93 / 99
透明人間になったわたしと、わたしに興味がない(はずの)夫の奇妙な三か月間
ルクレールの懺悔 1
しおりを挟む
「言いたいことはそれだけか?」
泣いて叫んで俯いて。
そしてしばらく動けなくなっていたオレリアの耳に、ルクレールの静かな声が聞こえてきた。
顔を上げると、ルクレールがマルジョリーの手を引きはがして、見たこともないくらいに冷ややかな瞳を彼女へ向けている。
マルジョリーの顔からは笑顔が消えて、代わりに狼狽の色が濃くあらわれていた。
「離縁するとかしないとか、それは夫婦の問題だ。少なくとも俺はオレリアからそのような話を聞いていないし、俺も離縁を考えたことはない。妻が本当に離縁を望んでいるのだとしても、それは妻の口から直接聞くことであって、夫人、あなたに教えられる筋合いはない」
「で、でも、実際に……」
「だから、あなたには関係のない話だと言っている。ましてや、俺を癒す? 何を意味のわからないこと。俺はあなたに癒していただかなければならないような傷は持っていない」
「だ、だってっ」
「夫人。察するに、夫婦仲がうまくいっていないのはあなたの方のようだ。――今日のことをアビットソン子爵に報告されたくなければ、今すぐここから出ていけ。このまま居座るつもりなら、アビットソン子爵へ連絡を入れさせていただくが?」
マルジョリーはカッと赤くなった。
オレリアは驚いて、涙にぬれた目をぱちぱちとしばたたく。
ルクレールは大きく息を吐き出した。
「腹いせに他人の家庭を引っ掻き回そうとするのはやめてほしい」
「な、なんて失礼な方なの‼」
マルジョリーは真っ赤な顔をして大声で叫んだ。
そして憤然と踵を返すと、慌ただしく応接間を飛び出していく。
マルジョリーが去ると、ルクレールが立ち上がり、応接間の窓を開けた。
「はあ、香水の匂いで息が詰まるかと思った。オレリアは大丈夫だったか?」
「わ……わたしは、大丈夫、です……」
手元にベルがないので、オレリアはティーカップの口をスプーンで軽くたたいて答える。
ルクレールは、怒っていないのだろうか。
ルクレールの声に怒りは感じないが、オレリアはどうしても不安になってしまって、どうにかして彼に自分の言葉を伝えられないかと部屋中を見渡す。
そして、角砂糖が入っている容器を見つけると、それをテーブルの上に並べた。
「うん?」
ルクレールがすぐに気づいて、テーブルの上を覗き込む。
――ち、が、う。
角砂糖だけでは長い文章は作れないので、それだけの文字を何とか作り上げると、ルクレールは目を丸くした後で真顔になった。
「オレリア、部屋に戻ろう。ここでは話ができないだろう?」
オレリアはティーカップの縁をスプーンで叩いて、ルクレールに是と告げる。
部屋に戻ると、オレリアは急いで日記帳を手に取った。
――わたしはマルジョリー様にルクレール様と離縁したいなんて言ったことはありません!
