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第一部 悪役令嬢未満、お兄様と結婚します!
眠り姫を救うために 1
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……さて、と。
わたしは寮の部屋のテーブルの上に置かれた鳥かごの前で腕を組んだ。
ヴィルマが心底嫌そうな顔をして鳥かごを見つめている。
お兄様に買ってもらったカナリア(ハイライド)は、デート中に持ち歩くと邪魔だという理由で、一足先に女子寮に送り届けられていた。
突然カナリアが届いて、ヴィルマはとてもびっくりしたそうだ。
「わたくし、お嬢様に鳥を飼うのは無理だと思います」
世話を押し付けられることを警戒して、ヴィルマが不満そうな顔で言う。
「大丈夫よ、ちゃんとお世話するもの」
「三日坊主にならないことだけ祈っておきます」
……うーん、信用されていない。
まあ、以前のわたしなら、世話を全部ヴィルマに押し付けていたでしょうからね。
「大丈夫だって! ヴィルマ、わたしはこの子と仲良くなりたいから、しばらく二人っきりにしてくれない?」
「はあ……、カナリアと、仲良く、ですか」
「ええ!」
ヴィルマはいよいよおかしなものを見る目でわたしを見たけれど、わたしが意味不明な行動をとるのは前々からだったので「お嬢様がまた変なものに目覚めた……」と失礼なことをぶつぶつ言いながら控室に下がってくれた。
ヴィルマが部屋からいなくなると、わたしはハイライドに向き直る。
ヴィルマにはカナリアにしか見えていなかったハイライドは、止まり木に足を組んで座って、わたしに検分するような目を向けていた。
ちっちゃい妖精の姿だけど、改めて、恐ろしく顔立ちの整った男だと思う。
ゲームの設定によると、光の妖精の世界には俗にいう「シーリー・コート」――善良な妖精が住んでいる。
とはいえ、善良と言っても妖精は妖精なので悪戯好きだし、人間の物差しでは測れない部分もあるのだが、人間に取って害のある存在ではない。
そして、その光の妖精の世界の頂点に君臨しているのが光の妖精族だ。
光の妖精の世界には、種族ごとの国があるが、光の妖精の国の王はそのすべての国の支配権をも持っているのだ。
そしてハイライド・フォークスは、その光の妖精の国の、現女王の第三王子である。
光の妖精の世界の中のヒエラルキーのトップに君臨する男だ。
……とりあえず、最初は挨拶よね。
「こんにちは、高貴なる妖精さん」
さすがにわたしがハイライドの正体を知っているとは言えないので、そのように話しかけたのだが、ハイライドは金色の目を丸くした。
「やっぱり俺の姿が見えていたのか。素質持ちの人間か?」
素質持ち、とは、妖精の世界では「光の魔法」もしくは「闇の魔法」を使う素質の持った人間のことを指す。
火、土、水、風の四種の魔法は、一定量の魔力があれば訓練によって身につけられる。人間の世界に存在する精霊の力を借りて行使するからだ。
しかし、光と闇の魔法は違う。
光の魔法、闇の魔法は、それぞれ光の妖精、闇の妖精の力を借りて行使する。
そして二つの種族が存在しない人間の世界では、本来は扱えない魔法なのだ。
しかしごく稀に、光の魔法や闇の魔法の素質を持って生まれる人間がいる。
それが「素質持ち」――すなわち、「妖精の姿が見える者」だ。
そして「素質持ち」のものの中で、妖精に気に入られたものだけが、光の魔法もしくは闇の魔法が操れると言われていた。
ハイライドに指摘されるまで気が付かなかったが、言われてみたら彼の姿が見えたわたしは「素質持ち」なのかもしれない。
……悪役令嬢が素質持ちか~。
ちょっと驚きだ。
ここまで言えば言わなくても気が付くだろうが、ヒロインは「素質持ち」だ。そうでなければノルンの森には入れたとしてもハイライドの姿を見つけることはできなかったからである。
「どうなのかしら? 妖精を見たのははじめてだもの。でも、わたしの目には、金色の髪に金色の瞳を持った、とても麗しくて高貴な妖精さんの姿が見えるわ」
ハイライドはプライドが高い。ゆえに持ち上げておいた方がいいだろうとの判断だが、それは正しかったようだ。彼はわたしの誉め言葉にまんざらでもない顔をして大きく頷いた。
「やはり素質持ちだな。そしてこの俺様を高貴だと言い当てたお前には見る目がある!」
完全に悦に入っているご様子だ。
ハイライドは止まり木の上に立ち上がると、腰に手を当てて仁王立ちになった。
「よし女、気に入った! 特別に俺の名を名乗ることを許そう! 俺はハイライド・フォークス。ハイライドと呼べ。敬称は不要だ!」
「わかったわ、ハイライド。わたしはマリア・アラトルソワ。マリアでいいわ」
「マリアだな。ふむ、よい名だ。我の世話係にふさわしい」
おい!
