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離宮の夜は大混乱!?
謎だらけの求婚 2
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「ジェイルさんが、リリアさんに求婚していたんですか? 本当に?」
エルザの話を聞いても、沙良は信じられなかった。
ジェイルはいっそ気持ち悪いくらいエルザを溺愛しているように見える。そのジェイルがリリアに求婚していたというのはにわかには信じられない話だ。
「本当よ、結婚してくれって、愛しているって言っていたもの」
思い出したのか、エルザは瞳を潤ませていた。涙をごまかすように、横を向いて袖で目じりをぬぐっている。
(どういうことですか、ジェイルさん!?)
沙良は心の中でジェイルを罵倒した。人の目もはばからずエルザへの愛を語っていたジェイルの本命が、実はリリアだった? もし本当なら許しがたい。
「ちゃんと問い詰めたんですか!?」
「……ほんと、あんたって、見かけによらず……」
「わたしのことはいいんです! 間違いかもしれないじゃないですか」
浮気は死刑とミリアムが言っていた。本当に死刑になるかどうかはわからないが、よくないことだというのは充分わかる。
シヴァにこの世界に連れてこられた時、シヴァに愛人――ミリアムが言うところの暇つぶし相手――がいたのは知ったが、その時は何とも思わなかった。けれども今、シヴァの愛人と名乗る女性が目の前にあらわれたら沙良も心穏やかではいられないだろう。怒るのか泣くのか落ち込むのかは、実際に目の前に現れないとわからないが、できれば出会いたくないと思っている。
(シヴァ様、もてもてだから……)
そういえば、あの愛人さんたちはどこに行ったのかな――、と最近見なくなったシヴァの周りにいた女性たちを思い出して、沙良は少し寂しくなった。
一人はミリアムが追い出したのを知っているが、あと四人いたはずだ。
シヴァの愛人は、もともといたのだから「浮気」じゃないんだろうな、と本題からずれたことを考えはじめた沙良は、「問い詰めたわよ」というエルザの言葉に我に返った。
「当然問い詰めたわよ。リリアと結婚するのかって」
「そうしたら?」
「勘違いだって大慌てしてたわ。でも、じゃああれは何だったのかって問いただしても、しどろもどろになって答えないんですもの。とにかく誤解だの一点張り。そんな言い訳、信じられるわけないでしょう」
「……ジェイルさん、最低です」
沙良は心の中で、クッションを百個くらいジェイルにぶつけてやった。クッションなのでダメージは少ないが、クッションに埋もれて身動きが取れなくなったジェイルを思い浮かべて少しだけ清々すると、メイドが持ってきてくれたクッキーを口に入れる。
朝食後にまだ食べるのかとエルザがあきれたような視線を向けたが、沙良は気にしなかった。昨日のように、今日も昼食を食いっぱぐれるかもしれない。そのためには食いだめしておくことが必要だ。
「でも、リリアさんは? リリアさんはバードさんのことが大好きですよ。仮にジェイルさんがおかしくなってリリアさんに求婚したとしても、リリアさんが受けるとは思えません」
「リリアがなんて答えたのなんて、知らないわ。でも、あのときリリアは顔を赤く染めて、けっして嫌そうじゃなかったもの。まんざらでもなかったのよ」
「そんな……」
「バード様も偶然わたしと同じ光景を見たって言っていたわ。その時リリアは嬉しそうだったって言ってた」
「それじゃあ、ジェイルさんとリリアさんが結婚するのを、エルザさんとバードさんは黙ってみているんですか?」
そんなのあんまりだ、と沙良が言えば、エルザが小さく笑った。
「そんなわけないでしょ。だから、わたしはジェイルの心臓がほしいのよ」
「殺しちゃうんですか」
「だから違うわよ!」
エルザは額をおさえた。
「ああ、もういいわ。あんた全部知らないと気が済まないみたいだし。―――わたしが持っていた木製の杭があったでしょう?」
「シヴァ様に取り上げられたあの杭ですか?」
「そうよ。あの杭には、魔法がかかっているの。バード様が十日もかけて作ってくれたのよ」
エルザはマグカップを持ち上げて、その中に入っていたカフェオレを飲み干したことを思い出し、カップをテーブルの端におく。かわりに手をつけていなかったオレンジジュースで喉を潤した。
「魔法って?」
「一種の、惚れ薬的なものよ。あの杭を心臓に打ちつけられたものは、一生、打ちつけた人しか見えなくなるの」
「へ?」
沙良は素っ頓狂な声を上げた。無理もない。ジェイルが「僕の心がほしいから」心臓を狙っているとふざけて――当人は真面目に――言っていたが、間違っていなかったということだ。信じられない。
「馬鹿にしてるわね? でも、その辺に出回っているインチキな惚れ薬とはわけが違うんだから。セリウス様がおいて行った古代魔法の研究書を参考にしたんだってバード様が言っていたわ。間違いなく効くはずだって」
「古代魔法……」
聞いたことのない単語が出てきて、早くも沙良の脳は考えることを放棄したくなった。それでなくとも、魔法にはまだ慣れないのだ。それなのに古代魔法やら惚れ薬やら、少し前までの沙良の日常には決して登場しなかったものが次々と出てきて、どうすればいいのかわからない。
「本当は無理やり心を手に入れようとするのはいけないってわかってるわ。でも……、他の手段なんて思いつかなかった。どうすればいいのかなんて、わたしもバード様も、わからなかったの」
ジェイルの心がエルザに戻れば、リリアもバードのもとに戻ってくるだろうとバードは言った。
一生懸命考えて、エルザとバードがたどり着いた結論がそれだったのだ。お願いだから捨てないでほしいと、言える勇気は二人にはなかった。すがって、手を振り払われた時、その絶望に耐えられる自信がなかったから。
だが、自嘲気味に笑いながら語るエルザを見ながら、沙良はなんだかおかしいと首をひねっていた。
ジェイルがリリアに求婚したことは間違いないのかもしれない。
だが、リリアはバードがエルザを選んだと聞いた時、顔を真っ青にしていた。屋敷に来ないでほしいと言われたと泣いていた。
ジェイルだって、沙良の目にはリリアではなくエルザが好きなのだと映る。
(……何かが、変です)
誰かが嘘をついているとは言わない。だが、ジグソーパズルの中に違うピースを混ぜ込んでしまったかのように、すべてが一つにまとまらなかった。
エルザの話を聞いても、沙良は信じられなかった。
ジェイルはいっそ気持ち悪いくらいエルザを溺愛しているように見える。そのジェイルがリリアに求婚していたというのはにわかには信じられない話だ。
「本当よ、結婚してくれって、愛しているって言っていたもの」
思い出したのか、エルザは瞳を潤ませていた。涙をごまかすように、横を向いて袖で目じりをぬぐっている。
(どういうことですか、ジェイルさん!?)
沙良は心の中でジェイルを罵倒した。人の目もはばからずエルザへの愛を語っていたジェイルの本命が、実はリリアだった? もし本当なら許しがたい。
「ちゃんと問い詰めたんですか!?」
「……ほんと、あんたって、見かけによらず……」
「わたしのことはいいんです! 間違いかもしれないじゃないですか」
浮気は死刑とミリアムが言っていた。本当に死刑になるかどうかはわからないが、よくないことだというのは充分わかる。
シヴァにこの世界に連れてこられた時、シヴァに愛人――ミリアムが言うところの暇つぶし相手――がいたのは知ったが、その時は何とも思わなかった。けれども今、シヴァの愛人と名乗る女性が目の前にあらわれたら沙良も心穏やかではいられないだろう。怒るのか泣くのか落ち込むのかは、実際に目の前に現れないとわからないが、できれば出会いたくないと思っている。
(シヴァ様、もてもてだから……)
そういえば、あの愛人さんたちはどこに行ったのかな――、と最近見なくなったシヴァの周りにいた女性たちを思い出して、沙良は少し寂しくなった。
一人はミリアムが追い出したのを知っているが、あと四人いたはずだ。
シヴァの愛人は、もともといたのだから「浮気」じゃないんだろうな、と本題からずれたことを考えはじめた沙良は、「問い詰めたわよ」というエルザの言葉に我に返った。
「当然問い詰めたわよ。リリアと結婚するのかって」
「そうしたら?」
「勘違いだって大慌てしてたわ。でも、じゃああれは何だったのかって問いただしても、しどろもどろになって答えないんですもの。とにかく誤解だの一点張り。そんな言い訳、信じられるわけないでしょう」
「……ジェイルさん、最低です」
沙良は心の中で、クッションを百個くらいジェイルにぶつけてやった。クッションなのでダメージは少ないが、クッションに埋もれて身動きが取れなくなったジェイルを思い浮かべて少しだけ清々すると、メイドが持ってきてくれたクッキーを口に入れる。
朝食後にまだ食べるのかとエルザがあきれたような視線を向けたが、沙良は気にしなかった。昨日のように、今日も昼食を食いっぱぐれるかもしれない。そのためには食いだめしておくことが必要だ。
「でも、リリアさんは? リリアさんはバードさんのことが大好きですよ。仮にジェイルさんがおかしくなってリリアさんに求婚したとしても、リリアさんが受けるとは思えません」
「リリアがなんて答えたのなんて、知らないわ。でも、あのときリリアは顔を赤く染めて、けっして嫌そうじゃなかったもの。まんざらでもなかったのよ」
「そんな……」
「バード様も偶然わたしと同じ光景を見たって言っていたわ。その時リリアは嬉しそうだったって言ってた」
「それじゃあ、ジェイルさんとリリアさんが結婚するのを、エルザさんとバードさんは黙ってみているんですか?」
そんなのあんまりだ、と沙良が言えば、エルザが小さく笑った。
「そんなわけないでしょ。だから、わたしはジェイルの心臓がほしいのよ」
「殺しちゃうんですか」
「だから違うわよ!」
エルザは額をおさえた。
「ああ、もういいわ。あんた全部知らないと気が済まないみたいだし。―――わたしが持っていた木製の杭があったでしょう?」
「シヴァ様に取り上げられたあの杭ですか?」
「そうよ。あの杭には、魔法がかかっているの。バード様が十日もかけて作ってくれたのよ」
エルザはマグカップを持ち上げて、その中に入っていたカフェオレを飲み干したことを思い出し、カップをテーブルの端におく。かわりに手をつけていなかったオレンジジュースで喉を潤した。
「魔法って?」
「一種の、惚れ薬的なものよ。あの杭を心臓に打ちつけられたものは、一生、打ちつけた人しか見えなくなるの」
「へ?」
沙良は素っ頓狂な声を上げた。無理もない。ジェイルが「僕の心がほしいから」心臓を狙っているとふざけて――当人は真面目に――言っていたが、間違っていなかったということだ。信じられない。
「馬鹿にしてるわね? でも、その辺に出回っているインチキな惚れ薬とはわけが違うんだから。セリウス様がおいて行った古代魔法の研究書を参考にしたんだってバード様が言っていたわ。間違いなく効くはずだって」
「古代魔法……」
聞いたことのない単語が出てきて、早くも沙良の脳は考えることを放棄したくなった。それでなくとも、魔法にはまだ慣れないのだ。それなのに古代魔法やら惚れ薬やら、少し前までの沙良の日常には決して登場しなかったものが次々と出てきて、どうすればいいのかわからない。
「本当は無理やり心を手に入れようとするのはいけないってわかってるわ。でも……、他の手段なんて思いつかなかった。どうすればいいのかなんて、わたしもバード様も、わからなかったの」
ジェイルの心がエルザに戻れば、リリアもバードのもとに戻ってくるだろうとバードは言った。
一生懸命考えて、エルザとバードがたどり着いた結論がそれだったのだ。お願いだから捨てないでほしいと、言える勇気は二人にはなかった。すがって、手を振り払われた時、その絶望に耐えられる自信がなかったから。
だが、自嘲気味に笑いながら語るエルザを見ながら、沙良はなんだかおかしいと首をひねっていた。
ジェイルがリリアに求婚したことは間違いないのかもしれない。
だが、リリアはバードがエルザを選んだと聞いた時、顔を真っ青にしていた。屋敷に来ないでほしいと言われたと泣いていた。
ジェイルだって、沙良の目にはリリアではなくエルザが好きなのだと映る。
(……何かが、変です)
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