字が乱れるのも構わずにそれだけ走り書きすると、急いでルクレールに見せる。
違う違うと、ルクレールには見えないのに何度も首を横に振っていると、ルクレールが小さく笑った。
「うん、わかっているよ」
「本当に?」
信じてくれるのかとすがるようにルクレールを見つめると、彼はソファに座って、ぽんぽんとすぐ横の座面を叩いた。
「座ろう。おいで」
オレリアは日記帳とペンとインクを持って、ルクレールの隣にちょこんと腰を下ろす。
ルクレールはオレリアを探すように虚空に視線を向けてから、もう一度「わかっているよ」と繰り返した。
「俺は、オレリアがアビットソン子爵夫人に俺との夫婦関係について相談したとは思っていない。ただ……俺自身が、夫人の話を聞いたときに思うところがあっただけだ」
ルクレールはテーブルの上に広げて置いてある日記帳に視線を落とした。
「俺はいい夫ではなかっただろう? 夫と名乗ることもおこがましいほど、君のことを放置……ないがしろにしすぎた」
(でも、それは……)
「君に離縁を告げられても仕方がなかったんだなと、夫人の話を聞いたときにそう思ったんだ。何をいまさらと思うかもしれないが、その現実を突きつけられた気がしたんだよ。昨日の噂はただ腹が立っただけだったのに、君から聞いたと夫人が言ったとき、胸がざわりとしてしまった。君が夫人に込み入った相談なんてするはずがないと頭の隅ではわかっているのに、君はそれを望んでいるのではないかと思ってしまったんだ」
――わたしは離縁を望んでいません。
確かに、透明になる前は、離縁した方がいいのではないかと考えていた。
けれどもそれを今告げる必要はないし、それを告げてはダメな気がした。
だから今のオレリアの気持ちを書き記すと、ルクレールが「うん」と小さく頷いた。
――今のルクレール様はとても優しいです。わたし、幸せです。
「オレリア……」
ルクレールはかすれた、切ない声でオレリアの名前を読んで、見えないオレリアを探すように虚空に視線を彷徨わせる。
すぐ隣に座っているのに視線が絡まなくて、オレリアはひどくもどかしくなった。
早く元に戻ってほしい。
あと二か月近くも透明なままなんて、長すぎる。
ルクレールが、どこか躊躇いがちに虚空に手のひらをかざす。
まるで、見えないオレリアを探すように。
オレリアはルクレールの手に、おずおずと手のひらを重ねた。
オレリアにだけ感じる熱だ。ルクレールには、オレリアの体温どころか、手の感触すら伝わらないだろう。
――ここにいます。手を、重ねています。
オレリアが日記帳に文字を刻むと、ルクレールがオレリアと手をつなぐように、ゆっくりと指を折り曲げた。
オレリアもルクレールの指に指を絡める。
こんなに近くにいるのに、一方的にしか感じられない距離がもどかしい。
そばにいるよと、すぐ目の前にいるよと、叫びたかった。
「オレリア。……オレリア。俺は、君に謝らないといけない」
見えないオレリアのかわりに自分の手を見つめて、ルクレールが言う。
「俺はあの日……初夜の日、君にひどいことを言った。君を傷つけた。謝ったところで許されるわけではないとわかっているけれど……」
ルクレールはそこで言葉を切って、うなだれるように視線を落とす。
「すまない……。本当に、すまなかった……」
「そんなこと……!」
オレリアは正直、ルクレールが二年前の初夜の日のことを覚えていたとは思わなかった。
彼にとっては望まない結婚だったはずだ。
親に決められた婚約で、義務のために結婚した。
女性が信じられないルクレールにとって、他人の女を妻として受け入れなければならないことは、どれだけ苦痛だっただろう。
「っ」
オレリアは彼とつないでいた手を離すと、反射的にルクレールに抱き着いた。
「そんなの、いいんです……!」
リアーヌから、ルクレールについての過去は聞いている。
いったいどこの誰に心を奪われ、そして傷つけられたのか、詳細までは知らないが、彼が女性不信に陥っていたことはすでに聞いて理解しているのだ。
だからオレリアは、ルクレールに謝罪してもらいたいなんて思っていない。
世の中には、どうしようもないこともあるのだ。
「いいんです。いいんですよ……!」
オレリアがいくら彼をぎゅっと抱きしめたところで、ルクレールには伝わらないだろう。
けれども、オレリアは小さく震える彼を、抱きしめずにはいられなかった。
「君が、俺との離縁を選んでも仕方がないとわかっている。俺はそれだけのことをした。でも……」
ルクレールはそこで言葉を詰まらせた。
オレリアはルクレールに抱き着いたまま、ぶんぶんと頭を横に振る。
ルクレールは、夏の空のような綺麗な青い瞳を揺らしながら、絞り出すように言った。