わたしはちょっと顔が引きつりそうになった。
わたしとしては、ちょっと背中の翅の鱗粉を分けてもらえばそれでよかったので、あとはどこへなりとも出て行ってもらってよかったのに、この様子では居座る気ではなかろうか。
しかし嫌そうな顔をしてハイライドの機嫌を損ねるのはまずいので、わたしは愛想笑いを顔に貼り付ける。
「ハイライド、そのことでちょっとお願いがあるのだけど、いいかしら?」
「ふむ、なんだ? 申してみろ」
「わたし以外の人の目には、ハイライドはただのカナリア……美しいカナリアの姿に見えているらしいの」
「ただのカナリア」と言ったときにハイライドが目をすがめたので言いなおしたのだが、正解だったらしい。
ハイライドは満足そうに「うむ」と頷いた。……めんどくさ‼
「それでね、わたしと二人きりのときはいいんだけど、他に人がいる時にあなたとこうして普通に話していたら、とっても変な目で見られると思うのよ」
「一理あるな」
「変な目で見られるだけならいいんだけど、もしそれでハイライドが特別なカナリアだと気づかれたりしたら、ハイライドが誰かに狙われてしまうかもしれないわ」
「それは理解できる。すでにそのせいで捕まってしまったからな」
……すでにやらかしてたのか~!
ハイライドによると、彼はノルンの森を経由して人間の世界にやって来たらしい。
理由は至極くだらない。母親である女王との親子喧嘩が原因だ。
運よくノルンの森に入り込めたハイライドは、しばらく人間の世界で遊ぼうと、あっちこっちを飛び回っていたという。
だが、ずっと一人だと退屈になるし、寂しい。ついでに言えば、自己顕示欲の高い彼は、誰かにちやほやしてほしいタイプだった。
そこで、人通りの多いところで、ちょっとした芸を披露してみたという。
王子が芸とか、何考えてんだと、この時点でいろいろツッコミたいがまあいい。
すると、「芸を披露する珍しいカナリアがいる」と話題になり、食べ物に釣られてあっさり捕獲され、市場で売られる羽目となったそうだ。
……おバカなわたしに言われたくないでしょうけど、まぬけすぎる‼
ハイライドは深刻な顔で「あれは大変だった」なんて言ってるけど、全部自分が招いたことである。
わたしはげんなりしたが、武勇伝よろしく語っているハイライドに「まぬけ」なんて言えない。
「り、理解してくれて嬉しいわ。だからね、わたし以外の人がいる時にはあなたとおしゃべりできないんだけど、いいかしら? そうなるとハイライドはずっとカナリアのふりをして鳥かごにいなくてはいけないでしょう? それなら自由に飛び回っていたほうがいいのではないかと思って……」
「それは構わんぞ」
いいんかーい!
「俺もそろそろまともな食事がしたいと思っていたところだ。なに、妖精は食べなくとも生きていけるが、俺はグルメなのだ。この世界に来てからというもの、まともな食事にありつけていない。鳥かごに押し込められてからは、くそまずいペレットというものしか口にしていないのだ」
いや、まずいなら食べなければいいのでは?
