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第9章 創天国の魂編
74.派兵の前準備
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祐宗は八光御所に各藩の幕臣たちを招集していた。
そこでヘルト討伐の援軍として参戦する幕臣たちに対して主命を言い渡していた。
任命を受けた者たちは皆、引き締まった表情を見せている。
そんな中、貞広が祐宗に対して問い掛けの言葉を発する。
貞広
「しかし上様、セビカ国は我が国からは遠き場所にございます。どのようにして兵を送り出すのでございましょうか?」
セビカ国は創天国から遥か離れた海の向こうに存在する国である。
実際に貞広や宗重らが訪問するにあたっては大変な時間と労力を費やしている。
もしセビカ国に援軍を派兵するとなれば同様に、いやそれ以上の労力がかかるのでは無かろうか。
貞広はそうした心配をしている様子であった。
すると祐宗は自信ありげな表情を見せながら一人の男に対して声をかける。
祐宗
「あぁ、それならば既に手は打っておる故に心配には及ばぬ。守常よ、用意はできておるか?」
守常
「はっ、既に準備は出来ておりまする!」
その男とは、九条守常であった。
・九条 守常(くじょう もりつね)
天才発明家として名高い九条信常の嫡男。
幼少期より父の行う発明に対して興味を示し、自身もまた発明家を目指して修行を行っていた。
信常が第二次墨山の戦いで死去した事を受け、家督を相続する。
以後は志栄藩に幕臣として所属し、父の遺したとされる数々の発明品の設計書を元に改良を加えるなど品質の向上に努めていたという。
これらからも発明家としての才能は父である信常同様に優れていた事が分かる。
自身が心配事として挙げた問題は既に守常によって解決出来ている。
そう祐宗から聞かされた貞広は、今度は守常に対して問い掛けの言葉を掛ける。
貞広
「守常殿、一体何の用意をなされておったのでござるか?」
すると守常もまた祐宗に同じく自信に満ちた表情を見せながら答える。
守常
「それは、船にございます。幕府軍の者たちをセビカ国までお運びする船を発明しておりました。」
何やら守常は、船の発明を行っていたという。
それも、今回のように兵たちをセビカ国などといった遠方の地までを移動する為の船であるという。
貞広
「船?しかし、我が国には船などいくらでもございましょう。何故に船の発明などを?」
創天国は島国である為か、船に関する技術は当時の世界の中では優れた技術を持っていたとされている。
守常の父である信常も「海難知らず」といった道具を発明するなど、海を渡る為の手段の技術はそれなりに発達している事が良く分かるであろう。
これほどの技術があるというにも関わらず、何を今更になって船の発明などを行う必要があるというのだ。
先程の守常による説明を聞いても貞広はあまりぴんとは来ていない様子であった。
すると祐宗がそんな二人の間に入って喋り始める。
祐宗
「そこいらの船とは比べ物にならぬほどの大きい船じゃ。そして、大勢の兵たちが乗ってもびくともせぬ強き船にござる。」
今回、守常が発明したという船は国内で存在する船では最も規模の大きい物で大軍勢の収容が可能であるという。
さらに、頑丈性も従来の船や前述にもあった「海難知らず」以上である品質を保つ事で比較的安全に航海を行うことが可能になったという。
貞広
「なるほど、それであらばセビカ国までは確かに安全に軍勢を移動させられますな。」
貞広は納得した表情を見せていた。
そこでヘルト討伐の援軍として参戦する幕臣たちに対して主命を言い渡していた。
任命を受けた者たちは皆、引き締まった表情を見せている。
そんな中、貞広が祐宗に対して問い掛けの言葉を発する。
貞広
「しかし上様、セビカ国は我が国からは遠き場所にございます。どのようにして兵を送り出すのでございましょうか?」
セビカ国は創天国から遥か離れた海の向こうに存在する国である。
実際に貞広や宗重らが訪問するにあたっては大変な時間と労力を費やしている。
もしセビカ国に援軍を派兵するとなれば同様に、いやそれ以上の労力がかかるのでは無かろうか。
貞広はそうした心配をしている様子であった。
すると祐宗は自信ありげな表情を見せながら一人の男に対して声をかける。
祐宗
「あぁ、それならば既に手は打っておる故に心配には及ばぬ。守常よ、用意はできておるか?」
守常
「はっ、既に準備は出来ておりまする!」
その男とは、九条守常であった。
・九条 守常(くじょう もりつね)
天才発明家として名高い九条信常の嫡男。
幼少期より父の行う発明に対して興味を示し、自身もまた発明家を目指して修行を行っていた。
信常が第二次墨山の戦いで死去した事を受け、家督を相続する。
以後は志栄藩に幕臣として所属し、父の遺したとされる数々の発明品の設計書を元に改良を加えるなど品質の向上に努めていたという。
これらからも発明家としての才能は父である信常同様に優れていた事が分かる。
自身が心配事として挙げた問題は既に守常によって解決出来ている。
そう祐宗から聞かされた貞広は、今度は守常に対して問い掛けの言葉を掛ける。
貞広
「守常殿、一体何の用意をなされておったのでござるか?」
すると守常もまた祐宗に同じく自信に満ちた表情を見せながら答える。
守常
「それは、船にございます。幕府軍の者たちをセビカ国までお運びする船を発明しておりました。」
何やら守常は、船の発明を行っていたという。
それも、今回のように兵たちをセビカ国などといった遠方の地までを移動する為の船であるという。
貞広
「船?しかし、我が国には船などいくらでもございましょう。何故に船の発明などを?」
創天国は島国である為か、船に関する技術は当時の世界の中では優れた技術を持っていたとされている。
守常の父である信常も「海難知らず」といった道具を発明するなど、海を渡る為の手段の技術はそれなりに発達している事が良く分かるであろう。
これほどの技術があるというにも関わらず、何を今更になって船の発明などを行う必要があるというのだ。
先程の守常による説明を聞いても貞広はあまりぴんとは来ていない様子であった。
すると祐宗がそんな二人の間に入って喋り始める。
祐宗
「そこいらの船とは比べ物にならぬほどの大きい船じゃ。そして、大勢の兵たちが乗ってもびくともせぬ強き船にござる。」
今回、守常が発明したという船は国内で存在する船では最も規模の大きい物で大軍勢の収容が可能であるという。
さらに、頑丈性も従来の船や前述にもあった「海難知らず」以上である品質を保つ事で比較的安全に航海を行うことが可能になったという。
貞広
「なるほど、それであらばセビカ国までは確かに安全に軍勢を移動させられますな。」
貞広は納得した表情を見せていた。
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