「……そばに、いてくれ…………」
泣いて叫んで俯いて。
そしてしばらく動けなくなっていたオレリアの耳に、ルクレールの静かな声が聞こえてきた。
顔を上げると、ルクレールがマルジョリーの手を引きはがして、見たこともないくらいに冷ややかな瞳を彼女へ向けている。
マルジョリーの顔からは笑顔が消えて、代わりに狼狽の色が濃くあらわれていた。
「離縁するとかしないとか、それは夫婦の問題だ。少なくとも俺はオレリアからそのような話を聞いていないし、俺も離縁を考えたことはない。妻が本当に離縁を望んでいるのだとしても、それは妻の口から直接聞くことであって、夫人、あなたに教えられる筋合いはない」
「で、でも、実際に……」
「だから、あなたには関係のない話だと言っている。ましてや、俺を癒す? 何を意味のわからないこと。俺はあなたに癒していただかなければならないような傷は持っていない」
「だ、だってっ」
「夫人。察するに、夫婦仲がうまくいっていないのはあなたの方のようだ。――今日のことをアビットソン子爵に報告されたくなければ、今すぐここから出ていけ。このまま居座るつもりなら、アビットソン子爵へ連絡を入れさせていただくが?」
マルジョリーはカッと赤くなった。
オレリアは驚いて、涙にぬれた目をぱちぱちとしばたたく。
ルクレールは大きく息を吐き出した。
「腹いせに他人の家庭を引っ掻き回そうとするのはやめてほしい」
「な、なんて失礼な方なの‼」
マルジョリーは真っ赤な顔をして大声で叫んだ。
そして憤然と踵を返すと、慌ただしく応接間を飛び出していく。
マルジョリーが去ると、ルクレールが立ち上がり、応接間の窓を開けた。
「はあ、香水の匂いで息が詰まるかと思った。オレリアは大丈夫だったか?」
「わ……わたしは、大丈夫、です……」
手元にベルがないので、オレリアはティーカップの口をスプーンで軽くたたいて答える。
ルクレールは、怒っていないのだろうか。
ルクレールの声に怒りは感じないが、オレリアはどうしても不安になってしまって、どうにかして彼に自分の言葉を伝えられないかと部屋中を見渡す。
そして、角砂糖が入っている容器を見つけると、それをテーブルの上に並べた。
「うん?」
ルクレールがすぐに気づいて、テーブルの上を覗き込む。
――ち、が、う。
角砂糖だけでは長い文章は作れないので、それだけの文字を何とか作り上げると、ルクレールは目を丸くした後で真顔になった。
「オレリア、部屋に戻ろう。ここでは話ができないだろう?」
オレリアはティーカップの縁をスプーンで叩いて、ルクレールに是と告げる。
部屋に戻ると、オレリアは急いで日記帳を手に取った。
――わたしはマルジョリー様にルクレール様と離縁したいなんて言ったことはありません!
字が乱れるのも構わずにそれだけ走り書きすると、急いでルクレールに見せる。
違う違うと、ルクレールには見えないのに何度も首を横に振っていると、ルクレールが小さく笑った。
「うん、わかっているよ」
「本当に?」
信じてくれるのかとすがるようにルクレールを見つめると、彼はソファに座って、ぽんぽんとすぐ横の座面を叩いた。
「座ろう。おいで」
オレリアは日記帳とペンとインクを持って、ルクレールの隣にちょこんと腰を下ろす。
ルクレールはオレリアを探すように虚空に視線を向けてから、もう一度「わかっているよ」と繰り返した。
「俺は、オレリアがアビットソン子爵夫人に俺との夫婦関係について相談したとは思っていない。ただ……俺自身が、夫人の話を聞いたときに思うところがあっただけだ」
ルクレールはテーブルの上に広げて置いてある日記帳に視線を落とした。
「俺はいい夫ではなかっただろう? 夫と名乗ることもおこがましいほど、君のことを放置……ないがしろにしすぎた」
(でも、それは……)
「君に離縁を告げられても仕方がなかったんだなと、夫人の話を聞いたときにそう思ったんだ。何をいまさらと思うかもしれないが、その現実を突きつけられた気がしたんだよ。昨日の噂はただ腹が立っただけだったのに、君から聞いたと夫人が言ったとき、胸がざわりとしてしまった。君が夫人に込み入った相談なんてするはずがないと頭の隅ではわかっているのに、君はそれを望んでいるのではないかと思ってしまったんだ」
――わたしは離縁を望んでいません。
確かに、透明になる前は、離縁した方がいいのではないかと考えていた。
けれどもそれを今告げる必要はないし、それを告げてはダメな気がした。
だから今のオレリアの気持ちを書き記すと、ルクレールが「うん」と小さく頷いた。
――今のルクレール様はとても優しいです。わたし、幸せです。
「オレリア……」
