わたしを「殺した」のは、鬼でした

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 道間ユキは、鬼や魑魅魍魎を狩る一族の道間家に生まれながら、疎まれた存在だった。
 黒を尊ぶ道間家において、赤茶色の髪を持って生まれたユキは、父である道間家の当主から「処分」されるのをただ待つだけの身。
 そして、15歳になったユキは、とうとう、処分の日を迎える。
 雪深い山の中に薄着で放り出されたユキは、歩いているときに見つけた祠の前で、ただただ死を待っていた。
 そのとき。
「道間家の女狐が」
 ユキの目の前に現れたのは、鬼の棟梁、暁月千早。
 千早は、死に逝くユキの首にそっと手をかけて――

 死んだはずのユキは、鬼の暮らす隠れ里で目を覚ます。
 ユキを「殺した」鬼、千早は、彼女に向かって告げた。
 「お前は、もはや道間ではない。――お前は、鬼だ」
 鬼に殺され、鬼となったユキと、鬼の棟梁である千早。
 二人の運命は、静かに交差する――

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