……つまりは、グルメとか言いながら、単に食い意地がはっていらっしゃるだけなのね~。
そして、わたしの側にいたら美味しいものにありつけそうだから、多少の不自由さは我慢すると、そう言うことだろう。
……妖精の王子がそれでいいのか⁉
わたしはやれやれと嘆息したい気持ちだったが、出会ってすぐに鱗粉がほしいなんて言いにくいので、彼がわたしの部屋に滞在する気でいるのはよかったとポジティブに考えることにした。そうしなければやってられない。
「じゃ、じゃあ、ええっと……これからよろしくね、ハイライド」
「うむ、俺は存外役に立つ。期待していろ」
芸を披露して鳥かごに閉じ込められたくせに、どの口が言うのだろう。
わたしは苦笑しつつ鳥かごの入り口を開いてあげると、ハイライドのためにクッキーを一枚渡してあげた。
わたしは寮の部屋のテーブルの上に置かれた鳥かごの前で腕を組んだ。
ヴィルマが心底嫌そうな顔をして鳥かごを見つめている。
お兄様に買ってもらったカナリア(ハイライド)は、デート中に持ち歩くと邪魔だという理由で、一足先に女子寮に送り届けられていた。
突然カナリアが届いて、ヴィルマはとてもびっくりしたそうだ。
「わたくし、お嬢様に鳥を飼うのは無理だと思います」
世話を押し付けられることを警戒して、ヴィルマが不満そうな顔で言う。
「大丈夫よ、ちゃんとお世話するもの」
「三日坊主にならないことだけ祈っておきます」
……うーん、信用されていない。
まあ、以前のわたしなら、世話を全部ヴィルマに押し付けていたでしょうからね。
「大丈夫だって! ヴィルマ、わたしはこの子と仲良くなりたいから、しばらく二人っきりにしてくれない?」
「はあ……、カナリアと、仲良く、ですか」
「ええ!」
ヴィルマはいよいよおかしなものを見る目でわたしを見たけれど、わたしが意味不明な行動をとるのは前々からだったので「お嬢様がまた変なものに目覚めた……」と失礼なことをぶつぶつ言いながら控室に下がってくれた。
ヴィルマが部屋からいなくなると、わたしはハイライドに向き直る。
ヴィルマにはカナリアにしか見えていなかったハイライドは、止まり木に足を組んで座って、わたしに検分するような目を向けていた。
ちっちゃい妖精の姿だけど、改めて、恐ろしく顔立ちの整った男だと思う。
ゲームの設定によると、光の妖精の世界には俗にいう「シーリー・コート」――善良な妖精が住んでいる。
とはいえ、善良と言っても妖精は妖精なので悪戯好きだし、人間の物差しでは測れない部分もあるのだが、人間に取って害のある存在ではない。
そして、その光の妖精の世界の頂点に君臨しているのが光の妖精族だ。
光の妖精の世界には、種族ごとの国があるが、光の妖精の国の王はそのすべての国の支配権をも持っているのだ。
そしてハイライド・フォークスは、その光の妖精の国の、現女王の第三王子である。
光の妖精の世界の中のヒエラルキーのトップに君臨する男だ。
……とりあえず、最初は挨拶よね。
「こんにちは、高貴なる妖精さん」
さすがにわたしがハイライドの正体を知っているとは言えないので、そのように話しかけたのだが、ハイライドは金色の目を丸くした。
「やっぱり俺の姿が見えていたのか。素質持ちの人間か?」
素質持ち、とは、妖精の世界では「光の魔法」もしくは「闇の魔法」を使う素質の持った人間のことを指す。
火、土、水、風の四種の魔法は、一定量の魔力があれば訓練によって身につけられる。人間の世界に存在する精霊の力を借りて行使するからだ。
しかし、光と闇の魔法は違う。
光の魔法、闇の魔法は、それぞれ光の妖精、闇の妖精の力を借りて行使する。
そして二つの種族が存在しない人間の世界では、本来は扱えない魔法なのだ。
しかしごく稀に、光の魔法や闇の魔法の素質を持って生まれる人間がいる。
それが「素質持ち」――すなわち、「妖精の姿が見える者」だ。
そして「素質持ち」のものの中で、妖精に気に入られたものだけが、光の魔法もしくは闇の魔法が操れると言われていた。
ハイライドに指摘されるまで気が付かなかったが、言われてみたら彼の姿が見えたわたしは「素質持ち」なのかもしれない。
……悪役令嬢が素質持ちか~。
ちょっと驚きだ。
ここまで言えば言わなくても気が付くだろうが、ヒロインは「素質持ち」だ。そうでなければノルンの森には入れたとしてもハイライドの姿を見つけることはできなかったからである。
「どうなのかしら? 妖精を見たのははじめてだもの。でも、わたしの目には、金色の髪に金色の瞳を持った、とても麗しくて高貴な妖精さんの姿が見えるわ」
ハイライドはプライドが高い。ゆえに持ち上げておいた方がいいだろうとの判断だが、それは正しかったようだ。彼はわたしの誉め言葉にまんざらでもない顔をして大きく頷いた。
「やはり素質持ちだな。そしてこの俺様を高貴だと言い当てたお前には見る目がある!」
完全に悦に入っているご様子だ。
ハイライドは止まり木の上に立ち上がると、腰に手を当てて仁王立ちになった。
「よし女、気に入った! 特別に俺の名を名乗ることを許そう! 俺はハイライド・フォークス。ハイライドと呼べ。敬称は不要だ!」
「わかったわ、ハイライド。わたしはマリア・アラトルソワ。マリアでいいわ」
「マリアだな。ふむ、よい名だ。我の世話係にふさわしい」
おい!
わたしはちょっと顔が引きつりそうになった。
わたしとしては、ちょっと背中の翅の鱗粉を分けてもらえばそれでよかったので、あとはどこへなりとも出て行ってもらってよかったのに、この様子では居座る気ではなかろうか。
しかし嫌そうな顔をしてハイライドの機嫌を損ねるのはまずいので、わたしは愛想笑いを顔に貼り付ける。
「ハイライド、そのことでちょっとお願いがあるのだけど、いいかしら?」
「ふむ、なんだ? 申してみろ」
「わたし以外の人の目には、ハイライドはただのカナリア……美しいカナリアの姿に見えているらしいの」
「ただのカナリア」と言ったときにハイライドが目をすがめたので言いなおしたのだが、正解だったらしい。
ハイライドは満足そうに「うむ」と頷いた。……めんどくさ‼
「それでね、わたしと二人きりのときはいいんだけど、他に人がいる時にあなたとこうして普通に話していたら、とっても変な目で見られると思うのよ」
「一理あるな」
「変な目で見られるだけならいいんだけど、もしそれでハイライドが特別なカナリアだと気づかれたりしたら、ハイライドが誰かに狙われてしまうかもしれないわ」
「それは理解できる。すでにそのせいで捕まってしまったからな」
……すでにやらかしてたのか~!
ハイライドによると、彼はノルンの森を経由して人間の世界にやって来たらしい。
理由は至極くだらない。母親である女王との親子喧嘩が原因だ。
運よくノルンの森に入り込めたハイライドは、しばらく人間の世界で遊ぼうと、あっちこっちを飛び回っていたという。
だが、ずっと一人だと退屈になるし、寂しい。ついでに言えば、自己顕示欲の高い彼は、誰かにちやほやしてほしいタイプだった。
そこで、人通りの多いところで、ちょっとした芸を披露してみたという。
王子が芸とか、何考えてんだと、この時点でいろいろツッコミたいがまあいい。
すると、「芸を披露する珍しいカナリアがいる」と話題になり、食べ物に釣られてあっさり捕獲され、市場で売られる羽目となったそうだ。
……おバカなわたしに言われたくないでしょうけど、まぬけすぎる‼
ハイライドは深刻な顔で「あれは大変だった」なんて言ってるけど、全部自分が招いたことである。
わたしはげんなりしたが、武勇伝よろしく語っているハイライドに「まぬけ」なんて言えない。
「り、理解してくれて嬉しいわ。だからね、わたし以外の人がいる時にはあなたとおしゃべりできないんだけど、いいかしら? そうなるとハイライドはずっとカナリアのふりをして鳥かごにいなくてはいけないでしょう? それなら自由に飛び回っていたほうがいいのではないかと思って……」
「それは構わんぞ」
いいんかーい!
「俺もそろそろまともな食事がしたいと思っていたところだ。なに、妖精は食べなくとも生きていけるが、俺はグルメなのだ。この世界に来てからというもの、まともな食事にありつけていない。鳥かごに押し込められてからは、くそまずいペレットというものしか口にしていないのだ」
いや、まずいなら食べなければいいのでは?
……つまりは、グルメとか言いながら、単に食い意地がはっていらっしゃるだけなのね~。
そして、わたしの側にいたら美味しいものにありつけそうだから、多少の不自由さは我慢すると、そう言うことだろう。
……妖精の王子がそれでいいのか⁉
わたしはやれやれと嘆息したい気持ちだったが、出会ってすぐに鱗粉がほしいなんて言いにくいので、彼がわたしの部屋に滞在する気でいるのはよかったとポジティブに考えることにした。そうしなければやってられない。
「じゃ、じゃあ、ええっと……これからよろしくね、ハイライド」
「うむ、俺は存外役に立つ。期待していろ」
芸を披露して鳥かごに閉じ込められたくせに、どの口が言うのだろう。
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