ルクレールはかすれた、切ない声でオレリアの名前を読んで、見えないオレリアを探すように虚空に視線を彷徨わせる。
すぐ隣に座っているのに視線が絡まなくて、オレリアはひどくもどかしくなった。
早く元に戻ってほしい。
あと二か月近くも透明なままなんて、長すぎる。
ルクレールが、どこか躊躇いがちに虚空に手のひらをかざす。
まるで、見えないオレリアを探すように。
オレリアはルクレールの手に、おずおずと手のひらを重ねた。
オレリアにだけ感じる熱だ。ルクレールには、オレリアの体温どころか、手の感触すら伝わらないだろう。
――ここにいます。手を、重ねています。
オレリアが日記帳に文字を刻むと、ルクレールがオレリアと手をつなぐように、ゆっくりと指を折り曲げた。
オレリアもルクレールの指に指を絡める。
こんなに近くにいるのに、一方的にしか感じられない距離がもどかしい。
そばにいるよと、すぐ目の前にいるよと、叫びたかった。
「オレリア。……オレリア。俺は、君に謝らないといけない」
見えないオレリアのかわりに自分の手を見つめて、ルクレールが言う。
「俺はあの日……初夜の日、君にひどいことを言った。君を傷つけた。謝ったところで許されるわけではないとわかっているけれど……」
ルクレールはそこで言葉を切って、うなだれるように視線を落とす。
「すまない……。本当に、すまなかった……」
「そんなこと……!」
オレリアは正直、ルクレールが二年前の初夜の日のことを覚えていたとは思わなかった。
彼にとっては望まない結婚だったはずだ。
親に決められた婚約で、義務のために結婚した。
女性が信じられないルクレールにとって、他人の女を妻として受け入れなければならないことは、どれだけ苦痛だっただろう。
「っ」
オレリアは彼とつないでいた手を離すと、反射的にルクレールに抱き着いた。
「そんなの、いいんです……!」
リアーヌから、ルクレールについての過去は聞いている。
いったいどこの誰に心を奪われ、そして傷つけられたのか、詳細までは知らないが、彼が女性不信に陥っていたことはすでに聞いて理解しているのだ。
だからオレリアは、ルクレールに謝罪してもらいたいなんて思っていない。
世の中には、どうしようもないこともあるのだ。
「いいんです。いいんですよ……!」
オレリアがいくら彼をぎゅっと抱きしめたところで、ルクレールには伝わらないだろう。
けれども、オレリアは小さく震える彼を、抱きしめずにはいられなかった。
「君が、俺との離縁を選んでも仕方がないとわかっている。俺はそれだけのことをした。でも……」
ルクレールはそこで言葉を詰まらせた。
オレリアはルクレールに抱き着いたまま、ぶんぶんと頭を横に振る。
ルクレールは、夏の空のような綺麗な青い瞳を揺らしながら、絞り出すように言った。
「……そばに、いてくれ…………」
24
お気に入りに追加
724
あなたにおすすめの小説
つがいの皇帝に溺愛される幼い皇女の至福
ゆきむら さり
恋愛
稚拙な私の作品をHOTランキング(7/1)に入れて頂き、ありがとうございます✨読んで下さる皆様のおかげです🧡
〔あらすじ〕📝強大な魔帝国を治める時の皇帝オーブリー。壮年期を迎えても皇后を迎えない彼には、幼少期より憧れを抱く美しい人がいる。その美しい人の産んだ幼な姫が、自身のつがいだと本能的に悟る皇帝オーブリーは、外の世界に憧れを抱くその幼な姫の皇女ベハティを魔帝国へと招待することに……。
完結した【堕ちた御子姫は帝国に囚われる】のスピンオフ。前作の登場人物達の子供達のお話。加えて、前作の登場人物達のその後も書かれておりますので、気になる方は、是非ご一読下さい🤗
ゆるふわで甘いお話し。溺愛。ハピエン🩷
※設定などは独自の世界観でご都合主義となります。
◇稚拙な私の作品📝にお付き合い頂き、本当にありがとうございます🧡
悪役令嬢なのに王子の慰み者になってしまい、断罪が行われません
青の雀
恋愛
公爵令嬢エリーゼは、王立学園の3年生、あるとき不注意からか階段から転落してしまい、前世やりこんでいた乙女ゲームの中に転生してしまったことに気づく
でも、実際はヒロインから突き落とされてしまったのだ。その現場をたまたま見ていた婚約者の王子から溺愛されるようになり、ついにはカラダの関係にまで発展してしまう
この乙女ゲームは、悪役令嬢はバッドエンドの道しかなく、最後は必ずギロチンで絶命するのだが、王子様の慰み者になってから、どんどんストーリーが変わっていくのは、いいことなはずなのに、エリーゼは、いつか処刑される運命だと諦めて……、その表情が王子の心を煽り、王子はますますエリーゼに執着して、溺愛していく
そしてなぜかヒロインも姿を消していく
ほとんどエッチシーンばかりになるかも?
