夢の中の「リリー」にはどうやらそれが日常で、さほど抵抗感はないらしい。
いつも当然のように侍女が着飾らせるのを、華美すぎなければと言いつつ受け入れていた。
夢の中で遥香は、この世界の国王の二番目の娘らしい。つまり、王女様だ。母親は正妃ではなく側室らしいのだが、だからといって父親である国王は、娘に差別はしないようだ。夢の中の「リリー」はいつも姉であるコレットと同じように贅沢な暮らしをしていた。
「どうかしたの?」
夢の中の遥香は、自分を呼んだ侍女におっとりと訊ね返した。
侍女は部屋の入口の扉にちらりと一瞥を投げてから、「コレット様がいらしています」と告げた。
二つ年上の姉が部屋に来ることは珍しい。
不仲ではないのだが、遥香とは違い派手好きの彼女は、いつもいろいろな遊びに興じていて、城にいないことが多いのだ。
昨日見た夢の中でも、伯爵家で催された仮面舞踏会に出席していたはずだ。遥香も誘われたのだが、どうやら夢の中のリリーは、現実の世界の遥香と同じで、そう言った派手な遊びは好きではないらしく、丁重に断りを入れていた。
コレットはくるくると波打つ金色の巻き髪を一つに束ねて、乗馬服を着ていた。
「リリー、一緒に乗馬はどう? たまには体を動かさないとだめよ」
コレットは遥香の隣に腰を下ろすと、すらりとした足を高く組んだ。
夢の中の遥香はどうやら体を動かすことは好きではないらしい。いつも部屋で読書をするか#刺繍#__ししゅう__#をしているので、姉であるコレットは心配らしかった。
遥香は困ったように眉尻を下げた。
「お姉さま、わたしは、乗馬はちょっと……」
「あなた、まだ馬の上が怖いの?」
「ええ。だって、おっこちそうなんだもの」
遥香が言うと、コレットが肩をすくめた。
「もう。しょうがないわね」
誘いに来たわりにコレットはあっさり引き下がった。どうやら本題はほかにあったらしい。コレットは侍女に紅茶を煎れるよう頼んで、組んだ足の上に頬杖をついた。
「ねえ? 婚約、いやなら断ってもいいのよ?」
遥香は目を丸くして、それから小さく苦笑した。
そう、遥香は先月――夢の中での話がだが――、隣国の王子と婚約したのだ。だが、それは書面上だけのことで、相手の顔はわからない。本当は顔合わせを行うはずだったのだが、相手方の都合で顔合わせは先送りになったのだ。
姉であるコレットは、遥香がこの婚約に乗り気でないことに気がついていた。
しかし、国同士の約束であり、外交的な理由があるこの婚約に、遥香は何も言えず、周りが勝手に進めるのを、ただ黙って見ていたのだ。
「お姉さま、仕方のないことだから……」
遥香のこの婚約は、国同士の同盟のために取り交わされた約束だった。数年前まで隣国とは国境付近で小競り合いが続いていたが、何度も繰り返された話し合いの末、ようやく落ち着いたのだ。その時取り交わした約束の中に、王女の一人を嫁がせるというものがあったのである。
「本当は、あなたのはずじゃなかったじゃないの」
コレットはあからさまに顔をしかめて見せた。
そうなのだ。この国の王女はコレットと遥香のほかにもう一人いる。遥香のすぐ一つ下に、遥香の母親とは別の側室が産んだ第三王女がいるのだ。
本当は、この第三王女が嫁ぐ話だったのである。
「土壇場になって、あの子が隣国に嫁ぎたくないと我儘を言ったから、急にあなたの名前があがったんじゃないの」
「お姉さま、仕方がないわ。だってアリスには好きな人ができちゃったんだもの」
「アリスが言うことだもの、その好きな人のことだって、本当かどうか怪しいものだわ」
「お姉さま……」
「だってそうでしょう? ずいぶん急だったじゃないの」
コレットはぷりぷり怒りながら、茶請けのクッキーを口に入れた。
「お姉さま、怒ってくれてありがとう。でもわたしは別にいいのよ。ただ、急に相手が変更になった王子様の方がかわいそうだわ。だって、わたしはアリスみたいに美人でもないし、何か取り柄があるわけでもないもの」
そう、アリスは国でも評判の美人だった。セザーヌ国の美姫と謡われるほどである。コレットも華やかな顔立ちの美人で、正直、遥香は三姉妹の中で一番平凡な顔立ちをしていた。
コレットは両腕を伸ばし、遥香を抱きしめた。
「何を言ってるの! あなたはこんなに優しい子じゃないの。それに、肌だってとてもきめ細やかで真っ白で、すぐにニキビができちゃうわたしには羨ましくって仕方がないのよ」
「ふふ、ありがとう」
「あら、冗談だって思ってるでしょ? 本当よ?」
コレットにぎゅうっと抱きしめられて、遥香はくすくすと笑った。
確かに、遥香は急に婚約の話が自分に回ってきて、とても不安だった。それは、十人並みの自分の容姿を見た隣国の王子が、きっと落胆するだろうからだ。
王女に生まれたからには、政略結婚は当たり前だと思って生きてきた。国のために有益になる相手に嫁がされるのは覚悟の上だった。そこに愛がなくたって仕方がない。不安なのは、相手をがっかりさせないかどうかだけなのだ。
遥香はコレットの腕の中で、まだ見たことのない王子様を思い描いた。
うわさに聞く話だと、ずいぶん華やかな顔立ちをしている人らしい。
(わたしの顔を見て、怒り出さないといいけど……)
遥香はこっそりと、ため息をついたのだった。
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