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第10章 異国の大決戦編
37.ワニアの戦い(29)
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アテヌが連合軍の前で見せた奇妙な踊りは、何と催眠術の効果があったのだ。
これにより、連合軍の兵たちは無力化してしまう。
だが、軍勢を束ねる将たちに対しては催眠術の効力を発揮しなかったようである。
あえて自身の催眠術にかからないようにしたのだ。
そう言うとアテヌは次に政武の顔を睨みつけていた。
政武
「うああああぁぁぁっ!ぐっ…くっ…くっ…」
政武は突然、苦しげな声を上げていた。
やがて眉間に皺を寄せ、その場をのたうち回る。
宗重
「おいアテヌ!貴様、政武に何をしたのじゃ?」
この尋常では無い政武の様子を見た宗重は、アテヌを睨みつけて怒鳴り声を上げていた。
アテヌは不気味な笑みを浮かべながら答え始める。
アテヌ
「なに、この者の有り余る力を私が有効に使ってあげようと呼び掛けてあげただけですよ。ふふふふふ…」
どうやら今度は政武に対してアテヌは催眠術をかけたようである。
「連合軍の将たちを一人残らず全員、殺してしまえ」と。
それを聞いた長継は、非常に慌てながら宗重に対して声を上げる。
長継
「何じゃと?はっ!いっ、いかん!宗重殿よ、政武殿から今すぐに離れよ!離れるのじゃ!」
宗重
「むっ?うっ、うぅっ、ぐわっ!」
長継による声が上がってすぐに政武は、宗重に対して手にした刀で一太刀を浴びせる。
刀は宗重の顔をかすめたようであり、頬からは血が流れ始めていた。
政武
「ちっ、空振りかよ。惜しいな、実に惜しい。おいじじい、次は外さねぇから覚悟しておきな!ふふふふふ…」
政武はにやりと笑いながら吐き捨てるようにそう言っていた。
刀の刃先には宗重の血が付いている。
祐永
「おい政武殿!お主は今、我らに対して何をされているか分かっておるのか!」
味方である我らを突然に襲うとは何事であるか。
突然の政武による凶行を目の当たりにした祐永は、鬼のような形相をしている。
すると長継が祐永らに対して口を開き始める。
長継
「どうやら政武殿は、アテヌによる催眠術にかかったようにございます…」
政武は先程のアテヌによる催眠術によって彼に操られている。
それ故に今、彼に近づくのは危険であると長継は言っていた。
それに続いてドヴェルクも口を開く。
ドヴェルク
「では、そのうえで私たちに攻撃を加えるように命令を下したというわけですか…」
するとアテヌは彼らに対して拍手を送りながら言う。
アテヌ
「その通り。この男は先程より、私に忠実な部下となったというわけです。彼はセビカ軍と志太幕府軍の壊滅の為に尽くしてくれましょうな。」
アテヌは政武に対し、自身の部下であるといった内容の催眠術をかけたという。
これにより彼は、主の命令には忠実に従う一人の兵士となったのだ。
アテヌは連合軍に対してそう言っていた。
政武
「うらぁ!この政武様が貴様らを全員地獄へと送り届けてやるぜ!」
血走った目をしてそう声を上げる政武を見たアテヌが笑いながら言う。
アテヌ
「おやおや、これまた実に良い部下が増えましたね。私は嬉しいですよ。ふふふふふ…」
アテヌは闘争心に燃える政武の姿に頼もしさを感じているようである。
崇房
「最早、今の政武殿に何を申しても無駄にござるか…」
政武の様子を見た崇房はそう呟いていた。
宗重
「くっ、政武…政武よ…」
宗重は拳を握りしめながら政武の名前を口にしていた。
これにより、連合軍の兵たちは無力化してしまう。
だが、軍勢を束ねる将たちに対しては催眠術の効力を発揮しなかったようである。
あえて自身の催眠術にかからないようにしたのだ。
そう言うとアテヌは次に政武の顔を睨みつけていた。
政武
「うああああぁぁぁっ!ぐっ…くっ…くっ…」
政武は突然、苦しげな声を上げていた。
やがて眉間に皺を寄せ、その場をのたうち回る。
宗重
「おいアテヌ!貴様、政武に何をしたのじゃ?」
この尋常では無い政武の様子を見た宗重は、アテヌを睨みつけて怒鳴り声を上げていた。
アテヌは不気味な笑みを浮かべながら答え始める。
アテヌ
「なに、この者の有り余る力を私が有効に使ってあげようと呼び掛けてあげただけですよ。ふふふふふ…」
どうやら今度は政武に対してアテヌは催眠術をかけたようである。
「連合軍の将たちを一人残らず全員、殺してしまえ」と。
それを聞いた長継は、非常に慌てながら宗重に対して声を上げる。
長継
「何じゃと?はっ!いっ、いかん!宗重殿よ、政武殿から今すぐに離れよ!離れるのじゃ!」
宗重
「むっ?うっ、うぅっ、ぐわっ!」
長継による声が上がってすぐに政武は、宗重に対して手にした刀で一太刀を浴びせる。
刀は宗重の顔をかすめたようであり、頬からは血が流れ始めていた。
政武
「ちっ、空振りかよ。惜しいな、実に惜しい。おいじじい、次は外さねぇから覚悟しておきな!ふふふふふ…」
政武はにやりと笑いながら吐き捨てるようにそう言っていた。
刀の刃先には宗重の血が付いている。
祐永
「おい政武殿!お主は今、我らに対して何をされているか分かっておるのか!」
味方である我らを突然に襲うとは何事であるか。
突然の政武による凶行を目の当たりにした祐永は、鬼のような形相をしている。
すると長継が祐永らに対して口を開き始める。
長継
「どうやら政武殿は、アテヌによる催眠術にかかったようにございます…」
政武は先程のアテヌによる催眠術によって彼に操られている。
それ故に今、彼に近づくのは危険であると長継は言っていた。
それに続いてドヴェルクも口を開く。
ドヴェルク
「では、そのうえで私たちに攻撃を加えるように命令を下したというわけですか…」
するとアテヌは彼らに対して拍手を送りながら言う。
アテヌ
「その通り。この男は先程より、私に忠実な部下となったというわけです。彼はセビカ軍と志太幕府軍の壊滅の為に尽くしてくれましょうな。」
アテヌは政武に対し、自身の部下であるといった内容の催眠術をかけたという。
これにより彼は、主の命令には忠実に従う一人の兵士となったのだ。
アテヌは連合軍に対してそう言っていた。
政武
「うらぁ!この政武様が貴様らを全員地獄へと送り届けてやるぜ!」
血走った目をしてそう声を上げる政武を見たアテヌが笑いながら言う。
アテヌ
「おやおや、これまた実に良い部下が増えましたね。私は嬉しいですよ。ふふふふふ…」
アテヌは闘争心に燃える政武の姿に頼もしさを感じているようである。
崇房
「最早、今の政武殿に何を申しても無駄にござるか…」
政武の様子を見た崇房はそう呟いていた。
宗重
「くっ、政武…政武よ…」
宗重は拳を握りしめながら政武の名前を口にしていた。
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