【完結】誰にも相手にされない壁の華、イケメン騎士にお持ち帰りされる。
三園 七詩
恋愛
独身の貴族が集められる、今で言う婚活パーティーそこに地味で地位も下のソフィアも参加することに…しかし誰にも話しかけらない壁の華とかしたソフィア。
それなのに気がつけば裸でベッドに寝ていた…隣にはイケメン騎士でパーティーの花形の男性が隣にいる。
頭を抱えるソフィアはその前の出来事を思い出した。
短編恋愛になってます。
媚薬を飲まされたので、好きな人の部屋に行きました。
入海月子
恋愛
女騎士エリカは同僚のダンケルトのことが好きなのに素直になれない。あるとき、媚薬を飲まされて襲われそうになったエリカは返り討ちにして、ダンケルトの部屋に逃げ込んだ。二人は──。
今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。
そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。
だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。
そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。
悪役令嬢は王太子の妻~毎日溺愛と狂愛の狭間で~
一ノ瀬 彩音
恋愛
悪役令嬢は王太子の妻になると毎日溺愛と狂愛を捧げられ、
快楽漬けの日々を過ごすことになる!
そしてその快感が忘れられなくなった彼女は自ら夫を求めるようになり……!?
※この物語はフィクションです。
R18作品ですので性描写など苦手なお方や未成年のお方はご遠慮下さい。
公爵様、契約通り、跡継ぎを身籠りました!-もう契約は満了ですわよ・・・ね?ちょっと待って、どうして契約が終わらないんでしょうかぁぁ?!-
猫まんじゅう
恋愛
そう、没落寸前の実家を助けて頂く代わりに、跡継ぎを産む事を条件にした契約結婚だったのです。
無事跡継ぎを妊娠したフィリス。夫であるバルモント公爵との契約達成は出産までの約9か月となった。
筈だったのです······が?
◆◇◆
「この結婚は契約結婚だ。貴女の実家の財の工面はする。代わりに、貴女には私の跡継ぎを産んでもらおう」
拝啓、公爵様。財政に悩んでいた私の家を助ける代わりに、跡継ぎを産むという一時的な契約結婚でございましたよね・・・?ええ、跡継ぎは産みました。なぜ、まだ契約が完了しないんでしょうか?
「ちょ、ちょ、ちょっと待ってくださいませええ!この契約!あと・・・、一体あと、何人子供を産めば契約が満了になるのですッ!!?」
溺愛と、悪阻(ツワリ)ルートは二人がお互いに想いを通じ合わせても終わらない?
◆◇◆
安心保障のR15設定。
描写の直接的な表現はありませんが、”匂わせ”も気になる吐き悪阻体質の方はご注意ください。
ゆるゆる設定のコメディ要素あり。
つわりに付随する嘔吐表現などが多く含まれます。
※妊娠に関する内容を含みます。
【2023/07/15/9:00〜07/17/15:00, HOTランキング1位ありがとうございます!】
こちらは小説家になろうでも完結掲載しております(詳細はあとがきにて、)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる